証券業界・人材業界は商品よりも担当の営業力が成果を左右しやすく、営業力をつけたいビジネスパーソンにとっては特に人気の業界とされている。
その中で各業界大手で猛者が集まる野村證券、レイスグループで常に上位の成果を出し続けてきた西原。
業界・サービスに左右されない、どこでも通用する営業力とは何かを西原に語ってもらった。
立教大学卒業後、野村證券に入社し一貫して法人営業に従事。ドアノックからの新規法人開拓を得意とし、開拓件数では常に上位をキープし、社内表彰多数。顧客よりファイナンス以外の相談が増えたことをきっかけに、より広範なサービスを提供できる人材業に転身を決意し、人材業の中でも最も難易度の高いヘッドハンティングサービスへ。売上数千億~数百億の企業役員より直接案件をお預かりし、社外取締役やCXO案件を中心に幅広く人材支援を行う。2026年8月にミツカルのヘッドハンティング事業部のマネージャーに就任し、現在に至る。
1.仕事の土台は、「いいやつ」であること。
——まず、西原さんが仕事で一番大切にしていることを教えてください。
西原:
野村時代の大先輩に、島田さんという方がいるんです。その方から言われた「数字なんて一切やらなくていい。とにかくお前は『いいやつ』になれ。そしたら気づいたら数字なんてついてくるから」という言葉が、今でもずっと心に残っています。
社内でも、社外でも、誠実で「いいやつ」であること。これは、僕の中でずっと変わらないベースですね。
特に、その姿勢が問われるのは、トラブルが起きたときだと思います。
トラブルが起きたときって、誰しも逃げたくなるし、気を緩めると自分たち本意の進め方をしてしまうじゃないですか。それは誠実じゃないし、僕のいう「いいやつ」ではないんですよ。
僕はまずは一旦、「無の境地」になるんです(笑)。そこから、「相手は何に対して怒っているんだろう」「何を求めているんだろう」と、徹底的に相手の立場に立って考えるようにしています。
トラブル・クレームなどの難しい局面を挽回できるか、それをチャンスにして好転できるかって、成果を出すにあたって1つの大きい分岐になると思うんです。
だからこそ厳しい局面ほど、相手の心情や立場を想像して、真摯に向き合う。その姿勢を通じて適切に相手の不満を解消し、信頼を得ていく。その信頼の積み重ねが成果に返ってくると感じています。
2.誠実に向き合うために、自分の「当たり前」を引き上げる。
——その仕事観を支える、行動力の原点はどこにあるのでしょうか。
西原:
新卒で入った野村證券での経験は大きいですね。
当時の僕は、本当に何も考えていなくて(笑)。就職活動もリーマン・ショックの時期で、最終的に縁があったのが野村でした。
ただ、一つ決めていたのは、「厳しい環境に身を置こう」ということです。自分は甘い環境にいると、どんどん楽な方に行ってしまう。だから、最初に経験する環境で、自分の「当たり前」の基準を高くしておきたかったんです。
でも、入社して最初の半年は、全然結果が出ませんでした。
そのとき、支店長がよく仕事終わりに飲みに連れていってくれて。僕はひたすら「Do、Do、Do」になっていたので、行動をどう振り返って改善するかという話から、目力や姿勢といった基本まで、徹底的に教えてもらいました。
その支店長自身が、誰よりも早く出社して行動する人だったんです。言葉だけじゃなく、背中で示してくれたことも大きかったですね。
——具体的には、どんな行動を積み重ねていたのですか。
西原:
1日250件のテレアポをやり切る。外に出て飛び込み訪問をする。毎朝、日経新聞を1〜2時間かけて読んで、上司に「この記事を3分で説明して」と言われても答えられるように準備する。
そういうことを、毎日積み重ねていました。
行動量を確保して、振り返って、改善する。それを繰り返すうちに、以前は大変だったことが、自分の中の「当たり前」になっていくんですよね。
今の自分の行動量や、商談に向けて準備する姿勢のベースは、このときにできたと思います。
3.目標は変えてもいい。行動量は変えない。
——目標を達成する秘訣はありますか?
