今回は2021年に入社し、就労移行支援事業所キャリスタ新大阪事業所の施設長として活躍する吉村(よしむら)さんにお話を伺いました。吉村さんは海洋系の大学を卒業、学生時代は福祉やIT経験がほとんどなかったとのこと。どのような想いをもってキャリスタで働いているのかを紐解いていきます。
就労移行支援とは?
就労移行支援とは障害者総合支援法に定められた『障がい福祉サービス』のひとつです。 企業への就職や復職を目指す障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のための支援をおこないます。
「キャリスタ」ではうつ病やADHDなどの精神障害や発達障害に悩んでいる方に対して、就職や生活支援のサポートを行なっています。
就労移行支援では珍しく、デザインやプログラミングのトレーニングを行っておりITに特化している事業所です。
「自分の可能性に気づいて欲しい」そんな思いで日々利用者さんのサポートを行っています。
ーーまずは簡単に吉村さんの自己紹介をお願いします。
キャリスタ新大阪事業所で2024年の4月より施設長をしております。入社3年目になります。
ーー今までの経歴を教えてください。
海洋系の大学を卒業後、製造系の企業の開発職に就きましたが退職し、その後はアルバイトをしながらフリーでWeb制作を1年間行い、その後キャリスタ新大阪に転職しました。
ーー福祉とは全く違う分野から転職されたんですね。
そうなんです。実は、水族館の飼育員になりたかったんです。
ーーなるほど!だから海洋系の大学に進学されたんですね。
ただ、途中で自分より魚が好きな人を見て、さかなクン以上のさかなクンがいっぱいいる環境だったので方向転換を決意して、大阪の製造系の企業に就職しました。
ーーそうなんですね。でもその後、退職しようと思ったきっかけは何だったんですか?
働いていく中「自分は本当にこの仕事をしたかったのか...」と考え、短い期間での退職をしました。
というのも、自分は会社を「年間休日、将来安泰、なんか興味ある」といった具合で選んでいたので、働く中で毎日が特に楽しくもなく、仕事にも身が入らなかったからです。
そこから、1年間ほどコンビニでアルバイトをしながらアフィリエイトやプログラミングを独学で学び、フリーランスとしてWeb制作を行いました。
ーープログラミングを独学で!?すごいですね。フリーランスでの仕事はどうだったんですか?
100件の営業をかけて、Web制作依頼を3件獲得できました。その実績が今の「やればできる」という自信につながっています。
ーーなぜフリーランスから転職しようと思ったんですか?
競合が増えてきて、依頼が獲得できず金銭的に厳しく、このスキルを活かして転職しようと思いました。
ーーなぜ転職先にキャリスタを選ばれたんですか?
当初はエンジニアかWebデザイナー志望でwantedlyで就職活動をしていたところ、「福祉×IT」というキーワードに興味を惹かれカジュアル面談をしました。
今まで散々苦労して学んできたプログラミングやWeb制作の技術が誰かの役に立てるかもしれないということ、立ち上げ間もない事業に携われるという点にとても魅力を感じ決めました。
ーー転職されたのは確か新大阪事業所オープンのタイミングですね!転職してどうでしたか?
タイミングよく、オープニングスタッフとして入社したので、立ち上げから事業に携われるという貴重な経験ができました。
また、転職後は仕事をすることの面白さがわかったのが一番よかったです。正直、新卒時代は働くことに対してマイナスのイメージしかありませんでした(笑)なので仕事もそこまでやる気もなく「働きたくないな~、休みもっと欲しいな~」くらいのモチベーションでした。
でも、キャリスタに入社して様々な経験をするなか「仕事って面白い!」と思えるようになりました。もちろん大変なこともありますが、それを加味しても面白みを感じています。働くことに対して前向きになれたのが本当によかったです。
ーー入社後、キャリスタではどのような業務を担当していたんですか?
利用者さん個別のスケジュールや個人相談を受けたりなど就職のサポートですね。
プログラミングの学習方法やプログラミングとは切っても切れない「エラー」解決のための考え方とデバッグ手法を教えています。
今は、スタッフの動きの管理。業務を振ったりなどの、スタッフの業務量の管理をしています。
「学習の組み立て方、学習フロー」について経験者としてスタッフへの教育もおこなっています。
ーーそうなんですね!スタッフとのコミュニケーションはどうですか?
スタッフ間では、年齢関係なく接することができています!
