こんにちは。株式会社Inspire High採用担当です!
Inspire Highでは、「世界中の10代をインスパイアする」をミッションに、地域や経済状況に左右されることなく、これからの時代を生きる10代のひとり一人が、「自分らしい生き方」を見つけられるような探究学習プログラムを開発・提供しています。
そのため、教育業界に対する強い課題意識や、自分なりのブレない軸を持つメンバーが多く在籍しています。今回お話を伺う、中高事業部・関西エリア営業担当の森本奈緒美さんもそのひとりです。
学生時代の経験をきっかけに、日本の教育へ課題を感じるようになったという森本さんは、なぜInspire Highの仕事を選んだのでしょうか? 外部の立場から学校に携わるからこそのやりがいや、自身に起きた変化などについても語ってもらいました。
取材・文:市場早紀子 撮影・編集:Inspire High
【プロフィール】
森本 奈緒美
2024年入社。京都府出身。高校でデンマークへ留学し、小学校時代に経験した学級崩壊と合わさって価値観の多様さや世界の学校教育のあり方に関心を寄せるように。大学では教育哲学を学び、学校教育における対話の影響をテーマに卒論を執筆。人材業界へ就職するも、やはり学校教育に携わり、10代からの対話や視野の広がりのきっかけとなれるInspire Highへ。京都、奈良、滋賀を駆け巡り、先生方と対話できることが何よりの楽しみ。
目次
日本の教育に「対話的な学び」を。学生時代の経験から生まれた疑問とは?
「営業」ではなく、ビジョンを一緒に語り合う「仲間」になりたい
いま自分に何ができるのか。能動的に考える過程こそ、やりがいにつながる
「情熱」だけでは伝わらない。「ロジカルさ」が結果と学びにつながる
日本の教育に「対話的な学び」を。学生時代の経験から生まれた疑問とは?
ー現在の担当業務を教えてください。
森本:中高事業部にて、京都と奈良、滋賀といった西日本エリアにある私立の学校のセールスを担当しています。学校が持つ課題のヒアリングを通した関係構築からはじまり、「Inspire High」導入までの道筋を一緒に考え、活用に至るまでのサポートをするのがメイン業務ですね。
「Inspire High」プログラム紹介
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Inspire Highにおける営業活動の流れ
ー前職も教育業界のお仕事だったのでしょうか?
森本:以前は、企業向けの研修や、人材育成の企画・支援を行なう人材育成の会社に勤めていました。
でも、小学校時代に学級崩壊を経験し、高校時代に留学したデンマークで国ごとの教育の違いを強烈に感じたことから、日本の教育に対する疑問はずっと持っていたんです。
「なぜ違いが生まれるんだろう?」という問いを紐解くために、大学では教員養成課程に進学しました。ちょうどその頃、学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」がよく取り上げられていて、関心を持っていました。
実際に、卒論では「自分の言葉で何かを語ること」や「誰かの言葉を受け取り、それに対して自分の考えを見つめ直していく」といったデンマークの教育哲学と比較しながら、日本の学校現場で実践できる「対話的な学び」とはどのようなことを指すのか、どのようなかたちで学校現場で実践しうるかを取り上げました。このときの経験が、いまでも自分の考え方の軸になっていると思います。
ー「対話的な学び」……生徒自ら問いを立てていく「探究学習」に通じていますね。
森本:まさに「Inspire High」もそうですね。私自身、前職を辞めたあとに自分のキャリアを見つめ直す機会があったのですが、教育において「対話的であること」や「対話を大切にすること」を支援したいという思いが変わらずあって。
加えて、小学校時代の原体験から「先生の働く環境の改善が、生徒たちの幸せにもつながる」と考えていたので、なるべく先生と直接お話しする機会がある仕事を探していたんです。そんななかInspire Highと出会い、入社を決めました。
「営業」ではなく、ビジョンを一緒に語り合う「仲間」になりたい
ー実際に入社されていかがでしょう。
森本:学校関係者ではなく「外部の立場」だからこそ、先生の本音が聞ける点が、おもしろいと感じます。学校のなかでは、関係性のしがらみなどから、議論しにくい環境にあると思うのですが、外部の立場である私には、先生自身が抱えているジレンマを話してくださることがあるんです。
理想の実現に向けて、先生の思いに寄り添いながら、話し相手として並走できることは、他者的な立場で関わるからこそ生まれる、価値のある時間なのだろうと感じています。
「先生がどんな生徒たちを受け持つのか」や「何で先生になったのか」など、その人自身にすごく興味を持って対話している気がします。長時間型の商談をするタイプかもしれないです。
ー先生とのやり取りで、とくに印象に残っている場面はありますか?
森本:入社したてのころ、外部の教材をあまり利用したことがない学校を担当させていただく機会がありました。やり取りを重ねて受注が決まったあと、学校にお邪魔した際に、先生が「森本さんじゃなかったら導入してなかったわ」「これからもいてくれるよね?」と声をかけてくださったんです。本当にうれしかったし、「もちろんいますよ!」とお答えしました。
会社やプロダクトを評価いただいたこともうれしかったのですが、それ以上に、思いが届いたことや「ひとりの人間」として先生とつながれた感覚がとても大きかったです。
ーお客さんと営業という関係性ではなく、「仲間」のような感覚ですね。
森本:プロダクトを通して、「先生が実現したいことを一緒に叶えていく」という姿勢や、「向き合うのではなく、同じ方向を見ながら伴走する」ということを、日頃からすごく意識しています。
会社として利益を出すことも大事なのですが、それ以上に、先生がその学校でどんな未来をつくりたいのかというビジョンを、一緒に語り合える存在こそが「仲間」であり、「同じ方向を向く」ということなのかなと思っています。
もちろん、先生方のなかには、「営業はあくまで営業」として接している方もいらっしゃるので、そこに踏み込んでいくのは、ある意味で挑戦しがいのあるポイントですね。
いま自分に何ができるのか。能動的に考える過程こそ、やりがいにつながる
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ー年単位で動くことが多いInspire Highの営業活動ですが、大変なことはありますか?
