「かえる」発想で建設業界の常識を覆す、750%成長の先に描く未来—カエル・デザイン・プロジェクト代表 田沼美明インタビュー
こんにちは!カエル・デザイン・プロジェクトの採用担当です。
当社カエル・デザイン・プロジェクトは、国内でトップクラスの「空間活用コンサルティング会社」を目指し、店舗開発コンサルティングや内装デザイン、施工管理といった「空間づくり」に関するソリューションをトータルで提供するベンチャー企業です。直近6年間の売上高の成長率はなんと750%!このような高い成長を実現し続ける会社や事業の秘訣はなんでしょうか…?🤔そんな思いを胸に、今回は代表取締役の田沼さんに、創業の経緯からビジョン、そして建設業界への挑戦の思いについてお話を伺いました。ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです🐸✨
田沼 美明 プロフィール
豪州留学から帰国後、一級建築士事務所にて14年間勤務。入社1年目から営業所の立ち上げに関わり、福岡、シカゴ、ニューヨークなど数多くの拠点で支店・事業の立ち上げの専門家として関わる。経営理念として「全スタッフのもの・こころの両方のしあわせを追求し、関わる地域の発展に貢献します」というミッションを掲げ、“北海道一”多様な働き方ができるコミュニティの実現を目指している。
拠点立ち上げ経験で培われた、創業への思い
―― まずは、田沼さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
高校卒業後、オーストラリア留学を経て海外に支店がある一級建築士事務所に14年間勤務し、そこで「新規拠点の立ち上げ」という仕事を専門に担当しました。入社後わずか10ヶ月で福岡の拠点立ち上げに抜擢され、その後、広島、名古屋、大阪、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスなど国内外12拠点の立ち上げを経験しました。
―― その拠点立ち上げの経験は、ご自身にどんな影響を与えましたか?
特に最初の福岡立ち上げは自分の人生を変える経験だったと思います。誰も教えてくれない、誰にも相談できない環境で、一人で放り出された仕事だったんです(笑)。社長は月に一度しか来ない。そんな崖っぷちに追い込まれた時に初めて、自分の頭で考え、行動する仕事に対する姿勢やマインドが培われました。
設備の整備、人材採用、広告戦略、チラシ配布、新聞への広告掲載、協力会社との契約締結、顧客開拓…あらゆる仕事を、一人でやらなければならなかった。今思えば、これは創業するのとほとんど変わらない経験でした。この経験が私の中に、「自分の力で、やればできる」という自信を植え付けてくれたんです。
その後、とあるご縁があった別の会社で子会社の役員を務め、5年間で17店舗から全国500店舗への拡大に貢献しました。この時の経験も、多角的な視点と事業拡大のノウハウを身につける貴重な機会となりました。
「変える」を社名に込めた意思
―― その経験から独立を決意されたんですね。カエル・デザイン・プロジェクトという社名には、どんな思いを込められたんですか?
それまでの人生で私は、どこかの組織の中で生きていくこと、パートナーである誰かと一緒にやっていくことを前提としており、心の中でずっと人を頼りにしていました。しかし、複数の会社を経験した後、「自分一人でやってみたい」という思いが強くなってきたんです。
独立を決意した私は、新しい一歩を踏み出すには、自分自身が変わらなければならないと強く感じ、そこで「カエル」という名前を思いつきました。毎回会社名を言うたびに「自分が変わるんだ!」と自己暗示をかけることができると思ったんです。これは私だけでなく、入社してくる社員にも、何か変わりたいと思って転職してくる人たちにも同じ自己暗示をかけてほしい!という願いも込めています。
世の中の変化のスピードは加速し続けています。毎日自分をアップデートする必要がありますが、油断すると普段の習慣に戻ってしまう。だからこそ「変わる」「変える」ことへの意識を常に持ち続けることが大切なんです。
さらに、建設業界の中で「カエル・デザイン・プロジェクト」という長い名前はほとんどなく、現場ですぐに名前を覚えてもらえるという実利的なメリットもありました。「カエルさん」と呼ばれることで営業活動にもよい影響をもたらしたと思っています。
「やってみる」姿勢にこそ、会社の強みがある
――6年継続で売上を拡大するカエル・デザイン・プロジェクトですが、ビジネスモデルの独自性や強みはどこにあるのでしょうか?
純粋な意味で「独自のビジネスモデル」というものはないかもしれませんが、業務のデジタル化や新規サービスなど、新しい施策に対する力の入れ加減や、AIやロボティクスなど建設業以外の分野での施策は、積極的に掛け合わせるようにしています。時代の変化を見極めつつ、10年前だと時期が早すぎて難しかった取り組みであっても、改めて今のタイミングで見極めて採用してゆくことが重要です。
それよりも「何でも数値に落とし込んで、期日を一旦決めてやってみる!」という企業文化そのものが、私たちの強みと言えるかもしれません。新しいテクノロジーやアプリケーションも誰かが必ず一度やっているものであり、その意味で技術的な独自性はないと思います。どちらかというと、ベンチャー企業としての危機感、すなわち「とにかく、やってみる!」ことへの意識が、私たちを常に前に進ませる原動力になっているのだと思います。
――「数値や期日を決めてやってみる」というのは具体的にどういうことですか?
