こんにちは。イクシアス株式会社でCDOを務める神田です。
本記事では、当社のデザイン組織であるクリエイティブ室が、どの領域を担い、どのように仕事を進めているのかをご紹介します。
イクシアスは、DXに取り組む際にハードルを感じやすい店舗事業者に向けて、店舗運営の効率化と集客を支援する会社です。
中核サービスである「STOREPAD」を通じて、複雑化する店舗マーケティングに向き合い、AI・RPA・APIなどの自動化技術を活用しながら、店舗運営の負荷軽減と集客支援を実現しています。
中核サービスであるSTOREPAD
目次
- 1. なぜ今、クリエイティブ室の全体像を公開するのか
- 2. クリエイティブ室が担っている領域
- プロダクトデザイン
- コミュニケーションデザイン
- BPO(運用代行クリエイティブ)
- 3. 関係部署との連携と進め方
- 定例の進め方
- 4. クリエイティブ室が成果につなげるために大切にしていること
- オーナーシップ
- 検証と改善
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1. なぜ今、クリエイティブ室の全体像を公開するのか
私たちが向き合っているのは、店舗事業者が日々の運営の中で直面する、運営と集客の課題です。
集客チャネルが多様化し、情報の更新・発信、口コミ対応、分析、改善が複雑になるほど、店舗運営の負荷は大きくなっていきます。
こうした複雑な集客環境の中でも、店舗が本来時間をかけるべき業務に集中できる状態を目指しています。
その実現に向けて、クリエイティブ室はプロダクトデザインに加え、サービスの価値を伝えるコミュニケーションデザインも担っています。
また、BPO領域では、お客さまの運用を代行しながら必要な制作を担い、日々の運用と改善を支えています。
これまで、イクシアスのクリエイティブ室がどの領域を担い、どのように仕事を進めているのかを、まとまった形で外部に発信する機会は多くありませんでした。
一方で、事業の広がりにあわせて、関わる領域も増えています。
今あらためて、私たち自身の整理も兼ねて、クリエイティブ室がどの領域を担い、どのように連携し、どのような考え方で改善を進めているのかを、言語化したいと考えました。
私たちの特徴は、サービスの価値を複数の領域で形にし、関係部署と連携しながら改善を進め、その結果を次に活かせる形で蓄積している点にあります。
この記事では、以下の3つの観点からクリエイティブ室の全体像を紹介します。
- クリエイティブ室が担っている領域
- 関係部署との連携と進め方
- クリエイティブ室が成果につなげるために大切にしていること
2. クリエイティブ室が担っている領域
クリエイティブ室は、STOREPADを軸とする事業の成長に必要なデザインを、複数の領域で担っています。
現在の体制は、CDOである私とデザイナー3名です。プロダクトデザイン/コミュニケーションデザイン/BPOの各領域に主担当を置きつつ、状況に応じて領域をまたいで協力しながら進めています。
ここでは、クリエイティブ室が担っている3つの領域を紹介します。
プロダクトデザイン
STOREPADのUI改善を中心に、使いやすさと一貫性を高めています。あわせて、コンポーネント、画面単位のアセット、カラー設計などをデザインシステムとして整備し、品質とスピードの両立を図っています。
プロダクトデザイン領域
コミュニケーションデザイン
サービスサイトやマガジンサイト、ホワイトペーパー、展示会など、それぞれの接点でサービスの価値が正しく伝わるように、クリエイティブ制作を担っています。
加えて、コーポレートサイトや採用広報、noteなどの発信を通じて、会社としての信頼や姿勢が伝わる状態を整えています。
コミュニケーションデザイン領域
BPO(運用代行クリエイティブ)
お客さまの運用を代行しながら、継続的に発生する制作と改善を担っています。
リール動画や投稿画像などを継続的に制作・運用し、その反応を踏まえて改善を重ねています。
BPO(運用代行クリエイティブ)
3. 関係部署との連携と進め方
こうした3つの領域を継続的に前に進めるうえで、クリエイティブ室では関係部署との連携を重視しています。
