100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「価格転嫁は絶対にやれ!価格勝負でしか仕事が取れないなら早く廃業したほうがいい」について紹介していきます。(元記事:https://wizpara.com/2853/)
皆さん、最近スーパーで食料品を買うにしても、生活必需品を買うにしても、車を買うにしても、家を買うにしても、外食するにしても旅行するにしてもおそろしく価格が高騰していると思いませんか?
世界的には毎年少しずつインフレが進む(物価が上がる)ことはむしろ健全とされています。
日本では長年、デフレが続き、モノの価格が安いまま時が過ぎていきました。
末端の一般庶民としては、デフレはべつに悪い事ではありませんし、むしろ安い値段でモノを買ったり、サービスを受けたりできるので最高でした。
しかし風向きが一気に変わりました。
コロナの大流行とウクライナ紛争の勃発など世界情勢の影響が大きいでしょう。
日本にも一気にインフレの波が押し寄せています。
社会全体の平均賃金も多少上がっているようですが、インフレ分を相殺できるほどではありません。
要はインフレの影響で日本の国民は貧しくなっていっています。
さて我々フリーランスに限った話をしてみましょう。
我々フリーランスは、サービスを提供し、そのサービスの対価の金額は自由に設定できます。
つまり日本の社会がインフレしているのなら最低でもその分は、自分が提供するサービスの金額も上げれば、少なくとも自分には生活の影響はないことになります。
なぜ日本の事業主は値上げを実施できないのか?
クライアントに悪いという気持ちがある
既存のクライアントにサービス提供価格を上げることをお願いすることは確かに抵抗があります。
クライアントとしてみれば、同じサービスに対し、今までより高いお金を支払う訳なので値上げ自体を歓迎するクライアントは存在しないでしょう。
しかし、インフレの世の中にとってみれば、サービス提供価格を維持するということは実質値下げを意味します。
要はじぶんが年々苦しくなるという選択をしていることになります。
よくラーメン屋がお客さんをがっかりさせたくないと値上げをせずに企業努力だけで経営を続けようとして倒産したというニュースをよく見ますが、これは本末転倒です。
結局はお客さんを悲しませることになるわけですからね。
ビジネス・・とくにこの時代に自己犠牲精神は必要ありません。
値上げをすることによって品質を維持したサービスを提供できるわけですし、事業を継続できるわけですから、クライアントにとっても悪いと思う必要はないわけです。
そもそも値上げを容認できなければ、サービスを停止する自由はあるわけですから、とにかくクライアントの気持ちをそもそも気にしすぎる必要はありません。
値上げをすることでクライアントが契約を終了するリスクを感じる
もちろん値上げによって、現状よりクライアントの経済状況を悪化させる場合は、契約を終了する選択をとられるかもしれません。
しかし、そのリスクを恐れていつまでも値上げに踏み切れないとしたら、インフレが進む世の中では、年々貧しくなっていきます。
仮に値上げをすることで契約が終了することがあっても、その分、リソースが空くわけですから新規のクライアントを獲得するべく活動をすればいいだけです。
値上げをすることで新規のクライアントから依頼が減ると感じている
値上げをすることで新規のクライアントから依頼が入りにくくなると懸念している事業者も多いと思います。
しかし繰り返しになりますが、インフレが進む世の中でサービス価格を維持することは実質値下げを意味します。
もし安い金額をキープすることでしか、依頼を獲得できないとしたら事業者としてはかなりじり貧の状態にあります。
価格転嫁しやすく、高価格帯でサービスを提供できるビジネスを創造すべきです。
要はじぶんにしか展開できない事業、人のマネではなく唯一無二の仕事を展開できるなら、金額は自在に設定することが可能です。
安価でサービスを提供することが美徳と感じる国民性がある
モノやサービスの価格というのは需要と供給で決定されるという大原則がある一方で、日本人の事業主は、安い価格を維持してお客さんを喜ばせたいという国民性があると感じています。
もっと値上げしたってお客さんは減らないし、もっと儲けられるのにというシーンを山ほど見かけます。
その価値観自体は、多くの購買者にとって歓迎すべき価値観ですが、お金を儲けること自体が悪い事ととらえられる風潮は危険です。
ビジネスを考えた時、需要と供給がミスマッチであれば、金額が青天井に上がったり、大幅に下がったりするのは当然だし、公平だとも感じます。
インフレに合わせフリーランスがサービス価格を上げるべき理由
インフレの速度が想像以上であり、同じ金額を稼いだとしても生活が苦しくなる
ながらくデフレが蔓延していた日本で、まさかこれほど急激にインフレが進むと思いませんでした。
スーパーやコンビニに行くと、食料品や生活必需品がひと昔前の倍くらいの金額になっていてびっくりします。
交通費や宿泊費・住居費・通信光熱費・教育費・娯楽費・・・すべてがえぐいくらい金額が上がっています。
そしてさらにエグいのが税金と社会保険料の高騰です。
収入が同じくらい上がっているなら問題ありませんが、おそらくインフレ分収入が上がっている人は圧倒的に少数派でしょう。
会社員や公務員であれば会社や国がインフレに合わせて多少給料を上げてくれるかもしれませんが、フリーランスは自ら価格を上げなければ、インフレの波に飲み込まれて貧困まっしぐらです。
価格を維持することはインフレ下では実質値下げで仕事のモチベーションが維持できない
最近、旅行の計画を立てていて思うことが、ホテルや旅館の宿泊費がめちゃくちゃ高くなっていること・・。
インフレに加え、人手不足と旺盛なインバウンド需要が背景になるようです。
数年前なら7,000円くらいで泊まれていた有名ホテルが・・・なんと1泊18,000円!!平日ですぞ!
