100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「フリーランス人生が終わるときとは?フリーランスの廃業の流れと出口戦略」について紹介していきます。(元記事:https://wizpara.com/2970/)
皆さん、AIは駆使されていますか?
音楽を作るのも、画像や動画を生成するのも、文章を書くのも、調べ事、資料作成などもすべてAIがやってくれますよね。
しかもその精度たるや。
作曲家やイラストレーター、動画クリエイター、ライター、事務職の方たちがもうオレらいらなくね?と危機感を抱くのも無理はありません。
ざき山ことわたしは、Web系フリーランスとして長年お金を稼いできましたが、AIの登場以来、Web系案件を獲得するのが難しくなっていると感じます。
もちろんAIの登場だけが要因ではないですが・・。
世界は常に変化し続けていて、今のナリワイがある日、唐突に世の中から必要とされなくなるということが往々にしてありえるわけです。
仮にじぶんのナリワイの需要がつきずに、仕事がなくならなかったとしても、ナリワイを終わりにする日が必ずやってきます。
今日は「フリーランスを終わりにする日」、「フリーランスの出口戦略」というテーマで話を膨らませてみます。
誰しもいつか訪れるフリーランスを終える日
あたりまえですが、企業でも個人のフリーランスでもいつか事業をたたむときがきます。
いつかというか、意外と早くきます。
ここまで変化の激しい時代であればなおさらです。
まずはフリーランスが事業をたたんで廃業するケースを見ていきましょう。
それはある日いきなりくる・・・ニーズ(売り上げ)の減少
かつて全盛を誇りひと月に数百万を稼いだアフィリエイター。
そんなアフィリエイターも2012年に起きたGoogleのパンダアップデートで大打撃を受けて、売り上げが激減・・。
月に数百万売り上げていたアフィリエイターが月に数万円レベルまで売り上げが落ち、多くの廃業を余儀なくされました。
主にクライアントワークを生業とするWeb系フリーランスは、ここまで激しい売り上げの急減というのは考えにくいですが、それでもテクノロジーの進歩や社会情勢の影響を受けて、いつ世の中からニーズがなくなるかわかりません。
そして今まさに起きているのが、AIの台頭によりWeb系フリーランスをはじめとするクリエイターやホワイトワーカーの仕事の減少です。
AIの台頭による仕事の減少を乗り越えたとしても、今後第2第3のディープインパクトが、じぶんのナリワイを襲うのです。
そしてそれらの衝撃的な変化は、徐々に訪れるものもありますが、たいていはある日突然訪れます。
ある日を境に一切の仕事が失われることがありえるんです。
事業資金・生活費の枯渇
ある日、突然、じぶんの仕事が無くなる出来事、社会的情勢の変化にさらされなかったとしても、事業が徐々に下向きとなり、事業資金や生活費が足りなくなってしまうということは覚悟しなければなりません。
フリーランスというのは、ビジネスが上手くいけば収入は青天井。
サラリーマンの給与など比べものにならないくらい稼げることもあるわけですが、当然稼げなければ収入が生活できる水準より下回る事もありえるわけです。
事業が下向きの時も、ある程度の蓄えがあれば一時はしのげますが、蓄えがなかったり不調が長く続き、ビジネスが上向きにならなければ、事業をたたまなければならない時がきてしまいます。
病気・ケガ・健康状態の悪化
ビジネスが好調で順調にお金を稼げていたとしても、個人で活動するフリーランスの生命線はまさにじぶんの身体・健康です。
突発的な病気やケガ、その他長引く持病などで、満足のいく仕事ができなくなれば、そこで事業の継続が難しくなります。
病気やケガが一時のものであれば、一時収入が途絶えるくらいで済みますが、完治せずに闘病が続いたり、持病とつきあっていくことになる場合は、フリーランスという働き方を諦めざるをえないことも出てくるでしょう。
体力・気力の衰え、能力の劣化
もうひとつは加齢の問題です。
人生100年時代が来ると言われ、定年の年齢もどんどん引き上げられ80歳くらいまで現役で働くことが求められるような社会になってきてはいますが、人によってはそんなに働けるものではないでしょう。
また働く気力があったとしても、歳をとればスキルは陳腐化しますし、頭の回転もにぶくなりミスも増え、体力・気力も衰えます。
80歳はさすがに難しいでしょうし、人によっては50代でもう働けないという人もいるでしょう。
特に若い感性を活かす必要のあるクリエイティブな仕事や、圧倒的なフィジカルや華々しさが求められるプロスポーツやアーティストなどは、30代後半にはニーズがなくなることもありえます。
FIREの準備が整った積極的廃業
廃業するのは何もネガティブな理由だけではありません。
もう働く必要のないくらい資産を蓄えたのであれば、鼻歌交じりに晴れて引退・廃業という道を選択する人もいるでしょう。
今流行りのFIREはまさにこの形ですね。
完全に資産収入だけで、その後の生活費を賄うFatFIREもあれば、資産収入で足りない分だけアルバイトなどで補填するバリスタFIREなどさまざまな形態が存在します。
フリーランスの出口戦略・・・フリーランス人生がいつか終わる日を想定しておくことがなぜ重要か?
