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「この仕事をなぜやるのか、意識共有が大事」サブスク事業を軌道に乗せ、今立っている現在地。

UJ GROUPを取り巻く「組織と個人のストーリー」を探るインタビュー。第3回は、短期リースのサブスク事業「スマートトラック」で代表を務める山中康平さん。まったく新しい物流業界の基盤づくりに挑むポジティブな思いを探ります。

取材・文:UJ GROUP 採用広報
UJ GROUP
トラックの販売・買取・総合サービスを行うUJグループの「UP GROUP」公式サイトです。「ウシトラ・ウシパーツ・UJ RENTAL・MORITS」の各事業ブランドを取りまとめております。トラックのことなら「UJ GROUP」にお任せ下さい!
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たった一人で300社に直営業、5,000社にDM送付

スマートトラックの代表に就いたのが2016年、ちょうど30歳の時でした。UJ GROUPがもともと取り組んでいた短期リース事業を事業会社化するタイミングで、事業を引き継ぐ形でジョインしました。業界外からの転職で、いきなり事業責任者、いきなり会社の代表です。と言っても僕一人だけでスタートした会社なんですが(笑)。
スマートトラックは新品のトラックを2年間定額でリースするサブスクリプションサービスの事業です。このビジネスの鍵を握るのはやはり新規獲得です。僕にとってゼロからのチャレンジでした。初めの半年は今思い出しても本当にしんどかったですね。



トラックの短期リースというのはまだ業界でもニッチなサービスでした。もちろん需要拡大を見込んで始めた事業ではありますが、果たしてサービスを求める新規顧客がどこにいるのか、ヒントも取っ掛かりもわかりませんでした。

最初はUJ GROUPの地元である九州を中心にドアノックで営業して回りました。それと並行してオンラインの窓口を整えようとWEBサイトを作り替えてSEO対策を強化してみたりもしました。それでもまったくうまくいかない。

仕方がないので別の土地で新しい可能性を探ってみようと、妻の実家がある福島まで足を伸ばして自分でつくったビラを片手に飛び込み営業もしてみました。その時は300社くらい回ったかな…。そこまでやってみても悲しいことに収穫はゼロ。「俺、何やってるんだろう?」って呆然とすることもありました。



顧客がいなければ暇なもんで、事務所で一人、般若心経の写経をしてた時期もありました(笑)。何かいいことあるんじゃないかと思って。今思えばけっこう変というかギリギリだったのかもしれませんね。新しい事業なので初めからうまくいくはずないし、「今はまあこんなもんかな」という気持ちもあったにはあったのですが…とはいえできることがあまりにもなくて…。

流れが変わり始めたのはDMの全国配布を始めた頃からでしょうか。こんな時代に、紙のDMでそこまでの反応って期待してなかったんです。だってWEBサイトでサービス展開してるんですよ。でも思いついたことはとりあえずやろうと。



DMは5,000社くらいに送ったかな。そうしたら50社ほどからリアクションがあったんです。100分の1のリアクション、DMなら悪くないですよね。その50社に「すぐ行くので話を聞いてほしい」と電話して、直接会いに行きました。そこからですね、少しずつ風向きが変わり始めました。



いつか自分の手でビジネスをやってみたかった



もともと僕は前職では総合リース業で営業をやっていました。顧客の会社が新しい事業を立ち上げる際に、リースという形で設備投資のお手伝いをすることが多かったですね。扱う商材は飛行機から牛やブタまで何でもあり、取引先もあらゆる業種業界に渡っていました。

学生時代から自分でビジネスをすることに関心があった方です。いつかそんな日が来た時に役立つように、決算書を読む力や会社の与信力を評価できる仕事に就きたいと思って、前職の仕事を選びました。やっぱり、簿記を勉強するだけじゃダメだろうと思って。


いま振り返っても、前職の選択は間違ってなかったなと思います。あまり良くない決算書を見て「どんな金額で取引すべきだろうか」といった判断をしなければならないシチュエーションも多かった。いろんな会社が属している業界特性を勉強しないといけない仕事でした。



2013年に僕が福岡へ転勤になった時、取引先としてUJ GROUPと出会いました。短期リース事業の構想はその頃から聞いていたんです。その頃の僕は、UJ GROUPから見たら協業相手ですね。あくまでも外部の立場でしたが、どういうサービス設計にすればうまくいくだろうかと何度も話をしました。サービスが立ち上がったあとも協業という形で併走していたのですが、少しずつ軌道に乗り始めた2016年、30歳の時に突然誘われたんです。「このプロジェクトを事業会社として独立させたいから、社長をやってくれないか」と。



