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日米台湾のバックグラウンドを活かし「日米の架け橋を多方面から実現する」ーーAssociate, Rickie Koo

DNX Venturesには多様なバックグラウンドをもつメンバーがいます。
今回登場するのは、USオフィスのアソシエイト、Richard (Rickie) Koo。
生まれ育ちは日本。国籍はアメリカ。両親は台湾出身。
生まれた時からマルチカルチャー、マルチリンガルの環境で育ったRickieは、
自身のテーマである「日米の架け橋」をまさにDNXで体現しています。

今回はRickieがDNXの仕事を通じて学んだVCにおける大切なこと、
そしてDNXのチームについて話してもらいました。

日米拠点で活動するDNXならではのカルチャーや面白さを
感じ取っていただける内容になっていると思います。
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生まれた時からマルチカルチャー、マルチリンガル。

日米の架け橋を目指す自分と、日米拠点のDNXが重なった。

生まれ育ちは日本。国籍はアメリカ。両親は台湾出身。日本で育ちましたが、アメリカ国籍なので英語を重視し、インターナショナルスクールで教育も文化も「アメリカ」という、生まれた時からマルチカルチャー、マルチリンガルの環境で育ちました。その影響からか、子どもの頃からアメリカに憧れが強く、アメリカの文化に触れたいという想いがありました。名前も"Rickie"ですし、自分が知っているのは日本なのに、常に目がアメリカに向いていました。

こうしたバックグラウンドを生かせるキャリアを求めて渡米、米国ジョージタウン大学で国際関係を学びました。卒業後には、米国外務省への入省を真剣に考えていましたが、その前にプライベートセクターでの経験を積みたいと思い、コンサルティング会社デロイト(Deloitte)のニューヨーク本社にジョイン。日本に関わる仕事に興味があったので、敢えて、アメリカで事業を行なう日系企業向けのコンサルティングを担当させてもらいました。4年ほど、銀行・自動車メーカー・保険会社・商社などの米国法人設立や事業や税務のサポートなどを行いました。

その後Wharton(The Wharton School at the University of Pennsylvania)に進学、MBAと並行して、僕の人生テーマでもある国際関係をJoseph H. Lauder Institute of Management & International Studiesで専攻、ビジネスと国際関係をどう両立して考えるかを学び、二つの学位を取得しました。

Wharton時代の知人からDNXを紹介してもらい、3ヶ月間東京オフィスでインターンをしたことが、DNXに入社するキッカケとなりました。

日本とアメリカの架け橋になりたいという気持ちがすごく強くて。その実現には、外務省の大使や日系企業向けコンサルなど、いろいろな選択肢があります。ただ、ミクロ的、かつアリー・ステージの会社と仕事ができるフィールドはなかなかないように思うんです。DNXはその点、細部にわたって日米の架け橋になれることが魅力でした。日本の事業会社がLP(出資者)のため、米国スタートアップとLPとの協業を支援するという、まさにコンサル的な仕事もある。一方、米国スタートアップの日本進出をサポートしたり、アメリカのテックトレンドが日本で根付く際のローカライゼーションも面白い。たとえば、アメリカのあらゆる業務オペレーションの基盤は、トヨタのメソッドがあるんです。そんな架け橋になることに、使命感をもって取り組んでいます。


成功体験や失敗体験でバイアスをつくらない

成功要因を本質的かつ客観的にみる重要性

僕はアメリカオフィスのアソシエイトとして、大きく分けて5つの仕事をしています。


①投資先候補を探す"Deal Sourcing" 、人からの紹介の「インバウンド」と、自社で"Investment Thesis"(投資テーマ)を設定して探る「アウトバンド」の両方あります。特にアメリカでは、市場の分析と、それに伴うInvestment Thesisが問われる傾向が強いように思います。
②"Due Diligence"では、財務諸表もない企業のDDをすることもあり、製品デモや、顧客からの参考意見、業界のエキスパートの見解などを判断材料にします。
③投資先のサポート"Portfolio Management"は、アーリーステージのスタートアップでは強く求められる機能です。資金よりVCのエキスパティーズや労働力を求めるスタートアップもあるほど。上場企業への投資との大きな違いですね。加えて、会社って生き物のように日々変化するので、投資先の財務状況を定期的に確認することも重要な仕事です。
④時期によりますが、"Fund Raising"もアソシエイトの立場から手伝っています。
⑤"LP Support"がもうひとつの大きな仕事。アメリカに子会社を設立し経営する難しさを、僕は前職の経験もあって理解することができる。でも僕はアメリカ人なのでアメリカ人とも自分らしく力を発揮できる。その強みを活かしてサポートできたらと思っています。