森本:関西チームは2024年に立ち上がったので、まだまだ新規開拓中で、学校との関係構築に日々奔走しています。1年と聞くとゆとりがあるように聞こえるかもしれませんが、思いのほかスピード感がある現場で、そこに大変さを感じることがあります。スピード感をもって結果を出すためには、どこかのタイミングで「一緒にこういうことを実現したいですよね」という目標を、先生方と共有することが大切だと思っています。
入社して1年目は、とくにそのスピード感が問われる年でした。8月に入社したので、そこから半年で関係性や信頼を築いて結果を出す必要があったので……。
でも、スピードを持って動きながら、先生方と目線を合わせていくこと自体に、私はやりがいを感じます。「新しいことをはじめたいけど、状況的にいまじゃないんだよな」と感じる学校あったとしても、生徒にとっての1年ってそのときしかない貴重な時間じゃないですか。だから「2年後でいいよ」という話にはならないと思うんです。
体制や金銭面などで難しい事情があることも理解していますが、それでも「何かをやりたい」という気持ちがあるなら、その想いをいかに早く学校の運用に結びつけていけるかが重要だと感じています。先生方と対話を重ね、現場の声と制度の接点を探っていく――それが、私が意識している「スピード感」ですね。
ー関西エリア担当として、今後チャレンジしたいことはありますか?
森本:2025年の7月から営業企画も担当させてもらうことになりまして、それが今後というか……いま一番のチャレンジかもしれません。これまでは自分自身の営業活動に集中していましたが、今後は「組織全体がどうすればより効果的に営業できるか」を考えていく視点が求められます。
いまは、自分自身をより長期的な視点で見つめながら、西日本エリアで継続的に営業活動を展開するには何ができるのかを模索する過程にも、やりがいを感じています。
ーキャリアステップの面でもかなりスピード感がありますね……!
森本:めっちゃ早いです。 入社して1年ですが、2年分くらい生きた気持ちになってますね(笑)。正直にいうと、このスピード感で成長することに、おもしろさを感じている反面、「つねに成長し続けなければならない」というプレッシャーを強く感じてしまうときもあるんです。
そういうときに、「ダメなときはダメでいい」と受け止めることも必要かもしれませんが、「そこからもう一度立ち直ることができるのかどうか」というのも重要だと感じます。
Inspire Highの営業スタイルは、自分で商談を入れない限りは何も進まないという特徴があるので、自律して動けるかはとても大事です。アップダウンの振れ幅があることは悪いことでじゃないのですが、「もう無理だ……」と諦めて、自分から動けなくなってしまうと、この会社ではとても厳しいかもしれません。
私もつらい時期がありましたが、オンラインで社内の人と話す場を設けるなどして乗り越えました。そういった、社内における関係構築も本当に大切だなと実感しています。
「情熱」だけでは伝わらない。「ロジカルさ」が結果と学びにつながる
ーInspireHighは、森本さんにとってどんな場所なのでしょう。
森本:率直に、「入ってよかった」と思いますね。ベンチャー企業って「パッションだけで盲目的に突き進む」みたいな印象があると思うんですけど、私はそういう環境があまり得意ではないんです。
Inspire Highにも、もちろん情熱を持った方が多くいらっしゃいますが、「その情熱をどう実現するか」まで、きちんと地に足をつけて、つねに建設的に議論している印象があります。
「いまの状態では目標達成が難しそうだから、次はこういう一手が必要だよね」とか、ある意味、ドライとも受け取れるような視点が必要とされる。だからこそ、私も冷静に自分を振り返る習慣や視点を学ばせてもらっていますし、居心地の良さにもつながっています。
ーこれからどんな方と一緒に働きたいですか?
森本:先ほど述べた、現実に落とし込んで考えられる人はもちろん、自分の価値観を更新し続けられる人だとうれしいですね。
自分の軸を持つことはもちろん大切ですが、全国の学校と関わるなかで、自分とはまったく違う価値観に出会うことも多々あります。そのときに「相手を否定する」のではなく、「そういう考え方もあるんだ」と受け止めながら、自分の価値観を一度捉え直してみる——そんな柔軟性を持っている方は、Inspire Highの仕事を通じて、きっとたくさんのことを吸収し、より広く深く成長していけるんじゃないかなと思います。
また、Inspire Highのように費用をいただいてサービスを提供する事業では、当然「想い」だけでなく、数値的な目標も求められるので、現実的な要素との折り合いを自分の中できちんとつけていく意識も大切ですね。
営業の場では、「私がいいと思っている」という気持ちだけでは契約に結びつかないので、そこは私自身も、意識的に変えていかなければならないと感じています。この一年はとくに、「どんなところがどう良いのか」をちゃんと言語化して伝える努力をしてきました。
「想い」と「ロジカルさ」のバランスが求められるので、自分を鍛えるのにはすごく良い場所だと思います。
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森本さん、素敵なお話をありがとうございました!
ご自身の経験から課題意識を胸に抱きながらも、学校の声に耳を傾け、ロジカルな視点で未来を描いていく——。そんな森本さんの言葉から、Inspire Highが目指す「教育の未来」が、少しずつ広がっていく手応えが伝わりました。
教育のことをもっと一緒に考えてみたいと思った方は、「話を聞きに行きたい」から、その一歩を踏み出してみませんか?