100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「Webサイトはもう作る必要が無いのか・・・Webサイト/SEO終焉時代のフリーランスの立ち回り方」について紹介していきます。(元記事:https://wizpara.com/2895/)
皆さんは情報を調べるときの手段・選択肢として何のツール・プラットフォームを利用していますか?
ひと昔前だったら圧倒的にGoogle検索が第一選択だったのではないでしょうか?
最近ではそこにYoutubeやTwitter(X)、InstagramなどのSNSが加わり、急速に台頭してきたのはやはりChatGPTを代表とするAIでしょう。
Googleなどの検索エンジンやSNSでの情報収集では、キーワード検索後に羅列された情報の中から目当ての情報を探さなくてはなりませんでした。
しかしChatGPTなどのAIでは、質問に対しての最適解を端的に回答してくれますので、数ある情報ソースの中から自分が目当てとしている情報を探す手間がなくなりました。
これがどれだけユーザーの手間や無駄な時間を軽減してくれるか・・・じつに画期的だったわけです。
そしてこのままではAIにすべて喰われると焦った検索エンジン・SNS、各種プラットフォーマーは急ぎ自前のAIを搭載したわけです。
Googleも自前のAIを搭載し、検索結果に目当ての情報が掲載されているWebページのリストを表示させるだけではなく、検索結果のもっとも目立つ位置にAIが最適解を表示させるようにしたわけです。
いわゆる「ゼロクリック検索※」時代の到来です。
※ゼロクリック検索とは
ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索エンジンでクエリを入力した後、検索結果ページ(SERP)で必要な情報を得て、ウェブサイトにアクセスせずに検索行動を終了することを指します。つまり、検索結果ページだけで満足してしまい、他のウェブサイトへのアクセスをせずに検索を完了してしまう状態です。
詳細:
検索結果ページで完結:
検索結果ページでスニペット、ナレッジパネル、ローカルパックなどのSERP機能に表示された情報で、ユーザーが探していた答えを見つけると、ウェブサイトへのリンクをクリックしないことがあります。
増加傾向:
ゼロクリック検索は増加傾向にあり、ユーザーがウェブサイトにアクセスしなくても情報を得られるようになったことが理由として挙げられます。
Web業界への影響:
ゼロクリック検索の増加は、Web業界に様々な影響を及ぼしています。例えば、Webサイトへのアクセス数が減少したり、広告収入が減少したりする可能性があります。
対策:
ゼロクリック検索が増加している状況を踏まえ、Webサイトの改善やSEO対策を講じることで、ユーザーに有益な情報を提供し、Webサイトへのアクセスを促すことが重要です。
例:
例えば、検索エンジンで「大阪の天気」と検索すると、検索結果の最上部に今日の天気や週間天気予報が表示されることがあります。この場合、ユーザーは天気予報サイトにアクセスしなくても必要な情報を得られるため、検索結果ページで満足して検索を終了する可能性があります。
そしてゼロクリック検索時代の到来が何を示しているか、とくに我々Web系事業者にとって凄まじい影響をおよぼしていることを解説していきます。
ゼロクリック検索時代の到来・・・Web系事業者への甚大な影響
ゼロクリック検索時代の到来で割を食うのは、SEO事業者だけではありません。
確かにSEO事業者にとっては、クライアントのサイトをどれだけ検索順位を上げたとしても、クリックされなければ集客に結びついていないわけなので、死活問題です。
高いお金を払ってSEO事業者に委託しようとは思わなくなるのもごく当然でしょう。
しかしゼロクリック検索時代の到来はSEO事業者にとってだけの話ではありません。
Webサイトが見られない(Webサイトによる集客の限界)
ゼロクリック検索時代到来以降の世界では、そもそもWebサイトが見られなくなる傾向が強まります。
調べ物をするために検索エンジンで検索をしても、その後サイトにジャンプしなくても欲しい情報が手に入るようになったからです。
おもにWebサイトを使用して集客・プロモーションをしていた事業者・個人にとっては非常に大きな衝撃です。
代わりにSNSを使えばいいではないかと言われればそれまでなのですが、ジャンルによって集客方法やプロモーション方法の相性というものは確かに存在します。
WebサイトがドンピシャでSNSだと上手く集客・プロモーションができないというジャンルも存在しているでしょう。
そしてこれは集客・プロモーションを行いたい事業者・個人だけの話ではなく、これらの事業者・個人がWebサイトの制作や運営を委託しているWeb系フリーランスへの仕事が激減することを意味しています。
じぶんは長らくWeb系フリーランスとして活動しています、はや16年といったところでしょうか。
今まで数知れない時代・社会の変化にさらされながらフリーランスを続けてきましたが、昨今のAI台頭からのゼロクリック検索時代到来の変化はあまりに衝撃が大きいです。
正直Web系フリーランスにとっては恐竜にとっての隕石衝突くらいのインパクトだと感じています。
おそらく実際に多くのWeb系フリーランスがサラリーマンに回帰したり転職したり廃業したりなど淘汰にさらされていることでしょう。
その他、Webデザイナー・動画クリエイター・Webライター・Webマーケター・メディア運営事業者も大打撃
今回の時代の変化は実際にWebサイトを制作する事業者だけでなく、当然、その他Web系のクリエイターすべてに影響をもたらしています。
Webデザイナー・動画クリエイター・Webライター・Webマーケター・各種プラットフォーマー・各種メディア運営事業者などなど
もちろんインターネットの利用者はなお増加していますし、インターネットを流れるトラフィックの情報量の多さは指数関数的に増えていっています。
インターネットを利用する人やインターネットトラフィックが増える一方でWeb系フリーランスの仕事は減る一方・・・これは何を表しているのでしょうか?
