100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り上げたテーマ【長年フリーランス業界を見てきたベテランが教える「長く活躍できているフリーランスの特徴と転落して廃業したフリーランスの特徴」】について紹介していきます。(元記事:https://wizpara.com/2950/)
じぶんもいつのまにかフリーランスのなかでは大ベテランと呼ばれる域に差し掛かってきました。
想像を絶するブラック企業から脱出し、フリーランスとして独立したのが17年前。
これまでWeb系フリーランスが身を置く業界を見聞きしてきたわけですが、多くのの気づきがありました。
多くのフリーランスが新たに参入してきましたし、多くのフリーランスが転落していき廃業を余儀なくされたのを目の当たりにしてきました。
長く活躍するフリーランスと、転落し廃業したフリーランスには明確に特徴のバラツキがありました。
今日はその違いについて紹介致します。
転落して廃業するフリーランスの特徴
失敗することに耐性が無い人
じぶんはこれまでの人生でいくつかの企業を渡り歩きサラリーマン生活を送ってきましたが、サラリーマンはある意味すごいなと思うことがあります。
失敗してもとくに減給やクビになることなく、安定して給料をもらい続けることができるからです。
(まぁ逆に大きな成果を上げてもインセンティブはたかが知れているわけですが・・)
対してフリーランスは失敗すればその責任はすべて自分に降りかかってきます。
シンプルに仕事がまったく取れなければ収入はゼロになりますし、仕事をミスして損害を発生させればすべて自分で対処しなければなりません。
フリーランスになるのに二の足を踏む人が多いのもうなずけます。
しかも・・・しかもです。
フリーランスとして成果を上げるには失敗につぐ失敗を経なければなりません。
フリーランスでも企業経営でもそうですが、成功する人は失敗しなかった人ではなく数多くの失敗から多くのことを学び、次のビジネスに活かせた人です。
よくフリーランスになる人が成功しないように細心の注意を払い、それでも自信を持てなければ行動できない人がいますが、成功する人はまったく逆で失敗することを覚悟のうえで試行回数を増やせる人です。
失敗することに耐性が無い人は、すぐにフリーランスは廃業してしまうでしょう。
シンプルに体力がない人
さきほどのフリーランスの成功する要因として圧倒的な試行回数という話をしましたが、圧倒的な試行回数をこなすには体力が必要です。
頭が良い悪いももちろん大事かと思いますが、頭脳労働のパフォーマンス、そして賢さ自体もすでにAIに人間は敵わなくなっています。
人間は人間のできる事に集中し、そして圧倒的に手数を増やす。
それにはシンプルに体力が必要で、体力が無ければ競走に勝てずに廃業が見えています。
「テイカー」・・・テイカーは短期的には得をしても必ずいなくなる
人間は大きく3つのタイプに分けられます。
ギバー・マッチャ―・テイカーです。
ちなみに
「ギバー、テイカー、マッチャー」とは、組織心理学者アダム・グラントが提唱した、人間の行動様式を3つのタイプに分類した概念です。
ギバーは惜しみなく他人に与える人、テイカーは自分の利益を優先する人、マッチャーは与えることと受け取ることのバランスを取る人です。
そしてやっかいなのはこのテイカー・・・自らは人に与えることはせず、人からもらったり奪ったりして自分の利益を高めることだけを優先して行動します。
どう考えてもズルいテイカーが人生で得るリターンが大きくなりそうです。
残念ながらその傾向はあり、テイカーが大きなリターンを得ることは往々にしてあります。
しかしあくまでもそれは「短期的」で持続可能ではありません。
なぜならテイカーは周囲から敬遠されるからです。
自分の知り合いのテイカーも一瞬大成功をおさめる瞬間はあるものの、すぐに消えてゆきました。
欲望にあらがえない人
フリーランスとして活動していると、招かれざる客がコンタクトを取ってくることがあります。
中には詐欺まがいの提案を、言葉巧みにすり寄ってきます。
お金に目が眩みがちな欲望の大きな人はこういった輩と接点を持ってしまいがちです。
こういった輩と付き合うと、金銭的にも精神的にも大きな被害を被ることになります。
詐欺被害にあう人は、基本、欲望と恐怖を刺激され、負けてしまう人です。
フリーランスは個人ですので、こういった人生の罠もひとりで対処できなければすぐに退場となってしまいます。
頑固すぎて変化できない人
自分に自信があって、周囲からの雑音を気にせず我が道を貫き通すというのは、それはそれで素晴らしいと思います。
ただ、周囲からのアドバイスにまったく聞く耳を持たず、じぶんの全てが正しいと思いこむことは非常に危うい状態と言えます。
この2つは非常に似通っているスタンスなので、なかなか難しいのですが・・・。
自分の絶対に譲れない理念・アイディアなどはそのままブレずに突き通せば良いと思いますが、人からのアドバイスや忠告自体すべて気に食わないという頑固老人のような姿勢は危ういといったところでしょうか?
