こんにちは!!
ホライズンテクノロジーの広報担当です。
当社では、社員だけでなく学生エンジニアも主体となって勉強会を定期的に開催しており、世代や立場を越えた「成長の場」をつくることを大切にしています。
(過去の学生エンジニア勉強会の様子はこちら)
今回の勉強会テーマは誰もが耳にするようになった「AI時代におけるソフトウェア開発」についてです。
今回は、AIを取り入れた最新の開発ツール『Cursor』を体験できる実演とあわせて、わかりやすく説明していただきました!
発表者
北川さん
九州大学理学研究院の修士1年で機械学習を物理学に応用する研究中。ホライズンでは2年間アルバイトを続けており、昨年の九大祭では「Chat Bot」の開発にも関わった経験豊富な学生エンジニア
目次
1.そもそもCursorってなに?
2.Cursor実践!
3.AIコーディングの落とし穴
4.質疑応答も白熱
5.参加者の感想
1.そもそもCursorってなに?
「Cursor」とはAI付きのコードエディタでわかりやすく言うと、「VSCode(プログラミング用のメモ帳)」にAIアシスタントがついたものです。
うまく活用することでプロジェクトの大部分をAIに仕上げてもらうことも可能です。
Cursorの主な機能
1.入力候補を出してくれる
文章入力中にスマホが予測変換してくれるように、プログラムを書くとAIが続きを提案してくれます。
2.チャット機能
チャットで指示を伝えると、その指示に沿ってコードを修正してくれたり新たにコードを書いてくれたりします。
3.プロジェクト全体を理解して提案できる
Cursor には、プロジェクトの内容そのものを読み込ませることができるため、全体の構造や設計意図を踏まえた提案が可能です。普通のAI補助(例:GitHub Copilot)は目の前の数行しか見ないので、関連するファイルや全体像までは把握できません。
Cursor公式サイト:https://cursor.com/ja
2.Cursor実践!
Cursorを用いたプロジェクト開発の実演の様子がこちらです!
実演中の北川さん
勉強会では実際にデモンストレーションを実施。
- Notion (情報管理ツール、タスク管理等に用いられる) を使ってプロジェクトのタスクを細かく分割、整理
notionによるタスクの分割
- それを MCP(AI向けに作られたAPI)を通じてAIが理解できる形に変換して、Cursor を使って実際のコードをAIに書かせる
Cursorのチャット機能によるコード実装
- 途中で必要な修正をお願いしながら完成!
タスク完了
3.AIコーディングの落とし穴😱
AIがすごいとはいえ、万能ではありません。LLM*を用いたAIコーディングには以下のような欠点があります。
- コンテキスト(前提)が大きすぎると精度が下がる
→ コードを適切に分割することが必要 - たまに事実と違うことを答える
→ 見抜く力やテスト(確認作業)が大事 - 人間の意図を完全には読めない
→ 仕様や要件を文章で整理してAIが読める形で伝える必要がある
つまり、AIを正しく使うには
- コードを適切に分割でき、AIの誤りに気づける技術力
- コード品質を保ち、あらゆるものをドキュメント化する労力
が人間に求められる、ということです。
*LLMとは? LLM(Large Language Model / 大規模言語モデル) は、たくさんのテキストデータを学習して、人間のように自然な文章を理解したり生成したりできるAIのことです。 Chat GPTやGeminiなどに相当します。
勉強会風景
4.質疑応答も白熱🔥
勉強会風景
発表後の質疑応答時間では、社員も学生エンジニアも積極的に質問し合い、とても活発な議論となりました。
その一部をご紹介します!
「AIだけでタスクを進められる割合はどれくらいですか?」
北川さん:完全に任せてうまくいくのは半分以下です。ただし、一言二言アドバイスを加えれば、成功率は8割近くまで上がります。
「その“一言二言”とは具体的にどんな修正ですか?」
北川さん:AIは途中で作業を止めてしまうことがあります。たとえば、データベースまで仕上げてほしいのにモック(テスト用の仮のデータベース)だけ作って終わることがある。そういうときに『最後まで仕上げてください』と伝えるとちゃんと動きます。
「クリーンアーキテクチャ(設計の考え方)はどう学んだんですか?」
北川さん:有名な本もありますが、ネット記事を2〜3本読むだけでも理解できます。思想を理解するのが大事です。
「AIに参照してほしい部分を指定しても、勝手に他の部分まで見てしまうことは?」
北川さん:あります。だからこそ、情報を整理して“どこを見ればよいか”を明確にしてあげることが大切です。
こうしたやりとりを通じて、AI時代のエンジニアは今までコーディングに使われていた情報を構造化する能力が自然言語でドキュメント化するという形で必要になってくる、という学びが共有されました。
予定していた30分を超えるほど盛り上がり、参加者全員が「AIとの付き合い方」を考える貴重な時間となりました。
5.参加者の感想🎤
参加者からは、
- プロダクト開発を進める上でのAI活用について色々な知識が得られて、とても勉強になりました。
- Cursor Rules や MCP を扱う上での留意点を改めて認識できた勉強会でした。単なる実装力ではなく、要件を抽出・整理し、構造化できる“設計力”が大事だと感じました。また、設計者と実装者を同じ人が担いやすくなるので、プロダクト開発を行う上で、非常に良い流れだと思いました。
- これまでCursorのようなエージェント型のAIを使ったことがなかったのですが、想像以上にできることが多いとわかりました。AIを活用した作業の効率化が今後重要になると感じました。
などの感想をいただき、とても有意義な会となりました!
終わりに...
Cursorの使い方といった実践的な内容から、AI時代の開発においてエンジニアに求められる姿勢という抽象的なテーマまで、幅広く学ぶことができた非常に濃い時間となりました。
今後もメンバー同士で学びを深めながら、より良いプロダクトを届けられるチームとして成長して行きます!
ホライズンテクノロジーには、エンジニアリングに興味を持つ学生が多数在籍しており、学部生から大学院生まで幅広い層のメンバーが活躍しています。
社員・アルバイトを問わず学び合う文化の中で、若手が技術とともに成長できる環境が整っています。
AI時代のものづくりを共に探求し、成長していきたい方は、ぜひホライズンで一緒に挑戦してみませんか?
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