100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「廃業した有名アフィリエイターに話を聞いて気づいたこれからのWeb系フリーランスの立ち回り方」についてお話ししていきます。(元記事:https://wizpara.com/2078/)
先日、有名アフィリエイターが廃業するという事で、Twitterからコンタクトを取り話を聞いてきました。
身バレはさけるために、その方の顔写真やお名前、ハンドルネーム、Twitterアカウント名などは控え、ここではMさんとします。
この有名アフィリエイターMさんは、「保険」という、アフィリエイトでは超メジャーなテーマを取扱い、一時期、短期間で数千万円蓄財することに成功したやり手アフィリエイターです。
そんな、誰もがうらやみそうな成功者が、なぜ、金のなる木であるアフィリエイトという手法を手放し、アフィリエイター廃業を決意したのか根ほり葉ほり聞いてきました。
そのお話の中から、Web系フリーランスがこれからいかに立ち回るべきかが見えてきました。
有名アフィリエイターはなぜ廃業を決意したか
アクセス(売上)急減で食えなくなった
結論からひとことで言うと、まったく食えなくなった(稼げななくなった)ということでした。
たった数年間で数千万円蓄財した手法が、唐突に通じなくなるものなのか。
唐突に稼げなくなったといっても、具体的にはどんな要因が関係しているのか?
まったく食えなくなったと言っても、少しは稼げるのではないか?
矢継ぎ早に質問していきました。
稼げなくなった原因1:グーグルさまのアルゴリズム変更
一番きついのが、このアルゴリズム変更です。
グーグルは年間を通じて複数回、検索アルゴリズムのアップデートを行いますが、その都度、じぶんのアフィリエイトサイトが表示される検索結果の検索順位が大幅に変動します。
アフィリエイトでもブログでも、マネタイズ成功の一番の秘訣は、主要なキーワードでいかに上位の検索順位をキープできるかにかかってきます。
検索結果の2ページ目はほぼ見られることはなく、2ページ目どころか、クリックされるページはほぼ検索順位の1位で、クリックされたとしても2~3位くらいまでが大半です。
それだけ、グーグルの検索結果で上位表示するために、最新のグーグル検索アルゴリズムの動向をつねに追い続ける必要があるという事です。
グーグルのアップデートの中でも、近年、個人のアフィリエイターにとって致命傷とも言えるアップデートが加わることになりました。
それが、「YMYL」と「E-A-T」です。
YMYL(Your Money Your Life)はGoogleの品質評価ガイドラインに定められた項目です。お金や健康、政治等、人々の生活に大きな影響を与えるジャンルを扱うページを指し、YMYLジャンルにおいては、その他のジャンルと比較して厳しい品質の基準を設けています。この基準を知らないままサイトを運営していると、Googleの評価基準に満たないコンテンツを作成してしまい、ページ、ひいてはサイト全体の評価が下がってしまう恐れがあります。結果として検索順位が下がり、ウェブ集客に大きな影響がでてしまいます。
主要なアフィリエイトサイトはこのYMYLジャンルに該当しているものがほとんどで、厳格化された基準によって、基準を満たすことのできない多くの個人アフィリエイターのサイトは、検索順位上から姿を消すことになりました。
E-A-Tとは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つの概念の略です。
あるWebサイトのE-A-Tを判断する際には、ページとコンテンツのタイプ、コンテンツの作成者、Webサイトの運営者情報、Webサイトの評判など、全てを参考にします。
E-A-T は、Google がWebサイトやページの品質を評価する時に使う評価軸です。
E-A-Tが高ければ、そのWebサイトやページの品質評価が高まり、検索結果の表示順位への影響も考えられるため、SEOの観点からも重要な概念です。
そしてこの「E-A-T」に関しても、個人保有のサイトでは、権威性や信頼性など、なかなか満たすことのできない基準になります。
