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「想いに感化されて、自分のモチベーションになる。」センクシャの本音と野望|須田瑞希

エンタメ業界のリデザインを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。

今回は3DCGデザイナーの須田瑞希。

センクシャ初の新卒社員。大学・大学院では建築・空間デザインを学びながら、高校時代から続けていた舞台演劇の自主公演を複数回企画し、舞台美術をデザインから製作まで担当するなど、根っからの舞台好き。ドイツへの留学中にセンクシャを見つけ、海外在住のまま入社が決まった逸材でもある。

多様なアルバイト・インターン経験、1年間大学を休学しての東京武者修行、ドイツ留学など、ユニークな経歴を持つ須田。バイタリティの源になっている想い、様々な環境を経験した上で大切にしているブレない軸とは……その本心に迫る。

▼目次
・キッカケはミュージカル。運営に関するすべてのことを自分たちでやっていた高校時代。
・ポートフォリオ持参で直談判、自分の力で掴み取ったドイツでのインターン。
・海外で舞台芸術に携わりたいという気持ちは、全く消えていない。
・「社長との距離感が近いところ」が決め手のひとつ。いつも熱量を感じられる環境にいたい。

キッカケはミュージカル。運営に関するすべてのことを自分たちでやっていた高校時代。

ーー: 舞台美術に興味があってセンクシャに入社したと聞きましたが、興味を持つキッカケはなんだったんですか。

高校時代に、有志で立ち上げたミュージカル劇団に入っていたことですね。

部活ではないので、運営は完全に自分たち。ショーをやったり、イベントに出演するのにも、自分たちで探しに行くんですよ。ショッピングモールとか、老人ホームとか、公民館とか。私も売り込み営業をしていました。

基本的には全員出演者。兼任で衣装や美術を担当して、練習と同時に製作もしなければいけないし、学校の勉強もある。びっくりするほど本気の劇団だったので、精神的にも大変でした。でも楽しかったんですよね。

大学では、建築を学びました。オープンキャンパスに行ったとき、学科紹介でスピーチをしたのが今もお世話になっている建築家の教授です。

当時ミュージカルをやっていたから、表現で人を見る癖がついていました。スピーチの内容はもちろん、喋り方、姿勢、仕草、目の配り方をすごく見ていたと思います。そこで 私、惚れちゃって。「この人のところで学ぶ」って決めたんです。

たくさんお世話になって、今では恩人と呼べるくらいの存在。実は、留学を勧めてくれたのも教授なんです。

修士に進んだのは、交換留学制度を使いたかったっていうのがあって。ただ、その時期はコロナの影響で、私の大学院では交換留学の受付を休止していたんですよね。

でも、私は交換留学するために大学院に進んでいる。 じゃあ、もう行ける時期まで待とう、と休学を決めました。ただ待つだけじゃなく、「他大学はもう受付してますよ」と、大学宛に受付再開の嘆願書を書いたりもしました。

休学中は、東京へ1年間修行に出ることにしました。

東京で学んでいるのと地方で学んでいるのって、入ってくる情報も、モチベーションの感じも全然違うんです。東京の建築アトリエでバイトをしたときは打ちのめされましたね…。スピードも、クオリティも、デザインセンスも指摘されまくりました。「うわ、私こんなにできなかったんだ」って。それも、東京に来ないと分からなかった。

ーー:1年間の東京修行を経て、無事ドイツに留学したんですね。

建築的にも、エンタメ系の芸術的にも、とても発展している国。すごく楽しかったです。

ドイツは、コンテンポラリーダンスのような抽象的なものが多いんです。ミュージカルを辞めてから、抽象的な舞台がすごく好きになって。空間デザインもその方が好きなんですよ。

ドイツ留学中に観劇し、一番衝撃を受けた舞台。本人撮影

書割(風景などを描いた紙や布を貼って木製の枠)やパネルに具体的な絵を描いて街並みを表現するようなものではなく、抽象的でミニマルなものに惹かれます。

具体的なものは、もうそれ以上を考える余地がない。でも、抽象的なものって、見ている人が能動的になるというか、ちょっと理解しようと頑張るじゃないですか。そういうのがすごく好きなんです。

ポートフォリオ持参で直談判、自分の力で掴み取ったドイツでのインターン。

ーー:ドイツでは、舞台美術家の方のところでインターンもしていたんですよね。

私がドイツにいるとき、ベルリンで舞台美術家をしている日本人女性がいたんです。 

大きな仕事をたくさん抱えている忙しい方だったので、普通にインターンをしたいとメールを送ってもおそらく返信はもらえない。わたしはコネがあるわけでも、舞台系の大学に行っているわけでもなかったので、日本語と英語の履歴書とポートフォリオを持ってその人の公演に行って、直談判しました。急に話しかけに行ったので、最初から歓迎されたわけではありませんでしたね。

でも、すこしだけ話して、後でメールを送ったら返信をくれた。最初からインターンはできなかったんですけど、「見学ならいいよ」と言ってもらえて。舞台を作っている劇場に行って見学していると、たまにその人が「どう?」って話しかけてくれて。

そのうち、ちょっとだけ図面を描く仕事をもらえたので全力でやっていたら、 この子ちょっとできるんだって思ってくれたみたいで。「じゃあインターンしてみる?」と1ヶ月半ほどお世話になりました。

