こんにちは。株式会社Inspire High採用担当です!
Inspire Highでは、「世界中の10代をインスパイアする」をミッションに、地域や経済状況に左右されることなく、これからの時代を生きる10代のひとり一人が、「自分らしい生き方」を見つけられるような探究学習プログラムを開発・提供しています。
私たちの営業職は、日本全国で新規の開拓だけでなく、既存顧客との深いつながりを築くことも重要な役割のひとつです。
今回お話を伺うのは、京都に住みながら全国の学校を駆ける、中高事業部・長野エリア担当の薬師寺加依さん。先生方と同じ方向を見ながら教育の未来を描いていく───、そんな伴走者としての姿勢を大切にしている薬師寺さんが感じる、Inspire Highでのやりがいとは?さらに、教育業界を目指すきっかけとなった学生時代の原体験なども語ってもらいました。
取材・文:市場早紀子 撮影・編集:Inspire High
【プロフィール】
薬師寺加依
2022年入社。大阪府出身。大学時代に留学したオランダで各国の教育環境の違いに興味を持つ。オランダで出会う人々に多様な生き方を学び、自分の人生観が揺さぶられた経験から、将来的に日本の子どもたちにも「国内の常識にとらわれない生き方」に出会う機会をつくりたいと考えていたところ、Inspire Highと出会いコンテンツと想いに惚れる。バイブルはナウシカの原作。
目次
留学をきっかけに考えた、世界の分断をつなぐ「知ること」の大切さ
目指すのは、「隣に座って肩を組める」関係性
「商談」ではない。人と人とがインスパイアし合う有意義な時間
「学校」ではなく「人」と向き合うことが、自分を大きく成長させる
留学をきっかけに考えた、世界の分断をつなぐ「知ること」の大切さ
ー現在の担当業務を教えてください。
薬師寺:中高事業部にて、「Inspire High」を各学校に導入していただくための営業と、すでに導入いただいている学校への定例ヒアリングといったフォロー業務を担当しています。現在は33校を担当しています。全体の担当学校数は73校程度なので、新規と既存顧客の割合は4:3くらいですね。Inspire Highでは基本的に担当エリアが決まっているのですが、私の場合はちょっと例外で、全国幅広いエリアを担当しています。
「Inspire High」プログラム紹介

Inspire Highにおける営業活動の流れ
ー前職でも教育業界のお仕事をされていたのですか?
薬師寺:1社目は映像の製作会社にいました。でも、自分のキャリアを棚卸ししたときに「自分が社会のためにできることは何だろう」と考えることがあって。学生時代の経験から教育業界に挑戦したいと思いました。
私は、大学時代に1年間オランダへ留学していたのですが、そこで目にした、ヨーロッパ各国から集まった学生たちの自ら考えて学んでいく姿勢や、先生と生徒で積極的にディスカッションできるような距離感など、そもそもの教育環境が日本と全く違うことが衝撃的で……。
とくに、留学生の仲間たちとさまざまな会話を交わすなかで、戦争の歴史に対する国ごとの見方の違いを体感したときは、これまでの価値観が揺さぶられるような感覚がありました。理解し合えないギャップが生まれる要因は、各国の教育や触れる情報の違い、経済的背景などさまざまです。その国の教育から受けたひとつの視点だけで、「どれが正しいか」と白黒で判断するのではなく、いろんな立場や視点を知ることで、自分の見方も広がっていくし、違った捉え方ができるようになると思うんです。
そういった「知ること」の大切さを広めるために、自分に何ができるだろうと考えたとき、「次の世代の教育」や「考える機会を提供すること」の重要性を強く感じるようになりました。この留学の経験が、自分にとって教育に対する情熱の原点だったと感じています。
ーそこで築いたご自身の価値観と、Inspire Highのどんな部分がマッチして入社に至ったのでしょうか。
薬師寺:私は教育業界に対して、「先生が創造的であれるように、働く環境を良くすること」「子どもたちが新しい価値観に出会えること」「子どもたちが自分自身に向き合える時間を増やすこと」という、3つの課題を持っているのですが、実際に「Inspire High」のプロダクトを見て、まさに「この課題を解決できるのではないか」と思ったのがポイントですね。
学校の先生は、10代にとって一番身近な大人なので、そこをサポートしつつ、一緒に手を取り合いながら盛り上げていけるのは、とても魅力的に感じました。
目指すのは、「隣に座って肩を組める」関係性
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ー既存の顧客には、どんなコミュニケーションを心掛けていますか?
薬師寺:先生方と一緒に描いたビジョンを実現するために「Inspire High」を導入してもらったわけなので、それが途中で終わらないよう、しっかりサポートしていくことを心掛けています。
実際に使ってみてギャップがないかや、困りごとなどを深掘りする定例を、最低でも月に1回は実施するのですが、プロダクトのこと以外でも、「個人としてはこう思っているけれど、校内では意見が分かれていて……」といった、学校を取り巻く環境まで含めた共有がされることも多いです。
学校が抱える課題や背景を理解しながら、私たちも深く入り込んで伴走する姿勢をチーム全体で強く意識しています。「プロダクトを提供する会社」と「導入している学校」という「机の前で向かい合う」関係ではなく、「隣に座り同じ方向を見て肩を組む」ようなイメージですね。
私も、「Inspire Highが『学校のDNAの一部』として捉えていただけるようなコミュニケーション・関係性とは何か?」を、つねに考え続けながら動いており、その姿勢は営業チームだけでなく、会社のカルチャーとしても根づいていると感じています。
ー公立校だと、担当の先生の異動など、導入後の環境の変化といった課題もありそうですね。
薬師寺:先生の異動があるからこそ、学校や地域での「人とのつながりの大切さ」を感じる瞬間が大きいなと思っています。たとえば、「A校で知り合った先生と、B校で知り合った別の先生が、じつはすごく仲が良くて、私を介して情報の交換が生まれた」とか、「今度3人で一緒に話してみませんか?」といった話が出ることもあるんです。
そうしたつながりのなかで、自分の存在価値を実感できることがとても素敵で、この仕事の楽しさややりがいのひとつだと感じています。
ーとくに長い期間、良好な関係を築いている地域はありますか?