領域ごとに役割は異なりますが、関係部署と前提や優先順位を揃えながら進めることは共通しています。
プロダクトマネジメント、開発、マーケティング、カスタマーサクセスと連携しながら、目的を揃え、施策や制作を進め、反応を見ながら改善しています。
クリエイティブ室も制作に加えて、要件整理や優先順位づけ、検証の進め方について、関係部署と連携しながら関わっています。
定例の進め方
定例は、各領域の定例に担当者が参加する形を基本にしています。
たとえば、プロダクトデザイン領域ではプロダクトマネジメント室と開発室の合同定例、コミュニケーションデザイン領域ではマーケティング室の定例、BPO領域ではカスタマーサクセスの運用代行に関する定例に参加しています。
その場で状況や優先度を揃えたうえで、制作と改善を進めています。
意思決定の質とスピードを保つためにも、各領域の定例に入り、その場で前提や優先順位を揃えることを大切にしています。
一方で、コーポレート領域(コーポレートサイト、採用広報、写真撮影、noteなど)については固定の定例を設けず、案件ごとの状況に応じて関係者と連携しながら進めています。
コーポレート領域のクリエイティブ
4. クリエイティブ室が成果につなげるために大切にしていること
クリエイティブ室では、プロダクトデザイン/コミュニケーションデザイン/BPOの各領域で、判断の質と改善の再現性を高めていくことを大切にしています。
領域ごとに扱う対象は異なりますが、共通して大切にしている考え方があります。
ここでは、その考え方を3つの観点から紹介します。
オーナーシップ
各領域に主担当を置き、それぞれが責任を持って進めています。
判断が分かれるポイントや、他領域にも影響しそうな場面では、チームですり合わせ、CDOも含めて方針を揃えます。
これにより、スピードと品質のバランスを取りやすい体制をつくっています。
判断が分かれるポイントや、他領域にも影響しそうな場面では、チームですり合わせます。
検証と改善
プロダクトデザイン領域では、週3回のプロダクト定例に参加し、お客さまの声を踏まえた改善の方向性や、事業方針に沿った対応方針について認識を揃えつつ、実務を進めています。
定例で共有される現場の声や課題、優先度を前提に、どこに手を入れると体験がよくなるか、既存の体験や表現と矛盾が出ないか、実装や運用の前提と齟齬がないかといった観点で検討し、UI改善や設計に落とし込んでいきます。
また、定例で合意した方針に沿って進めるだけでなく、進行の中で新たな論点が生じた場合には、クリエイティブ室で整理したうえで関係者に共有し、次回の定例も含めて確認しながら、改善の精度を高めています。
コミュニケーションデザイン領域では、サービスサイトを中心に、訴求内容の整理、情報設計、ビジュアル設計を行い、公開後のデータをもとに改善を重ねています。
具体的には、ファーストビューの訴求(見出し・キーメッセージ)や、各セクションの構成・順番、導線(ボタン文言や配置)について仮説を立て、A/Bテストを通じて検証しています。
このA/Bテストは、サイトコンテンツの拡充(情報追加やページ増設)とは切り分け、2週間単位で継続的に進めています。
あわせて、Google Analyticsでページ閲覧や遷移、主要導線のクリック状況を確認し、Microsoft Clarityで閲覧・操作の傾向を確認しています。
また、マーケティング室長とも連携し、問い合わせや資料請求など、次のアクションにつながる訴求になっているかという観点から施策を検討しています。
さらに、プレスリリース、展示会、メルマガ、Meta広告、リスティング広告、サイト更新など、各施策とサービスサイト上の数値の関係を、関連図として整理する取り組みも進めています。
施策全体の中でサイト上の結果を位置づけ、どこが効いているのか、次にどこを改善すべきかを俯瞰して検討するアプローチです。
A/Bテストは、サイトコンテンツの拡充(情報追加やページ増設)とは切り分け、2週間単位で継続的に進めています。
マーケティングの各施策とサービスサイト上の数値の関係を、関連図として整理する取り組みも進めています。
BPO領域では、運用代行に関わる制作と改善を継続的に担っています。
たとえばInstagramでは、リール動画や投稿画像の公開後も、再生数、リーチ、保存数、シェア数、プロフィール遷移、リンククリックなどの反応を見ながら、次に何を変えるかを決め、改善を重ねています。