簡単な話です。
情報を探す人へ、最適解である情報を届けるという作業の大半をAIが担うようになったのです。
たったそれだけと思われるかもしれませんが、Web系フリーランスの仕事の大半が上記のような仕事に終始していたことを考えると・・・Web系フリーランスの今の惨状もうなずける話です。
Webサイトはまったく無用の存在になってしまったのか?
そんな冷遇されているWebサイトですが、今後、まったく無用の存在となってしまうのか?
断言しますが、そうとはなりません。
そもそも最適解を提示するAIも、ネット上のWebサイト群から情報を収集しているからです。
Webサイトがほとんど存在しなくなったらAIが収集する情報源がなくなるため、AIも成り立たなくなるわけです。
AIがWebサイトから情報を収集している以上、Webサイトが見られないからといってWebサイトを持たないというのは非常にもったいない選択です。
仮にWebサイトが見られなくなるとしても、インターネット上に情報を公開しておくことの意味はなくならないからです。
Webサイトが担う役割が変化しているはざまの時期と言えるかもしれません。
Webサイト・SEOマーケティング終焉以降の時代でとるべくWeb系フリーランスの戦略は
というわけで、フリーランス旧世代のわたしが稼いできた、Webサイトの制作サービス、そして施策のための改修作業で多く携わってきたSEOマーケティングサービス・・・この2巨頭が衰退したわけです。
メシのタネが一気に無くなってしまったWeb系フリーランスは非常に多いと思います。
すでに撤退・廃業したフリーランスも相当多い事のように思います。
じぶんの周りのフリーランスでもだいぶ仕事に影響があるようです。(気丈にふるまってはいますが・・)
さて、では恐竜によるところの隕石が衝突した地球(Webサイトが必要性が著しく低下した世の中)で、生き残った我々はどのように立ち回っていくべきか考察していきましょう。
Webサイト・SEOマーケティングをメインの生業にしない
Webサイトの役割・SEOマーケティングの必要性が、正直、復権するとは考えられません。
考えられるとしたら役割ががらりと変わったものとしてでしょう。
例えばAIフレンドリー(AIに情報を提供することに特化した)なWebサイトの制作であったり、AIに広告を出したりAIに情報をよりひろってもらいやすくするためのマーケティング手法だったりです。
というわけで、いわゆるこれまで多くのニーズが存在していた、Webサイトの制作サービスやSEOマーケティングサービスをメインの生業として勝負するのはやめましょう。
すでにこれらはオールドエコノミー、斜陽産業です。
かといってWebサイトは完全にはなくならない・・Webサイトが必要となるジャンルを把握しておく
メインの生業にしないというだけで、Web系フリーランスがWebサイトの制作ノウハウを全く知らないというのは、正直問題があるでしょう。
またWebサイトが、今後無くなっていくということではありません。
AIもWebサイトからの情報を必要としているからです。
またAIに調べるのではなく、直接Webサイトを見たいというジャンルの情報は存在します。
例えば特定のアーティスト・特定の飲食店・特定の事業者の情報を調べるときに特定の事業者の情報をAIで調べますか? それとも、その事業者のWebサイトを直接見に行きますか?