要は、「YMYL」ジャンルに属し、さらに「E-A-T」の基準を満たせない、多くのアフィリエイトサイトが、良質なコンテンツであるにも関わらず、駆逐されてしまったというのが、廃業のもっとも大きな原因との事でした。
稼げなくなった原因2:競合の激増、競争の激化
アフィリエイトにしてもブロガーにしても、一昔前、実際に大金を稼げていたのは確かなようです。
Mさんのアフィリエイトサイトを実際にみせていただきましたが、よく作りこまれているなぁと感心はしましたが、数年間で数千万円蓄財できるほどとは思いませんでした・・・昔は夢があったなぁ
大勢の人が、夢を見て参入するのもわからなくもありません。
一回、がつんと稼いだアフィリエイター(稼いでいないアフィリエイターもいますが)は、つぎはそのノウハウを売って稼ごうとします。
そのノウハウにつられて、参入するアフィリエイター・ブロガーの実に多い事。
次第に競合が増え、ネット上には似たようなコンテンツが氾濫し、競争が激しくなり、限られたパイを奪い合う構図となり、おのずと稼げなくなっていったわけです。
コロナ禍で、多くの人がそれまでの仕事を辞めざるをえなくなり、多くの人が敷居の低いフリーランスになっているというデータがあります。
アフィリエイトやブログ、Youtubeだけでなく、その他、フリーランスが手を出しがちな、その他の仕事もレッドオーシャンに近くなってきている感覚がありますね。
稼げなくなった原因3:稼ぐノウハウがASPに筒抜けである
アフィリエイトを行うには、成功報酬型広告を配信するサービス・プロバイダであるASPに登録し、ASPサイトに同じく登録されている広告主の広告案件を探し、それをサイトに掲載する流れになります。
当然、ASPには、どのサイトのどのページが、どの広告でいくらくらい収益を上げているという情報が筒抜けになります。
プラットフォーマーであるASP業者が、そのデータをもとに稼いでいるサイトより、自前で、もっと良いサイトを作ってしまえば、広告費を自らゲットできてしまうという訳です。
やらない手はないですよね。
アフィリエイターの仲間だと思っていたASPが、アフィリエイターの一番の敵になるケースが多々あるという事です。
ビッグデータを収集できるプラットフォーマーの立場がいかに強いかということでしょう。
Amazonが売れ筋商品とほぼ同じ商品をプライベートブランドとして自ら出品して暴利を貪っている構図に近いですね。
アフィリエイター以外もブロガーやYoutuberもオワコンと言える
専業アフィリエイターも厳しいですが、同様に専業のブロガーやYoutuberも、上記に挙げた理由とまったく同じロジックで厳しいと言えます。
日々繰り返されるグーグルのアルゴリズムアップデートと「YMYL」と「E-A-T」厳格化の衝撃、指数関数的に年々激増するインターネット上の情報量。
勝者総取りのインターネットの世界では、ただでさえリソースの少ない個人がすでにレッドオーシャンと化したブログ・アフィリエイト・Youtubeのフィールドで勝負するのは、非常に厳しい状況が現状といえます。
アフィリエイターを廃業して何をしているのか?
ちなみにこの元アフィリエイターのMさん、今は何のお仕事をされているかと聞きましたらば、投資業とのこと。
なるほど、一発あてて数千万円という投資の原資ができたわけですから、それも良さそうです。
まだ、アフィリエイトという言葉が世間に何の馴染みもないタイミングで、着手し、試行錯誤を繰り返し、財を成せたわけですから、新しい金融商品で誰しも見出していない攻略法を見出してさらに資産を膨らませられるかもしれませんね。
それにしても、このWeb業界で新たに生み出される仕事は、変化が激しくとても持続可能とよべるようなものではないのかもしれませんが、その代わり、うまく時代に乗ることで一生食べるに困らないくらいの資産を短期間のうちに稼ぎ出せてしまうこともある・・・。
そんなチャンスがまだまだ転がっているのかもしれませんね。
お話を聞いて気づいた事・・・Web系フリーランスは今後どのように立ち振る舞うべきか
ブログやメディアサイト、Youtubeでの直接マネタイズはほぼオワコンと覚悟する
意識高い系の副業推奨系Youtuberが、やれ、ブログを書け、やれYoutubeを始めろ、やれSNSを攻略しろとまくし立ててるわけですが、よほど、戦略を練って、全てのリソースをつぎ込んだうえで、数年間一日も欠かさずに継続させるくらいの気概がなければ、1円たりともマネタイズに結びつけられるずに終わることになりかねません。しかも運の要素も大きく頑張れば誰でも成功する訳ではないでしょう。