基本的には頑固で変化を拒絶する人は廃業に追い込まれている印象があります。
どちらかというと年下の人からのアドバイスでもありがたく参考にして、素直で柔軟にじぶんを変えていくタイプの人の方が廃業せずに生き残っているのは間違いありません。
恥をかくことを極端に恐れている人
恥をかくことを極端に恐れている人は、無難な道、世間から推奨・羨望されている道しか選べません。
しかし、そのマインドの人に持続可能な成功の道は用意されていません。
フリーランスで活動するという事は、大きな恥をかくことを覚悟しなければなりません。
むしろその恥をかくということの代償としてチャンスを掴んで成功をつかむことができるんです。
成功・失敗以前にそもそも恥をかくことを極端に恐れている人はフリーランスになるという道を選べないでしょう。
じぶんが競走で勝つことしか頭にない人
これは意外かもしれません。
ビジネスの成功は基本、競走に勝つということではないのかと皆さんお考えでしょう。
そのとおりです。
成功に勝つことに貪欲である事が、成功に勝つことの近道であるはず・・・そう考える気持ちもわかります。
しかし自分だけが勝つ、自分だけが成功をおさめるというマインドの人は、経験上、ビジネスが長期的ではうまくいかず、失速して撤退・廃業することが本当に多いんです。
ビジネスの世界では「三方良し」という格言があります。
「三方よし」は、近江商人の経営哲学で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三者が満足する状態を指します。
これは、単に利益を追求するだけでなく、社会全体にとって良い結果をもたらすことを目指す考え方です。
この「三方良し」の感覚が無い人は、長く活躍することができないんです。
他責思考の人
よく、フリーランスや企業経営から撤退・廃業する人のなかで、じぶんの手腕ではなく、周囲や社会のせいにするなど恨み節を残して消えていく人をよく見かけます。
マネリテ系Youtuberのカリスマ、両学長や、あのお釈迦さんも人生は他責思考ではなく自責思考で開かれると話しています。
じぶんも経験上、どう考えても反省すべきは自分なのに周囲や社会のせいにしている人はほとんどフリーランスから廃業していると感じています。
本業スキルの高さが稼ぎの源泉だと思っている人
頑固な職人肌のフリーランスによく見受けられるのですが、本業スキルを高めれば高めるほど自然に商売がうまくいくと考えている人がいます。
デザイナーであればデザインスキルの高い低いが稼げる稼げないの分水嶺と考えている人です・・正直危ういです。
本業のスキルが高いというのはある種、ビジネスをする上での最低条件で儲かるか儲からないかはむしろ別の条件に強く依存します。
長く活躍し続けられるフリーランスの特徴
失敗しても心が折れず、ひたすら手を打ち続けられる人
フリーランスや企業経営の成功者は例外なく多くの失敗を経験しています。
じぶんはひとつも失敗をせずに成功したという人がいたら教えてください・・たぶん嘘つきです。
スティーブジョブズもイーロンマスクもトランプ大統領も多くの失敗と挫折を経たうえで大成功を手に入れています。
メンタルが弱い人は、数回の失敗で簡単に心が折れてしまいます。
何度失敗してもへこたれずにチャレンジを続けられる人は、それだけで成功の可能性が相当高くなります。
シンプルに体力のある人
そして失敗してもめげずにチャレンジし続けられる人にはおのずと体力が必要となります。
ビジネスの成功というとイメージとして天才的な頭脳を持った人が、計算されつくした仕掛けで手に入れているイメージがありますが、現実は違います。
