望月さんは、入社河原部社が運営する中高生向けの居場所「Miacis(ミアキス)」の元利用者。2024年4月に入社し、利用者から運営する社員になりました。今は施設の運営や、ボランティアスタッフの教育を行っています。
「ここでの経験が自分を大きく変えてくれた」と話す望月さん。
今回は、利用者から社員になったきっかけや、施設や社内の雰囲気について話を聞いてみました。
【望月凜香さんプロフィール】
山梨県韮崎市出身、甲府西高校卒。都留文科大学地域社会学科へ進学し、地域の課題について学び、解決につながる実践的な活動をする。卒業後、2024年4月河原部社に入社。現在は、施設の運営管理をメインに、学生たちの活動支援やスタッフの育成を行う。趣味は、カフェ巡りと登山。
挑戦したから成長できた。控えめだった私が変われたきっかけ
――望月さんの今までの歩み、経歴を教えてください。
出身は韮崎で、高校は甲府西高校に行きました。実は高校生の頃にここ(Miacis)に通っていたんですよ!当時都留文科大学の学生さんと出会い、お話を聞くうちに興味が湧き、卒業後は都留文科大学の地域社会学科に進学しました。
大学時代はユースワーカーという大学生ボランティア活動もおこなっていました。Miacis(ミアキス)のような学生用のフリースペースに行っていたんです。中高生の居場所づくりに興味が湧いたのもこの時期だったと思います。
――Miacis(ミアキス)の利用者さんだったのですね。ここで過ごした中で、最も印象的だった出来事はありますか?
デンマークに行くための資金を集める「クラウドファンディング」をしたことです!高校生の時に友人と一緒に挑戦しました。デンマークへの興味も、クラウドファンディングを知ったのもすべてMiacis(ミアキス)がきっかけです。
あることがきっかけで「デンマークに行ってみたい」という話になったのですが、高校生なので資金がないじゃないですか……。その相談をMiacis(ミアキス)でしていたら「クラウドファンディングはどう?」と案をくれて。結果的にデンマーク行きは果たせなかったのですが、夢を叶えるために行動することの大切さを感じましたね。それもMiacis(ミアキス)に通っていたから、できたことだと思っています。
――Miacis(ミアキス)のスタッフのイメージはどうでしたか?
Miacisのスタッフ=河原部社の社員さんなので、今もいえることですが、本当にいい方ばかりです。何気ない会話はもちろん、悩みや不安などどんな話も親身になって聞いてくれます。やってみたいと思うことが叶うようなサポートもしてくれるし、自分の知らないことをたくさん教えてくれました。
最新の情報も教えてくれるので、常にアンテナを張っている人たちだなぁと。それは今も感じますね。
――これまでの経験が今活かされている実感はありますか?
自分の考えを表に出したりチャレンジしたりできるようになったのは、Miacis(ミアキス)に通っていたことが大きいと思います。
実はここに来るまでは、控えめな性格だったんです。親でもない先生でもない大人に気軽に相談できて、受け入れてもらって、アドバイスをもらって、応援してもらえて。この経験があったから、失敗を恐れず挑戦できるようになったと思います。
今では、企画出しやアイデアを共有することに抵抗がなくなったので、ここで過ごした経験が活かされていると思います。
次は私が力になりたい。環境に感謝し、恩返しに励む
――現在の業務内容を教えてください。
メインはMiacis(ミアキス)の運営です。学生たちの活動支援や環境づくり、企画をはじめ、ユースワーカーの研修やサポートをおこなっています。
過ごしやすい環境を作るのはもちろんですが、交流している中で知る学生たちの「興味」について深掘りできる機会を設けています。先日は、外部講師を呼んで学べるイベントを企画し、開催しました。直近は市内の美容院を営む美容師さんに交渉し、プロのヘアアレンジを学べる参加型のイベントを行いました。
直接的に何かをやってあげるというよりは、挑戦しやすい環境や気づきを与えられる環境を意識しています。
――河原部社を選んだポイントはなんですか?
大学生の頃、東京都の文京区にある施設をはじめ、「学生の居場所づくり」を目的とした複数の施設でボランティアをしていました。そこで活動する中で、学校以外で学生と関われる仕事を続けたいなぁと思うようになり、全国いろいろと探したんですよね。でも自分が通っていたMiacis(ミアキス)以上に惹かれる場所がなくて。
当たり前のように通っていた場所が、すごく恵まれたいい施設だったんだと気付いてMiacis(ミアキス)を運営する河原部社を考えるようになりました。
さらに河原部社は地域活性化の事業もしているので、大学時代に学んだことが活かせるかもって。お世話になった場所だし、地元で学んだことを活かせるならと応募を決めました。
――入社後のギャップはありましたか?
ないですね。利用者として感じていた良さはそのまま感じられるし、社員同士の関係性や社内の雰囲気もすごくいいです。
――入社してのやりがいはどんなところでしょうか?
企画したイベントに学生たちが楽しそうに参加している姿を見ると「やってよかったなぁ」と思います。学生の興味関心を深掘りできたり、一歩踏み出せるきっかけになったりしたら嬉しいです。
あとは、大学生ボランティアの子が私の研修で苦手を克服できたと知った時も嬉しかったです。イベントや研修は、満足できたかどうかの結果ってやった後にしか分からないので不安もあるんです。だからこそ「楽しかった」「あなたのおかげで克服できた」みたいな報告をいただけると本当に嬉しいですね。この仕事のやりがいだと感じます。
正解がない難しさ。一人一人に合ったアドバイスに悩むことも
――河原部社に入社して苦労したことはありますか?
はい。学生へのアドバイスに悩むことがあります。
学生との交流のなかで、やっぱり悩み相談とかもあるんです。私が経験したことであれば適切なアドバイスができるし、経験談からなにか気づきを与えられることがあるのですが、経験のないことにどうやってアドバイスをしたらいいのかわからなくて……。何かしてあげたいという気持ちがあるからこそ、なにもできないもどかしさはありますね。
――そういった相談をされたときは、どのように対応しているのですか?
その子の性格と悩みの原因が起こってからの時間の経過をひとつの指標にしています。悩みをただただ受け入れたほうがいい時期と、ちょっとした声かけをしたほうがいい時期があるなぁと気付きました。無理にあれこれせずに見守ることも大切ですからね。
これはスタッフとしての経験もありますが、今まで利用者として通っていた過去の自分を参考にすることもあります。相談したときに何をしてもらったら嬉しかったか、落ち着いたかなど、学生時代の自分をすり合わせています。
“その子らしさ”が見つかる環境を提供していきたい
――最後に、望月さんの今後の目標を教えてください!
学生たちの可能性を広げたり、本人もまだ気づいていない自分の魅力に気づけたりする機会を与えていきたいです。それは日々の交流でも、イベントでも。あとは自分がそうだったように、やってみたいことにどんどんチャレンジできる環境を提供したいですね。「口にすると実現できるよ!」と伝えていきたいです。
望月さんチラ見せオフショット
趣味はカフェ巡りと登山!
休日は、おしゃれな雰囲気やおいしいごはん、自然に癒されています。