それでも、まずは一回、やってみて、すでにレッドオーシャンでオワコン化していることに気づくというのでもいいのですが、レッドオーシャンになったフィールドなど早々に見切りをつけ、誰も手を出していないブルーオーシャンフィールドでコツコツ種をまくのが賢明というものでしょう。
直接マネタイズではなく間接活用なら全然イケる
ブログやメディアサイトによるアフィリエイト、Youtube単体でのマネタイズはオワコン化しているのは、どうやら間違いなさそうですが、直接のマネタイズではなく間接的な活用であればまだまだ稼げます。
間接的な活用とは具体的にどのようなものでしょうか。
例えばYoutubeであれば、基本的には視聴回数に応じて広告収入が入るというのが、本来の直接的なマネタイズ収益になるのですが、企業案件を得たり、Youtubeでチャンネル登録者数を増やすノウハウや動画制作のノウハウを人に販売することで収益を得たり、動画制作の受託や、Youtubeチャンネルのマーケティング・コンサル業などにも応用できます。これが間接的に収益をあげるという事です。
アクセス自体を増やすのが難しくなっているとはいえ、広告収入という直接収益が途絶えても、アイディアしだいで稼げるという事です。
フリーランスが急増している今、受託のしごとも先細る可能性が高い
ランサーズのフリーランス実態調査2021によると、日本のフリーランス人口は過去最大の1,670万人になったことがわかりました。
しかし、労働人口の35%が広義のフリーランスであるアメリカと比較すると日本の広義のフリーランス人口は24%とまだ少なく、今後も成長の余地があると考えられます。
『フリーランス実態調査 2021』:https://speakerdeck.com/lancers_pr/huriransushi-tai-diao-cha-2021
もちろん、フリーランスへの需要が高まっている(市場規模が拡大している)というのも背景としてはあるでしょう。
ただ、ここにきてコロナで、いままで働いていた人が、働き方を変える事を余儀なくされて、一気にフリーランス人口が増えたという背景が一番しっくりきます。
市場規模(仕事の数)の拡大に、このフリーランス人口の増加ペースが追いついていなければ、限られたパイを多くのフリーランスで奪い合うので、競争が激しくなることも考えられます。
アフィリエイトもダメ、ブログもダメ、Youtubeもダメ、そこに来て受託も厳しくなってきている実感があります。
ただ、Web系の案件紹介エージェントなどを見ると、業界や案件のジャンルによっては人材不足はむしろ深刻で、最先端のスキルを持っている人で、開発会社に常駐するという働き方であれば、引く手あまたの状況はこれからも変わりなさそうです。
長引くコロナ・・・激しいWeb業界・・・それでもうまく立ち回る
2022年1月現在、すでにコロナ発生から2年は経過していますが、一向に終息する気配はなく、今週中にもう何回目だよとつっこみたくなる、まん延防止等重点措置が発せられるとのことです。
国や自治体が出す補助金はまずまず手厚いとは思いますが、やはりいつまでも補助金をあてにして過ごすのもあまり健全とは言えませんよね。
Web系のフリーランスであれば、飲食業界や旅行業界に比べれば、影響は少ないとは言えつつも、じぶんのクライアントも多くが売上減少に陥り、広告費を縮小させています。
2年経ってワクチンが行きわたり、飲み薬も開発されたのに、終息どころか、拡大の一途ということは、もう一生終息しないくらいの覚悟で、立ち回る方が良さそうです。
多くの飲食店が廃業した裏で、いち早くテイクアウトに特化した業態に切り替えるなど、自らを劇的に変化させられたお店は、むしろコロナ前よりも売上を伸ばしている店もあるそうです。
Web系フリーランスにも同じことが言えるでしょう。
新しいスキルやプラットフォームの情報をいち早く察知して吸収し、経済活動の停滞を余儀なくされている今だからこそ、ライバルに差をつけるチャンスととらえて、スキルアップに励んだり、むしろ積極的に人と会ってみる。
そんな強気な姿勢が、この不確かな時代を生き延びる秘訣だと確信しています。