薬師寺:個人的に、長野県は3年近く担当させていただいており、とても印象深いです。私が入社する前からのお客様なので、会社としては5年ほどサポートさせていただいています。
ここまで長く続いているのは、はじめにCEOの杉浦さんや、COOの小松さんが中心となって、長野県教育委員会(以下、長野県教委)の方々と丁寧に関係構築をしてくださったことはもちろん、Inspire Highが目指すビジョンと長野県教委が掲げる方向性に、大きな共通点があったことがカギになっていると思っていて。
長野県には「信州教育」と呼ばれる理念があり、「生き方を学ぶ」といった価値観を大切にしている地域性があります。だからこそ、Inspire Highの掲げる「自分の世界を広げる」というビジョンととても親和性が高いんです。
また、長野県教委の方々は、文科省が進める「探究学習の推進」にも先進的に取り組まれていて、県内の学校に「どんな情報をどのように届ければ実践しやすいのか」という視点で、基盤整備を非常にスピーディーにわかりやすく進めている点も印象的でした。そういった流れのなかで、「Inspire High」のプロダクトが、自然にフィットしたのではないかと思います。
「商談」ではない。人と人とがインスパイアし合う有意義な時間
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ー長い期間、長野県と並走していくなかで、印象に残っているエピソードはありますか?
薬師寺:長野県のある学校のお話なのですが、自分の進路にもあまり関心がなかった生徒たちが、「Inspire High」を3年間を通して実施したことで、自分の意見を持ち、表現することができるようになっていく過程を目の当たりにした経験がとても印象に残っています。
人口減少が進んでいたり、出会える人や「もの」「こと」にも限りがあったりする地方の学校だからこそ、世界中の大人の意見に触れ、「自分はどう考えるか」と向き合うことが、より大きな意味を持ちます。導入前のヒアリングのなかで、担当の先生から「この学校では、卒業後に就職する生徒が半数なので、彼らにとっては最後の学生生活になる。その高校生活で、『学ぶ楽しさ』を知ってもらうために『探究』を真剣にやりたいんです」という言葉を受けて、私自身も心が動かされていました。
生徒たちの成長は、「Inspire High」を導入するだけではなく、先生が「生徒にどう伝えれば良いのか」と、試行錯誤してくださった影響が大きいと思います。私もこうして一緒に考える機会をいただけたのは、宝物と呼べる経験ですね。
現在、その先生は別の学校へ異動されましたが、「薬師寺さんと『Inspire High』のおかげで、これまでいろいろな新しいことに取り組むことができました。本当にありがとうございました」とお礼をいただき、心が大変ほくほくしました。ご異動先へ訪問させていただいたこともあり、これからの未来につながっていくようなご縁に出会えたことがとっても幸せです。
ー逆に先生や生徒の姿勢からインスパイアされた、すてきな経験ですね。
薬師寺:私たちが目指す未来のひとつに、「学校の最高のパートナーという立ち位置になっていく」という考え方があるのですが、その方向性を先生と擦り合わせていくなかで、「今までにない視点で話せて新鮮でした」という言葉をいただくことがあります。それは逆もしかりで、私自身も話のなかで先生方から新たな視点を受け取り、互いに学び合える時間になっているんです。
単なる「商談」という枠には収まらない、人と人としての有意義な時間だなと思える瞬間ですし、営業の役割を超えて、一緒に教育の未来や生徒の成長を語り合えるような時間が生まれることに、とても大きな価値を感じています。長野県だけでなく、ほかの担当地域の先生方にも感動や敬意を抱いているので、「何かしらのかたちで恩返しをしたい」という気持ちはずっとありますね。
「学校」ではなく「人」と向き合うことが、自分を大きく成長させる
ー今後、挑戦したいことを教えてください。
薬師寺:もっと学校同士で情報共有しやすくなるよう、県内外の先生同士をつなぎ、情報の横展開を促す取り組みを続けていきたいです。
実際に、学校間の視察に同行させてもらったり、その場で議論を交わしたりすることがあるのですが、座談会やコミュニティといったイベントごとや、生徒同士で探究の質を高め合うような取り組みにも挑戦したいと考えています。
ー最後に、地方から教育業界に挑戦したいと考える方にメッセージをお願いします。
薬師寺:私は、Inspire Highの仕事を通して、学校と関わることで広がる可能性は、無限大だなと思うんです。大きく「学校」というより、「10代の生徒」や「先生方」など、日々教育のことを真剣に考えている人たちと関わることによって、人間としてものすごく成長できると実感しています。
また、情報や人があふれる都市部ではなく、地方だからこそ「行かないと学べない・触れられない」といった体験の価値がたくさんあると思うんです。先生たちと「ゼロから一緒につくっていく」過程は、とくにワクワクすることが好きな方には、ぴったりなんじゃないかなと。既存のものを活かしつつ、新しくかたちにしていく。そういった実感を持てるのが、地域で働くことの魅力だと思っています。
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薬師寺さん、素敵なお話をありがとうございました!
学校に寄り添いながらも、先生方の姿勢や言葉から学びを受け取り、ともに未来を描いていく姿がとても印象的でした。
地方だからこそ生まれる関係性や挑戦のおもしろさに共感された方は、ぜひ「話を聞きに行きたい」からお気軽にご連絡ください!