西原:
目標は大切ですが、目標そのものを途中で変えることは、あっていいと思うんですよ。最初に高い旗を立てて、挑戦してみて、そこで見えたことを踏まえて軌道修正する。そのときは、目指す場所が変われば、得られる結果も変わるという話をします。
その上で大切にしているのが、自分で決めた行動をやり切ることです。
例えば、「月に1,000万円売るために、この件数のテレアポや訪問をする」と決めたとします。それを途中で投げ出してしまうと、うまくいかなかった理由が、行動量なのか、やり方なのか、検証しづらくなる。
やり切ることで、はじめて分かることがあるんです。
何が良かったのか。どこを変えれば、もっと良くなるのか。その振り返りができれば、次の行動の精度を上げられる。
だからこそ、自分のメンバーに対しても、「目標は自分で決める」「決めた行動をやり抜く」姿勢を大切にしてほしいと思っています。
4.仲間に求めることは、まず自分がやる。
——マネージャーとして、ご自身が意識していることはありますか。
西原:
マネージャーだからマネジメントが仕事、メンバーは現場の仕事と分けるのではない。そもそもマネージャーはグループの達成に向けてメンバーに動いてもらう必要があります。
指示だけして全く手を動かさない、背中を見せてくれない上司って誰もついてこないと思うんです。まず自分が数字をつくらないと、言葉に説得力が出ない。
特に営業なので、自分自身が数字と行動で示すことは、すごく大切だと思っています。もともと、プレーヤーとして動くのも大好きですしね。
その日の商談に向けて準備をする。商談の合間にテレアポをする。候補者を探してスカウトを送る。メンバーに求める行動は、自分自身も徹底してやるようにしています。
「誰よりも一緒に戦ってくれる上司であり続ける」ということが大切だと思います。
もっと言えば、役職への執着もないんです。
もちろんポジションは役割だと思っていますし、自分より優秀で適任な人がいれば、その人に任せればいい。
大切なのは、事業部としてどう成果を出すかです。
そのために自分がプレーヤーとして数字をつくる必要があれば動くし、自分の経験を伝えることでメンバーが成長できるなら、惜しみなく伝えたい。
今の自分の役割を、ちゃんと果たしたいと思っています。
5.「いいやつ」が成果を出し、報われる組織で、売上100億円へ。
——最後に、ミツカルで実現したいことを教えてください。
西原:
ヘッドハンティング事業部で、売上100億円を達成したいです。ここは絶対にやり切りたい。
これまでもプレイヤーとして実績を積み重ねてきましたが、事業の立ち上げフェーズから業界首位の景色を見に行くことをもとめてミツカルにジョインを決めています。
ヘッドハンティング事業は言葉通り「人が全て」なので、今の仲間はもちろん、これから入ってくる仲間が気持ちよく働くことができ、しっかりと報われる組織をつくるために、教育・育成・評価の体制を、しっかりつくっていきたいと思っています。
何ができるようになれば、次の役割を任されるのか。どんな成果や行動が評価されるのか。そこをもっと明確にして、頑張った人が正当に評価され、成長していける環境にしたいんです。
ミツカルには、素直で魅力的な「いいやつ」がたくさんいます。
僕自身、これまでたくさん失敗してきましたし、泥臭く行動を積み重ねながら、自分の基準を引き上げてきました。そこで得た経験やノウハウは、全部伝えたいと思っています。
一緒に働く仲間が、自分の目標に向かって行動して、成果を出せるようになる。その頑張りが評価されて、もっと大きな挑戦ができるようになる。そういう組織をつくっていきたいですね。
相手に誠実に向き合い、自分で決めたことをやり抜く。そんな仲間と一緒に、僕自身も行動の基準を上げながら、売上100億円の事業部をつくっていきます。