数字に落とし込むというのは、私の苦手意識から生まれたアプローチです(笑)。数字には、誰から見ても「2は2、100は100」という明確さがあります。人によって「優しい」「きつい」「辛い」という感覚は異なりますが、数字なら解釈の余地がない。自分自身が、言葉にされていないことを鋭く察することが苦手だと思っているので、抽象的な表現ではなく、「2分後に来て」といった具体的なコミュニケーションを行うことを重視しています。
そのため、予算管理や人事評価といった領域でも「多い・少ない」などの表現はやめて、数字に置き換えられるものは全て数字にすることを念頭に置いています。またビジネスの場面でも「数字」は客観的な説得力が一番あるので、お客さんとのコミュニケーションにおいても数字に落とし込むというアプローチは大事ですね。
また、物事を進める際には、何事においても、まず期日を先に設定することを意識しています。例えば議論をする場でも「●●のイベントにはいつ参加しよう」という日程を先に決めてしまい、検討事項は後から潰していくように意識しています。特に日本社会では「全ての確認や論点が揃わないと前に進まない」という雰囲気にもなりがちですが、私たちの会社では、まずスモールステップで小さい挑戦と小さい成功を積み上げていくというスタイルを重視しています。そのため社内プロジェクトでも同様に、まず完了日を設定してから詳細を詰める進め方を意識しています。
この思考の土台には、私たちの本業である設計・施工の業務があると考えています。設計・施工の仕事ではお客さまの店舗のオープン日が決まっていることも多く、そこから逆算して全ての工程を組み立てることが不可欠です。そのため、さまざまな会社の意思決定の場面においても「まず期限を決めよう」という文化が自然と根付きました。
―― そのほかに、会社の成長に影響を与えたターニングポイントはありますか?
「やってみる」という文化と同じくらい重要なのが、それを実行する社員の存在です。恥ずかしながら、創業初期は良い人材の採用に苦労し、信頼できる人材を見極める目を養うまで、かなり時間がかかりました。
転機となったのは、現在の取締役や執行役員である伊藤さんや田中さん、技術職として長年一緒に働いているメンバーなど、それぞれの専門分野で信念を持って仕事をする方々との出会いです。彼らは私が社長だろうと誰だろうと、自分の意見をはっきり言ってくれる。そんな彼らの存在によって各部門が自立発展し、組織が大きくなる基盤が整い、会社が成長したと考えています。
会社が成長し、レンタルオフィスから自社オフィスを構えるようになってからは、社員の定着率も大きく向上したんです。空間を作るという立場の会社ではありますが、空間が人に与える影響を身をもって実感しました。
変わる時代、業界だからこそ「かえる」挑戦は終わらない
―― 現在、カエル・デザイン・プロジェクトはどのような事業に力を入れていますか?
創業当初からの内装設計・デザイン事業に加え、現在は事業領域を大きく広げています。昨年は一級建築士事務所に登録、今年は不動産免許も取得し、内装デザインの周辺業務にとどまらず、お客様の事業展開をより包括的にサポートできる体制を整えています。
直近は、日本全国に多店舗展開する企業様に対して、店舗を運営する上で必要となるあらゆる情報とサービスを統合的に提供することで、お客様のビジネス成長に貢献したいと考えています。その一環として、今年からは開発コンサル本部を新設し、集客や収益の観点から出店すべき効果的なロケーションをお客様と検討する店舗開発・マーケティングのご支援や、各店舗の設備やアセットの施工・修繕データを蓄積するアプリケーションの開発など、建築・空間設計の枠を超えたソリューションの開発に取り組んでいます。従来の空間や内装の設計・施工の枠を超えて、幅広くお客様のビジネス成果をサポートできる体制を実現しつつあると考えています。
―― 今後の展望について教えてください。5年後、10年後はどんなビジョンを掲げていますか?
2023年から2027年の5年間で、カエル・デザイン・プロジェクトは売上40億円規模の企業へと成長を遂げること、そして、主に多店舗展開企業の店舗開発部門・施設管理部門の機能を担うパートナーの立ち位置を確立すること目指しています。またその後は、2032年までに全ての施設建物を対象に、ファシリティマネジメントとプロパティマネジメントを提供する会社になりたいと考えています。当社は内装デザインという領域から徐々に周辺領域の業務を開拓していきましたが、最終的には建築物だけでなく、特定のエリア=空間全体をマネジメントするプレイヤーにまで進化していきたいという思いを込めています。
このビジョンを実現するためには、社内の組織体制も進化させてゆくことが重要です。直近は社内に事業企画部門を新設し、現在の事業領域にとどまらない、新たなサービスや価値創造に取り組んでいます。事業企画に力を入れている会社の状況は、「新しい事業を開発するマインドがある」「今ある職種だけでなく、自分たちが主体的に新しい職種を生み出せる」という、社員に対するメッセージでもあります。
―― 最後に、これから入社を考える方々へメッセージをお願いします!
建築設計・建設業界は長年古い体質だと言われてきましたが、60代以上のベテラン世代が引退を迎えるタイミングを迎えており、特に2026年以降は団塊の世代が大量に退職するため、職人不足や施工管理士の不足、設計士の不足が更に深刻化することが予想されています。
だからこそ、この業界に新しい方や若い方が入ってくることで、新たな仕事の進め方や技術を用いて仕事を進めることができ、ひいては建設業界全体が大きなアップデートを迎えると考えています。カエル・デザイン・プロジェクトはそのアップデートを「起こす側」になりたいと考えていますので、その変化を起こす側になりたいと考える方に入ってきて頂きたいです。
一方で、「お腹が減っては戦はできぬ」という言葉があるように、会社が新しいチャレンジをし続けるためには、ちゃんと利益を出し、それを研究や新しい施策に回せる体質がなければいけません。収益性の高いサービスやビジネスを運営しながらも、業界を「かえる」ユニークな取組みを、これからもカエル・デザイン・プロジェクトは積み重ねてゆきたいと考えています。