組織ではないので、ある日、突然に辞めることができない・・・それがフリーランスです。
たとえばWeb系のクライアントワークをナリワイとしているのであれば、廃業時、クライアントに迷惑がかからないようにクロージング処理が必要になってくるわけです。
ここでは、フリーランスの出口戦略を具体的に紹介していきます。
今行っている事業を廃業時、第三者に引き継げるか売却できるかを常に意識しておく
いざ事業をたたまんとする時に意識するのではなく、事業を開始するときに、終わらせ方をイメージしておくことは非常に重要です。
どう心血を注いだとしても、事業は上手くいくとは限りませんし、長い時間が経過すればさまざまな変化にさらされますし、ビジネスにも寿命があるからです。
第三者にひきつぐことができたり、売却することができるのであれば、それがもっともスマートです。
事業の開始時にはイメージがつきにくいかもしれませんが、事業を進める中でつねにじぶんが退くときにどう事業を引き継ぐか、もしくはひとりでクロージング処理するか想定しておくのが良いでしょう。
フリーランス廃業後の次の転職先やナリワイについて種まきをしておく
フリーランスを長く続けるためにあらゆる努力をしつづけるのも大事なことですが、不断の努力を続けたところでダメな時はダメ・・・。
廃業を決断せざるを得ない時もやってくるでしょう。
人生は長いので、仮にフリーランスを廃業するにしても、次の転職先やナリワイを見つけなければなりません。
廃業するときというのはある日突然というタイミングでやってくるものです。
その時に慌てて新しい転職先やナリワイを見つけようとしても、焦りで上手くいくわけがありません。
むしろフリーランスとしてのビジネスが好調の時にこそ、つぎの仕事の種まきをしておくスタンスを忘れないようにしましょう。
リタイアする場合は、リタイア後の生活スタイル・必要な資産をイメージしておく
もし資産を順調に築くことができ、積極的な理由でフリーランスを廃業してリタイアできるとします。
しかしリタイア後に、じぶんはどのように過ごしたいか。
どのような人生を送りたいかを本気で考えておかないと、暇に耐えられずにフリーランスやサラリーマンに回帰するという話をよく聞きます。
またリタイアしたは良いものの、市場の大暴落などであてにしていた資産収入が途絶えてリタイア生活を終了せざるをえないという話もよく聞きます。
そのようなことがないように設計は慎重に行う必要があります。
ある日、唐突に働けなくなる日を想定してセーフティネットや頼れる第三者を開拓しておく
ある日、唐突に働けなくなるということはありえます。
サラリーマンであれば仮に働けなくなったとしても、すぐに給与が途絶えるという事もありませんし、よほどのブラック企業でなければ会社による保護を多少は受けられるでしょう。
フリーランスでも最近は、急な理由で働けなくなったときに収入の補填が受けられる保険商品なども登場してきてはいますが。
そういったものの活用に加え、自ら国や自治体のセーフティネットや家族、頼れる第三者としっかり関係を構築しておくなどの努力も必要になるでしょう。
フリーランス廃業の流れ
それでは最後に、実際にフリーランスが廃業すると決断してからの具体的な流れについて見ていきましょう。
退職代行を使うサラリーマンではないので、すぐに仕事を辞められるわけではありません。
新規案件の受付停止
クライアントワークをナリワイとしているWeb系フリーランスであれば、まずは廃業すると決めた瞬間から新規の案件の受注を停止します。
既存クライアントへの事前告知
また既存のクライアントから、日々の保守作業を任せられている場合は、まずは廃業の意思と廃業する日の目途を伝え理解をえます。
サイトの保守・サーバ・ドメイン管理代行の引き継ぎ
また廃業することでクライアントに迷惑がかからないよう引き継ぎ作業に入っていきます。
各種届出
・廃業届を税務署に提出
書式:個人事業の開業・廃業等届出書(1枚)
提出期限:廃業から1か月以内
・青色申告をしていた人は「青色申告取りやめ届出書」提出
事業用の銀行口座・クレカの整理
事業用口座やクレカがある場合は、それらを解約したり、解約の前に残額の処理をしなければならないでしょう。
事業用設備・ソフト・ドメインなどの処分や売却
事業用の設備、ソフト・ドメインなどについても経理上の清算処理に加え、処分や売却、解約手続きなどやらなければならないことが多いでしょう。
と具体的な廃業時の処理を挙げてきましたが、実際には廃業時にすべてキレイに清算というのは難しいでしょう。
クライアントによってはどうしても引継ぎが出来ずに、しばらく継続してやらなければならない仕事というのも出てくると思いますし。
これら廃業時のクロージング処理というのは想像しているよりも大変です。
新たな仕事を始めるときに、すでに辞めた時の処理のことを想像するのは難しいかもしれませんが、フリーランスには常に出口戦略・廃業時の処理などを想定してビジネスを始めるということが大事になります。