つまり同じ金額でできることや買えるものが少なくなっているわけです。
当然、稼いだお金1万円に対するありがたみも、当然、減ってきているわけです。
インフレとはまさにお金の価値が減る事とイコールなわけです。
つまりじぶんの報酬が、同じ金額のままでは働くモチベーションも減っていくわけです。
モチベーションを維持するという理由でも、サービス提供価格は引き上げるべきなんです。
原価がある場合はさらに負担が大きくなり、サービスの低下にもつながりかねない
我々Web系フリーランスは、事業を行うのに支払う原価や設備投資、ランニング費用は比較的少なく済みます。
とはいえ、事務所の家賃、光熱費、ネットを使うための通信費用、パソコン購入代、ソフトウェア利用料、各種サブスク代金、勉強代、交通費などなど、これらの経費もインフレに伴い価格が上がっているわけです。
サービスを提供する価格も引き上げなければ、当然、自分のビジネスが苦しくなってきます。
サービス価格を上げても売り上げや利益に大した変化はない
サービス価格を思い切って上げて、たとえいくつかの案件が終了になったとしても、価格を上げたことによる増加分でだいぶ相殺できることに気づくはずです。
思ったより売り上げや利益は変わらず、代わりに仕事の量が少なくなった分自由な時間が増えます。
貧乏暇なしとして働くより、コスパ・タイパの良い働き方になる可能性が高いです。
薄利多売になり自由な時間や健康が損なわれるようになる
薄利多売は貧乏暇なしの働き方になります。
そうすれば当然、じぶんの自由な時間が少なくなりますし、激務ゆえ睡眠不足やストレスなどで健康が損なわれることにもなりかねません。
若い時は気づきにくいものですが、自分の自由な時間や特に健康に比べれば、お金など大して価値のあるものではありません。
どうか、はした金で自分の貴重な健康や時間を安売りしないでください。
もし価格を上げて仕事がなくなったら?
もし値上げをすることで仕事がキャンセルとなるなら、その仕事は無くなった方がいい
今のインフレの世の中であれば、サービス価格を上げることは自然なことで、クライアントにもじゅうぶん納得してもらえることだと思います。
社会のインフレ分程度、値上げをしたことでもし仕事が終了になるようであれば、それはむしろ無くなって良かったと思うくらいでちょうどよいでしょう。
そもそもそこまでクライアントに必要とされていなかったということです。
金額を上げなかったとしても遅かれ早かれ終わっていたことでしょう。
価格転嫁をしても無くならない仕事を創れるよう開拓・模索する
他の事業者より金額を安くすることでしか仕事が取れない事業者は、正直、じり貧ですし、遠くない未来に廃業に追い込まれる可能性が高いですし、今すぐにでもその事業は見直すか撤退すべきです。
基本的に誰もがやっている流行りに乗っかった仕事であったり、初期投資やスキルがいらない誰でもできる仕事だったりすると、このような状況に追い込まれます。
じぶんの得意と適性を見極めスキルを極限まで高め、参入障壁が高くなるように工夫すれば、ライバルが少なくなり、サービス提供価格を自由に設定できるようになります。
事業主としてはこのような働き方を創出するのが理想でしょう。
じぶんの自由な時間や健康を安売りしなくて良かったと考える
すごく安いお金で、働いている人を見ると、この人は自分の時間や健康の価値をかなり低く見積もってしまっているなと悲しい気持ちになります。
もし安い金額では仕事はしないと、設定金額を高くして、仕事が少なくなったとしても、じぶんの自由な時間や健康を安売りしなくて良かったと考えるようにしましょう。
金額が高いモノに説得力が宿る時代なのかもしれない
金額を高く設定することで、むしろ仕事が増えることもあり得ます。
じぶんは昔、大手の会社から見積もり依頼をもらったときに、仕事欲しさになるべく安い値段で見積もりを出しましたが、自分以外にも相見積もりをしていたようで、それら競合の会社が出した見積金額よりも、じぶんが出した見積金額が安すぎて信用できないと言われた事があります。
提示する見積金額は自信の表れでもあります。
しっかりとした金額を提示するのだから、確実に良い価値を提供する・・・そういったスタンスで強気で見積もりをすることで、かえって説得力が増し、クライアントを納得させることができることも肝に銘じましょう。