ーー: 自分でチャンスを掴みに行く姿勢がすごいですよね。そのバイタリティは、どこから来るんでしょう。

もともとの気質もそうですけど、鍛えられたのはやっぱり高校時代の劇団ですかね。全部自分たちでやらなきゃいけない環境だったから。 

いろんな会場に売り込みしながら鍛えられたんだと思います。 女性限定の劇団だったんですけど、基本的にみんな魂が男っぽいというか(笑)頼ったり、甘えたりする気持ちがなかったんじゃないかな。

悩みごとがあるときも、絶対に自分で考えるタイプです。あまり相談はしない。友達に「ちょっと聞いてて」って頼んでグワーッて喋って、そのうちに自分の頭が整理されて…っていうアウトプットをするぐらいですかね。

相談はしないけど、同じような境遇だった人に、どうしていたのかを聞きはします。自分の悩みは直接言わないで、 「こういうところで悩んだりしないんですか?」みたいな(笑)

「社長との距離感が近いところ」が決め手のひとつ。いつも熱量を感じられる環境にいたい。

ーー:ドイツでの留学中に就活していたんですよね。

海外就職も経験してみたかったので、日本と海外の両方を視野に入れながら、フリーの舞台美術家にも、規模の大きな空間デザインのアトリエや総合設計事務所にも、広くアプライしていました。

就活を進めていくうちに、性格的に日本でバリバリ働く感じを1回やっておきたいと思ったんです。やっぱりスキルを身につけておきたいし、日本で生まれたし…

ドイツ留学中に訪れたイタリアの風景。本人撮影

そう考えているときに、海外進出も視野に入れているアツい会社・センクシャを見つけました。

会社が目指しているデジタルツインの分野にとても興味があったし、もともと3Dは大学でも学んでいて、すぐ仕事に活かせると思いました。しかも、少数精鋭のベンチャーなら、チームでバリバリやれそう。早く成長できそうな環境だし、私はひとりで黙々と進めるよりチームで協力する方が好きだから、自分の気質にも合っていそうだなと。

ーー:バイトやインターンもたくさん経験して、国も問わず就職先を探していく上で、大事にしたことはなんでしたか。

大学の教授なんかまさにそうなんですけど、想いや思想に感化される節はすごくありますね。その人や想いに惚れたから頑張りたい、みたいな気持ちがモチベーションになることが多かったので。 

センクシャで言うと、小松﨑さんは熱量がわかりやすいじゃないですか。その想いをちゃんと感じられる環境にいたい。組織が大きくなればなるほど、きっとそういうのって薄くなると思うんです。だから、センクシャの面接でも「 社長との距離感どうですか?」と聞きました。私にとって、そこはすごく大事でしたね。

変化が大きいっていうのも魅力で。もともとルーティンワークがあまり得意ではないので、面談で「センクシャは変化が早いから、ついてこれないとちょっと難しいかもしれない」と聞いた時、「いや、むしろ!」って(笑)

ーー: 建築は一度建てれば数十年残りますが、コンサートやイベントだと、時間と労力をかけて作ったものがお披露目されるのは数日だけ。作り手としては切ない気持ちになったりしないですか。

いや、私は全然いい。

自分が考えたものが一生残るっていうことが、個人的には違和感があるんですよ。終わった後に壊れてしまっても、考えたことがどんどんいろんな人の目に映るほうがいいですね。

建築は、自分がメインで案件を担当できるまでに何年もかかるし、1個のプロジェクトが完成するまでのスパンもとにかく長い。 住宅規模でも7ヶ月から1年ぐらい、大きなビルとかだったら3、4年以上。私の性格的にちょっとできないなって。

手掛けたプロジェクトの建物が完成するまで4年かかるってことは、仮に一度に一案件しか担当できないとすると、自分が40年働いても、死ぬまでに考えたものを10個しか世に出せないわけじゃないですか。でも、例えば4か月なら1年で3個、 40年で120個。ちゃんと現実になるアウトプットの回数が多い方がいいなって思ったんです。

私は、舞台演劇から人生観や価値観にたくさんの影響を受けてきました。たぶん、ライブやコンサートも、同じように影響を受けている人がいるはずです。人が生きる上での、活力、癒しになるような瞬間を、たくさん生み出したい。だから、世の中に出る数の多さも大事だなと思うんです。

海外で舞台芸術に携わりたいという気持ちは、全く消えていない。

ーー 実際に入社して2ヶ月弱ですが、センクシャのデザインチームはどうですか。

すごく雰囲気がいいと思います。いい意味で個々だけど、個々過ぎない感じ。

1人1案件なので、極端な話、デザイナー同士のコミュニケーションはゼロでも、きっと仕事は成り立つんだろうなと思うんです。だけど、誰かが「これって◯◯なのかな」ってつぶやくと、そこにいる全員が振り返って「やったことあるよ」って助けに来てくれるんです。

1年後には、基本的な図面から仕上げまでをひとりで担当できるようになっていたいです。

そのためにも、まずは業務を早く理解したいです。どうすればデザインしたものを予算的にも、技術的にも、実現まで持っていけるかを掴みたい。長くやっている人はそれを踏まえてデザインしているから、私も早くわかるようになりたいですね。

入社したてなのに担当案件を持たせてもらったり、3Dプロジェクトに入れていただいて、会議にも参加させてもらっているので、センクシャが前に進める一員になれたらと思います。

ーー: 最後に、海外で働きたい気持ちは今でもありますか。 

めちゃめちゃ難しい世界なので、簡単には言えないんですけど、海外で舞台芸術に携わりたいという想いは全く消えていないです。

センクシャでの夢は、日本一と言えるくらいの大きな規模の案件を担当すること。いつかセンクシャで海外事業をはじめるときが来たら、しっかり力になれるようになりたいです。


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