そうした仕事の中で、スタートアップと向き合うのに「バイアス・偏見を持たないこと」がすごく重要だと感じています。成功したからといって、その経験が他でも同じようにうまくいくと思っていると危ない。失敗についても同じです。仕掛ける時期が1年違うだけで成功できる/できないも変わる。だからこそ、何が本当の成功要因なのかというところを客観的に考える必要があると思います。

加えて、業界も自分が担当している投資先も常に変化しています。だからこそ、VCは常に新しいことを勉強しないといけない。やりやすい仕事や心地よい場所にずっといるのではなく、自分はいつも物足りないなというメンタリティで、変化や新しいことに好奇心をもって貪欲に取り込んでいないとキャピタリストとしては成功できないのではないかと思います。


クレイジーなアイデアがクレイジーに思えなくなった。

夢の世界を現実にする仕事。

この仕事をして、クレイジーなアイデアがクレイジーに感じられなくなりましたね。
10年前の僕が「ありえない」「絶対起こりえない」って思っていたようなことが、この仕事についていると当たり前になり、すっかり日常になっている。Tim Draperの力もあって、Hero City(USオフィスが入居するDraper Venture Networkのオフィス)にいるといろんなアイデアが持ち込まれてくるんです。でも、シリコンバレーで成功した人たちは常に夢を持っているから、そういう夢やアイデアをクレイジーだと一蹴することもないし、馬鹿にすることもない。ビジネスセンスがないアイデアや技術的に未完成なアイデアだったとしても、きちんとプランを立てて、ロジカルに説明できれば何でもできる世界なんです。Science Fiction の世界を実現するような仕事ですね。


日本のスタートアップエコシステムはもっと成長できる

そのためにVCとしてできることがある

日本のスタートアップエコシステムはもっと成長し発展する可能性を強めている時期にあると思うんです。世界で3番目の経済力があって、米国と比べても東証マザーズなど活力ある資本市場が恵まれてる。税制もスタートアップにとって好環境ですし、大企業もたくさんあって、お金もふんだんにある。細部にまで宿る職人高い技能やエンジニアの高い技術力もある。つまりは、いいスタートアップが生まれない、エコシステムが成熟しない理由はないと思うんです。そこには、リスクに対する抵抗があるのかなと思います。そこでVCの役割がすごく重要になると思う。ネットワークを通じ、いいアイデアをもった優秀な人の起業を、大手企業にいる時からサポートする。資金を出すだけじゃなく、一緒にリスクを取ろう、というのが、私たちの仕事かなと考えるようになりました。そういう後押しをしていかないと、エコシステムが発展していかないと思います。

そうしたVCとしての役割や価値を担っていけば、日本はVCの数がまだ少ないので大きなベネフィットも掴めると思います。だからこそ、1号ファンドから現在組成中の3号ファンドまで倍々で成長しているこのDNXに、今のタイミングで入ることによって、キャリアに関してもお金に関しても学びに関しても、成長を経験できるのではと思います。実際、僕自身もすごくいいタイミングでこのファンドに参加することができ、米国の老舗VCに入るよりずっと学びが多く、自分なりの価値を出していけると感じています。


DNXの、多様性を重んじるカルチャーと

同じミッションを掲げる「ファミリー」のような関係性

恭平さんがよく「DNXって家族みたいだよね」と話しているんですが、僕もDNXには「ファミリー」という表現があっていると思うんです。みんなで成功するか、みんなで失敗するか、一つの船に乗っているような。喧嘩もするけど仲直りして、友達以上の関係性の中で仕事をする、そこにファミリーのようなものを感じるんです。だからこそ、DNXへの入社を検討する人には、まず僕らとのケミストリーの部分を見てほしいし、僕たちもその人がこのファミリーで成長できるか、このファミリーに入って仲良くできるかを見ます。

でもこの「ファミリー」というのは、みんなが同じ価値観ということでは決してないんです。多様性を重要視しているファミリーなので、同じミッションを掲げながらも、違う観点やバックグラウンド、性格をそれぞれに尊重し合っています。敢えて言うならば、意見を言わないと同席している意味がないとすら思われるような、発言を重視するアメリカ的なカルチャーがある。だから僕自身は、積極的に発言するように意識しています。



(聞き手/文・上野なつみ)

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