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XRにかける思いの根っこ

XRの仕事を会社の中核にと考え始めたのは、会社を作って半年くらいしてからだったと思います。

独立以前まで私が経験してきた中心的な業務はWeb制作でした。そのキャリアの合間で3DCG制作の仕事を手掛けていた時期もあります。独立する数年前には、当時としては早かったと思いますが、Web+3DCGというような組み合わせの仕事を手掛けることもできました。

「SANWA 3D INTERNET LAB」(2009年)、「WELLITH 3D MUSEUM」(2010年)、などです。

Second LifeのOpenソース版を独自に改良した3Di OpenSIMを使っての実装でした。3Dのモデリング、Web側のJavaScriptの実装からアプリ側の3Dコンテンツの挙動のスクリプトの組み込みまで、ほぼ一人で担当して年末年始休みをつぶしたのを覚えています。

その後、Unityでも同様のWeb上での3D表現を使ったコミュニティ空間を作成する仕事を経験し、起業する際にはUnityを使った3Dコンテンツを作る仕事がしたいと考えていました。

3DCGに対する思い入れも、それよりかなり以前から持っていました。

独立より10年以上さかのぼりますが、Web制作会社に勤める傍らで、趣味で始めた3DCGにのめり込み、自作のCGアニメ作品をいくつかのコンテストに応募し、小さな賞をもらったこともありました。「CGアニメコンテスト」の受賞パーティーでは、まだそれほど有名ではなかった新海誠さんのご尊顔をごく近くで拝する機会にも恵まれました。

好きが高じてその仕事でフリーランスになった時期もあります。結局、それでは食べていくことができず、断念してWeb制作の仕事に戻るのですが、その後もずっと心の奥に3DCGの仕事への思いがくすぶり続けていました。

そんな経緯から、Unityを知ってからは、「これなら3DCGの経験も生かせるし、それを使った幅広いモノづくりができるかもしれない」というワクワク感がこみ上げてきました。

スクリプト周りの仕事というのは何となく苦手感がありましたが、3Dを使ったコンテンツがつくれるなら、と真剣に向き合うようになりました。

一人で独立した時、もちろん、最初は食べていけるためにどうすれば良いか、ということが念頭にありましたが、一方で、こうも考えていました。

(売り上げにはなっても、自分が目指すことと無関係な仕事にはなるべく手を出さないことにしよう)

作る仕事というのは、作ったものがなんであるかという実績が、そのままその人や会社のプロフィールになっていくものです。

ただ生き延びていくための収入が入るとしても、それがまったく目標と関係ない仕事であったり、バラバラな分野の仕事であるならば、結局、何をしている会社なのだか、何が得意なのか、さっぱりわからない顔の無い会社になってしまう、と考えていました。

起業直後にはWeb制作の仕事も少ししていましたが、ご辞退するなどして徐々に減らし、2年目からUnity関連の仕事一本に絞りました。

XRという分野に夢を与えてくれたのはMicrosoftの「HoloLens」でした。

「Oculus Rift DK2」も早々に購入して試しましたが、まだ実用化には厳しいな、と考えていました。
(今のOculus Quest2などは素晴らしいです)

それ以降、「HoloLens」発売までの期間、ずっとニュースをチェックし、いつかはHoloLens用のコンテンツの仕事をしたい、と考えていました。

そこから、他のARやVRにも興味が広がり、それらの情報を集めるのが楽しくなり、ブログに書くようになりました。

それが「Sinfonia Lab」です。

XR関係の情報を集めたブログを書いておけば、SEOの面からもいずれなんらかの宣伝、営業的な役に立つだろうという思いもありました。今では自社の情報発信中心ですが、初期のころはXR関係の情報を紹介していました。

そして、HoloLens発売後、高かったですがすぐに購入しました。

この頃にはUnityや3DCG制作でなんとか継続的な仕事がいただけるようになっていました。その傍らで、HoloLensの研究をし始めました。

ほぼ同じ時期、VRの仕事がようやく一件受注でき、さらに二件目も間もなくいただけました。

VRの小さな仕事が2,3件いただける程度の年が2年ほど続き、その後、ついにHoloLensを使った大きなお仕事にかかわることができました。この頃に新規メンバーも加入してきました。

そこから年数を経て、売り上げに占めるXRの割合が徐々に増え始め、現在では大半がXRの仕事になっています。

そして今、例年とは異なり、さまざまな、そして数多くのXRのご相談をいただく、大変にぎやかな4月を迎えています。

土木関連のAR、スポーツ関連のVR・AR、ヘルスケア分野のVR、展示会のVR、本当に多岐にわたります。

自分が、ずっと好きで好きで目指していた仕事が、どうやら今、社会や生活のインフラになろうかという勢いで伸びてきています。おそらくまだピークまで数年あるでしょう。

ようやくここにたどり着いた、という実感があります。

同じ思いを持つ仲間と共に、
「好きなことで社会の役に立つ」
これを実現していきたいですね。

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