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何かをやめることの難しさ

こんにちは、はよんです!!

今月は家族でスキーに行ってきました。
子ども達は人生初、
私と夫は小学校低学年以来なので実に20年以上ぶりでした。
(私と夫は2日後に見事に筋肉痛バキバキでした)

さて今日は今までの習慣をやめる難しさについて書きたいと思います。
これは看護師に限ったことではないと思うのですが、
特に看護師は今までやってきたことをやめることが難しい傾向にあるのではないかと最近感じるからです。

業務をなくすことは、業務を増やすよりも難しい

個人ではない、組織や集団で今までやってきた業務をやめるというのは、
難しく勇気がいる行為です。

心配になるし、ある意味では怖いです。

不安な気持ちにもなると思います。

今こののやり方で成り立っているから、
今よりもやることを減らすと、

  • どこかで抜けが発生するかもしれない
  • 今までのようにスムーズにできないかもしれない
  • 重大なミスが起こるかもしれない

と言う風に考えてしまうことが多いと思います。

つまり業務をなくすと、
業務量が減るというメリットがある一方で、
失敗するかもしれない、うまくいかないかもしれないというデメリットの方が圧倒的に大きいので、
なかなかなくすことができません。

一方で業務を増やすのは、
特定の部署や人から、
業務量が増えるからダメだという反発意見が出る可能性はあるものの、
そこさえ説得出来れば(or納得してもらえれば)、
受け入れられる可能性がかなり高いです。

業務量は増えるけどそうすることで、

  • ミスが減るかもしれない
  • より安心な仕組みになる
  • 今よりも円滑に物事が進む

と考えられるからです。

つまり、
業務量が増えるというデメリットがあるものの、
安心して仕事ができる、ミスが減る可能性が高くなるというメリットの方が大きいことが多いのではないかと私は考えています。

看護業務は特になくすことが難しい

大前提として、
ほとんどの看護師が、業務が毎日大変で効率化したいと思っていると、
私は認識しています。

しかし看護師は特に、
今までしていた業務を手放すことに対するハードルがかなり高い傾向にあると考えています。

やめることに対する懸念点がどんどん湧いてくるのです。
その気持ちは私自身も痛い程わかります。

というのも、
人の生活をみる=単純に白黒できないことが多くて、
むしろグレーが圧倒的に多いんですよね。

グレーの中でもグラデーションがかなりあって、
黒に近いグレーから白に近いグレーまであります。

本当に様々人や家族を毎日みているし、
多種様々なケースに遭遇しています。

だからこそやめることが不安なのはとてもよくわかります。

  • 何かあったら
  • こういう場合どうしよう
  • 昔こういうケースがあった
  • こんな事例も可能性としてはあるのではないか

このような懸念てんがほぼ果てしなく出てくるのです。

今している業務の多くには、
ある程度理由や背景があります。

昔こういうインシデントがあったからとか、
別の病棟(or病院)でクレームがあったからとか、
ヒヤリハットがあったとか。

何かこういうまずいことが起こった時の解決策が、
基本的にはやることを増やす方向になることが多いのです。

というのも、看護業務に付随するまずいことが起こる原因のほとんどが、
何かを不足したり怠ったことによって、起こったと考えることが多いからです。

  • 確認不足
  • 説明不足
  • 観察不足
  • 人手不足

・・・

だからこの不足を補うために、業務が増えます。

  • チェックリストを作ろう
  • ダブルチェックをしよう
  • 説明書を増やそう

私が勤めていた病院でも基本的にそうで、
院内で何かが起こる度に、
どんどんやることが増えていきました。

なくしても良いといけないのボーダーが難しい

あとは個人的な考えですが、
看護業務という特質上、なくしても良い業務と無くしてはいけない業務のボーダーが曖昧で、
なくしても良いという意思決定をするのがとても難しい業務が多いのではないかと考えています。

わかりやすく言うと、医師の指示は絶対にしなくてはいけません。
「抗生剤を1日3回点滴で投与する」という指示がある患者さんの点滴を、
業務量を減らすという名目で1回しか実施しないは、
絶対にしてはいけないことです。

(患者さんの状況を踏まえて、必要があれば本当にこの人1日3回も実施する必要がある患者かどうかを医師とディスカッションするのは良いと思います。)

しかしこの抗生剤を投与するまでの過程にある、
指示の内容が正しいかどうかを確認するのは看護師であって、
この確認業務を看護師1人で実施するのか2人以上で実施するのか、
必ず臨床経験○年以上の看護師と共に実施しなくてはいけないのか、
こういう細かい部分まで医師の指示はなく、
看護師は判断することになります。

業務量を減らすために1人で確認すれば良いという風にするのか、
安全のために最低でも2人以上で実施するという風に業務を増やす形にするのか。

抗生剤の確認業務は、
目視だけで良いのか、
指示簿と処方箋を照合するのか、
指差し声出し確認をするのか。

病棟や状況によるので一概に
業務を減らした方が良い、増やした方が良いとは言えず、
この辺りの判断は難しい場合が多く、
「業務量を減らす=業務をしないorなくす」という方向に持っていくのは難しいかもしれないと私自身は感じています。

看護師自身が考えを改める必要がある

最近本当に思うのですが、
今のこの思考回路では、看護師の業務は一生効率化できません

むしろ業務量は増えるばかりで、
ずっとしんどいままです。

ある意味では自分で自分の首を絞めているのに近いと感じています。

かなり厳しい言い方をすると、
看護師自身がそういう環境を作ったと言うのも一理あると考えています。
(もちろん看護師だけが全部悪いんじゃないんですよ)

結果、毎日泣きたくなるほど業務量が多い。

常に人力ではあり得ないマルチタスクをこなしている。

世の中はどんどん楽で便利になっているのに、
それが看護の現場には1ミリも還元されていない。

私自身、えらそーに看護師に対してやや厳しいことを言ったものの、
自分自身も臨床現場にいた頃は、
業務を増やす以外の方法を思いつかなかったし、
そういうものだ、
仕方がないと感じていました。

だってやっぱり、
インシデントは嫌だし、
ヒヤリハットだってできるだけ経験したくないです。

常に精神状態は過緊張で不安や心配でいっぱいでした。

家に帰ってからも「あれ大丈夫だったかな」と気になることも多々ありました。
今の業務でも不安や心配がいっぱいあるのに、
減らすともっと不安や心配になってしまうという気持ちは、
本当にめちゃくちゃわかります。

だからこそ、

  • この業務は本当に必要か
  • 患者のためになっているか
  • 看護師のためになっているか
  • この業務はなぜしているのか

という業務の棚卸しを定期的にしなくてはいけません。

でも毎日ものっすごい量の業務を毎日こなしている看護師に、
この棚卸業務をする、体力も気力も時間もないのは、
私がわざわざ言うまでもない事実です。

私がやりたいこと

だからこそ私は、現場の人と共に悩み頭を抱えながら一緒にやっていきたいと考えています。

今、チーム一丸となって開発しているプロダクトは、
その小さな第一歩になると確信しています。

今のこのカオスな現状に、
小さな風穴を開けるきっかけにはなると考えています。

目の前の患者さんとご家族のために奮闘している看護師のパートナーとなり、
共に伴走しながら、
どうすれば日本の素晴らしい看護が、
より患者さんとご家族のためになるのか、
もっと看護師自身のためになるのか、
毎日考え抜くことを諦めたくないなと思っています。

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