夢に近づく絶好のチャンス、乗るしかない

「やりましょう」と即答しました。あまりにも返事が早かったのか今でもイジられるんですが(笑)、本当にそれくらい迷わなかったんですよね。
どんな未来が待っているかなんてわからず、たった一人で会社を始める、その大変さだけはわかっていました。でもきっと面白いことになると思ったんですよね。それにグループ内の子会社とはいえ、夢だった「自分でビジネスをやること」に近づけるわけじゃないですか。舞い込んできたチャンスを逃したくはないなと。必要としてくれるのならその波に乗ってみたいと思ったんですよね。



異業種への転職でしたが不安は特にありませんでした。トラック業界って大企業も参入しづらい絶妙な領域で、まだまだ成長段階なんです。余白は大きいだろうという確信もありました。リースのプロとして積み重ねてきた経験と知識を生かせば戦えるし、なんならUJ GROUPを日本で一番にできるかもしれないと思っています。



たとえリスクがあってもポジティブな未来に賭ける



スマートトラックの顧客は主に運送会社です。短期のリースでトラックを利用できるので、購入するほどの資金が用意できないような小さな会社も多いんです。創業して間もないような会社だったり、経営状況が明るくないような会社もあります。決算書を見せていただければ顧客の財務状況は一目瞭然です。与信力が低くて融資が受けられないような会社って、サービス側からすると取引したくない相手と考えることもできます。リスクが大きいですから。でも、そういった会社こそ、僕らが向き合うべき顧客だと思っています。

スマートトラックでリースした1台のトラックがあったから事業を始められた、と言ってもらえることもあります。経営状況が明るくなかった会社も、その1台で事業が良い方に回りだすかもしれない。そうした多くの小さな会社が、日本のすみずみまで物流を担ってくれたりするんです。彼らのポジティブな未来に賭けて、いい関係をつくっていきたいんですよね。



これって綺麗事でもないんです。スマートトラックで出会った顧客と信頼関係を結んでおけば、将来的にその会社が成長して、購入や販売を相談してくれる可能性が出てくる。UJ GROUPの他のサービスの顧客になってくれるかもしれない。僕らが重点を置いているのはそこ、グループで連携することなんです。


個々の事業のことは、別々に捉えるのではなく「UJ GROUPのいろんな側面」と考えています。狭い範囲で見れば多少のリスクがあったとしても、最終的にグループ全体の利益につながる可能性があるならやる意味は充分にあります。顧客と自社、双方にとって価値のあるチャレンジだと判断できるなら、積極的にリスクをとろうというのが社風でもあると思います。



事業づくりから組織づくりへ。今がいちばん燃えている



株式会社スマートトラックは1年半前からメンバーも少しずつ増えて、3人体制になりました。スタート時点で20社程度だった顧客も今では200社ほど、年商は9億まで来ました。そろそろ本格的に組織づくりにチャレンジする段階かなと思っています。

事業の責任者、会社の代表をやってると、僕がまずやらないとダメじゃないですか。どんどん新しい方向に引っ張っていかなきゃならない。3年後、5年後に今と同じことをやってちゃダメだなみたいな気持ちは常にあります。そのほうが面白いなって。グループ全体で考えれば、今後また新しい事業を手がけていく可能性だって全然あると思いますし。


実はもっと早く仲間探しを始めるべきだったなと反省してる部分もあるんです。以前から「スマートトラックにも人が必要なんじゃないか」と気にかけてもらってたのに断ってたんですよね。僕は人件費をコストだと捉えてたんです。ただでさえ利益が出てないんだから人にお金を割いちゃダメだろうと。でも、いざ複数人の組織になってくると、組織マネジメントには時間がかかるんだなって実感しています。もっと早く取り組んでいれば…って。


たとえば、仕事をどうやるのか、ノウハウを共有することは簡単なんです。でも、「この仕事をなぜやるのか」まで踏み込んで意識や感覚を共有するのが大事ですよね。それがいい組織をつくっていくことになる。でもそれって難しくて時間がかかることなんだなとようやく気がつきました。だからこそ面白いし、社会人になって一番燃えてるのって、なんだかんだ今かもしれません。



前職でも仕事自体は一生懸命やっていましたし楽しんでいました。でもその延長線上に豊かな人生がイメージできなかったんです。なんというか、自分がいなくても会社は回るんだよなと思うと、仕事に慣れれば慣れるほど気持ちが引いてしまったんですよね。それに比べたら、事業づくりや組織づくりに取り組む今の環境のほうが僕には合ってるのかもしれませんね。

踏み切るまでに少し時間はかかってしまいましたが、今の僕らが抱えている熱量を分け合える新しい仲間を見つけていきます。もっとチームを大きくして、みんなで組織をつくっていきたいと思っています。


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