具体的には、テーマ、見せ方、尺、構成などの要素を揃えて比較し、結果をモニタリング表にまとめたうえで、反応の良かった傾向を整理し、次回以降の制作方針に反映しています。
また、一時期は検証のために20社以上のお客さまの投稿ごとの数値を計測し、傾向を整理していました。
こうして得られた傾向はセオリーとして整理し、次の制作にすぐ活かせる形にしています。
得られた傾向をセオリーとして定期的に整理し、次の制作に活かせる形にしています。
一時期は検証のために、20社以上のお客さまの投稿ごとの数値を計測していました。
型化
改善の結果をその場限りにせず、次に活かせる形で残すことも重視しています。
プロダクトデザイン領域ではアセットやデザインシステムとして整備し、コミュニケーションデザイン領域では施策のガイドラインとしてまとめ、BPO領域では数値計測をもとにしたセオリー表として整理しています。
事業や担う領域が広がっても、判断や品質の一貫性を保てるよう、都度のドキュメント化やアセット化を大切にしています。
プロダクトデザイン領域では、アセットの使用ルールも明文化しています。
5. 同じ前提に立ち、方針を揃えて形にする
ここまでご紹介してきた進め方の土台にあるのが、クリエイティブ室の考え方です。
私たちは、担当領域に向き合うだけでなく、関係部署と同じ前提に立ち、何を大切にするのかを揃えたうえで形にしていくことを重視しています。
日々の議論の中では、大切にすべきことを言葉にし、迷いが生まれやすい場面ほど早めに共有します。
そうして方針が揃った状態をつくることまで含めて、私たちはデザインの仕事だと考えています。
この進め方を、今後も着実に積み上げていきたいと考えています。
6. 今後の展望
クリエイティブ室は、今後の事業拡大にあわせて、組織としての強さも高めていきたいと考えています。
プロダクトデザイン/コミュニケーションデザイン/BPOの各領域を担う機能組織として、事業に対してより大きな役割を果たせる状態を目指しています。
その実現に向けて、私たちはサービスの価値を適切に整理し、成果につながる形で届ける役割を、これまで以上に果たしていきたいと考えています。
その土台として、これまで大切にしてきたデータドリブンな検証と、関係部署との協働は、今後も変わらず重視していきます。
また、組織や担う領域が広がっていく中でも、質を落とさずに前に進めることが重要だと考えています。
そのために、判断や進め方の共有、仕組み化、ナレッジの蓄積を進め、拡大しても質を保てる組織にしていきたいと思っています。
ナレッジ・検証プロセスを社内ポータルに蓄積し、進め方を都度すり合わせできるようにしています。
要件定義・デザインフェーズのAI活用方法もTIPSとして記録し、情報を蓄積する状態を目指しています。
加えて、こうした進め方を支えながら、質とスピードを両立するために、AIや各種ツールの活用も進めていきます。
制作や実装のスピードと精度を高めるため、動画生成、AIを活用したUIデザインの検討・制作、実装支援などにも取り組みながら、進め方そのものも磨いていきます。
こうした手法を取り入れるうえでは、どの工程で活かせるのか、どの程度まで品質を保てるのかを見極めるだけでなく、仕事の進め方そのものを見直していくことが大切だと考えています。
デザイナーに求められる力も、仕事の進め方も、いま大きな転換点を迎えています。私たちはその変化を見据え、必要な対応を先んじて進めています。AIの台頭を背景に、デザインの現場では、検討から制作、実装に至るまで、仕事の進め方が組み替わり始めています。そうしたなかで、これからのデザイナーに求められることは、何を設計し、どう届けるべきかを見極めることです。あわせて、どの工程を人が担い、どの工程を新たな手法に任せるかを判断しながら、成果物の質を高めていく力も必要になると考えています。クリエイティブ室では、AIなどの新たな手法で担える工程は積極的に置き換え、人が向き合うべき判断、設計、価値づくりに力を集中できる進め方へと変えていきたいと考えています。そうした変化を積み重ねながら、事業の成長に対するクリエイティブ室の貢献をさらに広げていきます。