おそらく直接Webサイトを見にいくと思います。
AIもおススメの飲食店や事業者の紹介は数あるWebサイトの情報を比較して提示するだけ
AIに飲食店のおススメを聞いたとしても、誰もが納得する回答をするのは不可能でしょう。
主観によって答えが変わってきますし、何を基準に順位付けやおススメをするか、AIは明確な答えを持たされていないからです。
AIの開発元にしても、特定の事業者を推すということは、不公平な感じがします。
であれば、お金を払ってくれる事業者を広告として表示する方向にいくでしょう。
AIにとっては、回答しやすいテーマの質問と、回答しにくいテーマの質問があるということです。
おススメの飲食店を教えて?というような質問は回答しにくいテーマということになります。
これらの情報についてはWebサイトはこれからも重宝されるでしょう。
情報を探したいユーザーにとっては良いことづくめと前向きにとらえる
もしWeb系フリーランスではなく、単に検索エンジンを利用する一般ユーザーであれば、今の検索エンジン、ChatGPTなどのAIについてどう思うでしょうか?
まさに「神」と言っても過言ではないですよね。
検索エンジンで検索した後、その後、Webサイトにいって見づらいデザインのページから必要な情報を収集する手間から解放されたわけです。
この時代の流れはもはや必然でしょう。
Web系フリーランスにとってはメシのタネがなくなることを意味していますが、我々も情報を検索する側でもあります。
まずは情報を検索する際に利便性が向上したことを喜びましょう。
AIを駆使する側に回るしか生き残ることはできない
AIやロボットに仕事が奪われると警鐘を鳴らされてから久しいですが、予想よりはるかにその時代が来たなという印象があります。
では、我々はいかにAIから仕事を奪い返すことができるのか?
答えは、AIに奪われた仕事は奪い返すことはできません・・・能力的にAIには勝てないからです。
しかしAIが不得手でまだ人間がするしかない仕事というのは存在します。
AIをうまく駆使できない人も一定数いる・・・ここにWeb系事業者の活路がある
AIの力をフル活用すれば、今の日本の仕事の大部分はAIで代替可能になりますし、さらなる効率化を実現できるようになるでしょう。
しかし、人間がすでにやらなくてもいい仕事をすべてAIに代替できるかというと、そうはならないでしょう。
AIを駆使する側にも、それ相応のリテラシーが必要になりますし、人間の感情が抵抗してAIを使いたがらないということもあるでしょう。
このあたりにWeb系事業者の活路があると考えます。
どこまでいっても人間の手を借りたいという層が一定程度いるからです。
極論・・Web系にこだわらなくて良いのでは?
そもそもAIが得意としているジャンルの仕事をに人間が携わろうとすることにそもそも無理がります。
AIを競合(商売敵)にするのではなく、あくまでも協業のパートナーとするのです。
またそもそもWeb系にとらわれずに人間の身体をフル活用する仕事にすれば、日本は空前の人不足の状態です。
単価も良いですし、どこにいっても重宝されるでしょう。
AIはコンテンツの盗用者なのか?
さてAI、とくに検索エンジンで最適解を一番上に提示してくれるAIは、ネット上の数多くの情報から最適解を週出しているため、それらコンテンツを盗用してアクセスを稼いでいるという見方ができないでしょうか?
メディアを運営している事業者やサイトを制作している立場からすれば、正直納得のいかない想いを頂きます。
本来なら検索エンジンで検索したユーザーはサイトに訪問してくれて購買行動に発展し、そこから収益が発生していたわけですから・・・。
これらの収益を奪っているという見方です。
AIプラットフォーマーは独占禁止法の罪に問えないのか?
AIプラットフォーマーや巨大テック企業が独禁法違反に問われるケースはちょこちょこあります。
実際に罪が認められて巨額の制裁金を支払うケースも見受けらるため、我々コンテンツの発信側の人間もそこまで悲観せずに、これからも地道に誠実に良質で有益なコンテンツを発信していけば、それが正当に評価されるというバイアスが今後も効いてくると信じます。
AIブーム、AI全盛時代もいつかは終わることだけはわかっている
またこのAIブーム、AI全盛時代もいつか終わるということだけはわかっています。
それはこれまでのテクノロジーの隆盛を見れば明らかです。
歴史が証明しているとも言えるでしょう。
今回のAIだけは特別で未来永劫社会を席巻していくというのは短絡的でしょう。
他のテクノロジー同様、新たなテクノロジーの台頭で流行を塗り替えていくことでしょう。
我々フリーランスは、大きな時代のトレンド・流行に翻弄されながらも、チャンスを見出し、上手く立ち回っていくしかないでしょう。
国や会社に依存せずに、自らの才覚一本で勝負している誇り高きフリーランスなのですから。