利用者間には複数のスタッフが対応しますので、一緒に考えていくスタイルです。
気を付けているポイントは「タスク量、役割」この2点ですね。 タスクというものは多くても少なくてもいけません、なので誰かに負担が偏らないようにコミュニケーションを取りながら、仕事を振ったり、あるいはこちらで受け持ったりしています。
基本的になんでもできる方が良いのですが、業務の効率やモチベーションを考えるとスタッフそれぞれに役割を与えた方がやることが明確で迷うことが少なくなります。なので、スタッフには「こういう役割をしてほしい」と個別でお伝えするようにしています。
ーーなるほど、それなら就労移行支援事業所で働くことが初めてといった方でも安心ですね。
ーー今のお仕事の1日の流れを教えてもらえますか?
9:00からはスタッフの朝礼でスケジュール確認。10:00~15:00利用者さんの対応。それから利用者さんへの夕礼をして15:30に閉所。そこからは事務作業やミーティング、企画の案出しなどスタッフそれぞれの課題業務を行っています。18:00には退勤。残業はほとんどありません。自分の時間を確保できる会社です。
自分も施設長として働きながら、趣味で新たなスキルを学ぶ時間を確保できています。ワークライフバランスを保ちやすい環境は非常にありがたいです。
ーー吉村さんの企画で採用された案はあるんですか?
はい。利用者さんに「自分を発表する場が欲しい」と相談があり「スライド発表会」という企画を提案して採用してもらいました!
ーー具体的にはどんなことをする企画なんですか?
実際の会社でもあると思うんです「このテーマに基づいてパワーポイントでスライドを作って!」と。でも、学校でスライドの発表や作り方はなかなか教えてもらえないので「練習としてテーマに基づいて作ってみましょう!」という企画です。
はじめて参加される利用者さんにはハードルが高いので「自己紹介という形で自由に発表をやってみよう!」という流れで行っています。
ーー楽しそうな企画ですね!
そうなんです、実際に楽しんでもらって利用者さんの評判がいいです。
「スライド発表会」の発表者は多くて4人です。発表はしないけれど他の方が発表しているのを見て「次回参加したい!」とお声をいただきました。緊張感を持って発表する練習になるのでいい企画を提案できました。
ーーそうなんですね。では、吉村さんにとってこの仕事のやりがいはなんですか?
様々な方の課題に向き合えるのがやりがいですね。ここまで個人と向き合える職業というのもなかなかないかと思っています。人と向き合い、話し合いながら、徐々に状態がよくなり課題の解決に向かっていくのが嬉しいです!
あとは、自分の得意分野を活かせる機会があるということです。経歴や年齢にとらわれず自分の得意分野を活かせる場面があるというのもやりがいですね。
ーーこの仕事でスキルアップはできますか?
はい。できると思っています。というのも、私はもともとWeb制作を独学でしていたので、フロントエンド(※1)は知識があったのですがバックエンド(※2)の知識はありません。利用者の方が学習の方向性に悩まれたタイミングで一緒に調べてみたり、趣味の範囲でJavaやPythonのテキストを一周することをしていくうちに、どの言語の環境構築も可能になりました。今となっては、PCに対してほぼ怖いモノはありません。ITあるあるですが、問題を都度解決するとスキルが自然とあがりますね。キャリスタでも同様かと思われます。
※1 ユーザー(私たち)が直接目で見る部分(外観や動作)を担当
※2 ユーザーの行動に対する対応やデータの処理の部分(裏方の処理)を担当
ーー未経験からでも、利用者さんとともに成長できるんですね。では、キャリスタだからこそ得られた経験や、身についた力は何かありますか?
問題解決力とスピードがかなり上がった実感があります。個々人の課題というのは様々です。生活・学習・就活でつまづくポイントも違います。それらに都度対応したおかげで、問題解決力とスピードがかなり上がりました。 何が起こっても「大丈夫!解決できる」という自信も身につきました。
ーー「施設長」から見たキャリスタの未来についてお聞きしたいです。
キャリスタは新大阪事業所の開所から3年目で、多数の就職者を出し、高い満足度を得られています。今年から3つ目の事業所がオープンするのでまだまだこれからだぞ!!という所です。今後ももっと盛り上がっていくのではないかと予想します。
ーー最後に、就職活動中の方へのメッセージをお願いします!
迷っている方へのアドバイスとしては「迷うなら応募してみよう」ということです。自分も迷った上で思い切ってこの世界に飛び込みました。結果的に後悔はなかったです。迷ってやらない後悔より、迷ってやってみる後悔の方が後々活きてくると思っています。
ーー今日はお時間をいただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
キャリスタでは一緒に働くメンバーを募集しています!
ぜひこちらのインタビューを読んでいただき、少しでも興味を持っていただけたら、「話を聞きに行きたい」よりエントリーをお待ちしています!