多くの成功は「たまたま」です。
AppleもAmazonもGoogleも、多くの偶然・たまたまが作用して大成功をおさめています。
そしてその偶然・たまたまの幸運を手にするのに必要なのは、天才的な頭脳というよりは、圧倒的な試行回数とそれをこなすための体力なのです。
「ギバー」・・・ただし条件あり
成功者には「ギバー」が多いということがビジネス界隈でよくいわれます。
「ビジネスでは、まず与えることから始めよ」という格言がありますが、営業や顧客関係構築において重要な考え方です。
相手に何かを与えることで、信頼関係を築き、長期的な関係を構築することができます。
これは、営業活動だけでなく、社内コミュニケーションや人間関係全般にも当てはまります。
これが「ギバー」に成功者が多い理由です。
しかし、ギバーの中には、自己犠牲的になりすぎて、結果的に燃え尽きてしまう人もいます。
成功するギバーは、自己犠牲ではなく、他者への貢献と自分自身の成長や利益を両立させています。
自分のスタイルに固執せず柔軟にビジネスモデルをチェンジできる人
一生くいっぱぐれない手に職を身に付けることができれば一生金銭面については大きな悩みを抱えることなく生きていくことが出来ます。
しかし20歳から70歳まで会社に所属せずに働くとして、一生稼ぎ続けられるスキルなんてものは本当に存在するのでしょうか?
電話交換手という職業が、人の作業を代替可能な機材が開発され1日でその職業がなくなったり、AIの台頭で多くのホワイトカラー系人材の仕事が必要無くなったり・・・
たかだか数年で自分のスキルが必要とされなくなる時代です。
自分のスタイルに固執せず柔軟にビジネスモデルをチェンジできる人というのは決して多くありません。
ただし柔軟に変化できる人は、この時代でもフリーランスとして生き残れるでしょう。
AIの台頭でWebデザイナーとして生計を立てるのが難しいと感じれば、速攻でリゾートバイトに転身できる・・・そういう柔軟さがこれからの時代は必要となるという事です。
恥をかける人、周囲からの批判や嘲笑に心折れない人
恥をかくことが出来る人は、本当の自分の好きな事、ニッチな事、突拍子もない事を躊躇なくチャレンジしていけます。
もちろん自分の好きな事、ニッチな事、突拍子もない事が世間のニーズにマッチしているとは限りません。
多くの失敗を覚悟する必要もあります。
ただ大きな成功を得れる人は間違いなく恥をかくことを恐れない人です。
自責思考の人
フリーランスをやっていると次々に不条理なことに見舞われます。(フリーランスじゃなくても見舞われますが・・)
ビジネスが上手くいかないことをついつい他者のせいにしてしまいたくなることもわからないではありません。
しかし詐欺にあったとしてもモンスタークライアントとの案件で炎上したとしても、他者のせいで自分は悪くないと考えるよりも、自分で判断したから自分の責任だと考えることで今後の教訓に昇華させることができます。
成功者、長くフリーランスを続けられている人は、もれなくみんな自責思考です。
長期で活動するには「誠実さ」は不可欠の武器となる
人生長く生きていると、社会ではズルくて悪い事をしている人が儲かったり、成功したりしているシーンを多く見かけます。
自分は誠実にやっているのに、なんであんな奴が・・・。
じぶんもズルをしたり悪い事をしてもいいんだ・・などと間違っても思わないでください。
短期視点ではズルをしたり悪い事をしたりして成功する人も長期視点では必ず失脚しています。
「誠実さ」は必ず長期的に見れば武器になります。
長らくフリーランスとして活躍し続けている人は、ほぼ間違いなく誠実です。
誠実な皆さん自信を持ってください。