2025年10月、QIXとafpetが主催する台湾獣医師チームの日本視察プログラムが実現しました。
参加者は台湾全土から選抜された臨床獣医師たち──皮膚科・内科・総合診療に携わるプロフェッショナルたちです。
3日間にわたる濃密なプログラムは、「QIXの哲学と日本の現場」を体感し、台湾の臨床現場にどう活かせるかを深く考える機会となりました。
【Day 1】──QIX本社セッション
初日は東京都町田市にあるQIX本社にて、学びと対話の時間からスタート。
・代表生田目による講義「日本の動物病院が抱える構造課題と未来」
・取締役獣医師による整形外科セミナー(QIX製品の運用と実際の臨床)
・営業チームからの製品説明と導入事例
参加した台湾獣医師たちは、単なる製品紹介を超えて、「経営視点」「教育の仕組み」「専門医制度」など、日本の動物医療の全体像に強く興味を示していました。
「台湾ではまだ体系化されていない“学びの循環”を感じた」という声や、「製品だけでなく、それを取り巻く“使う文化”が価値なんだ」という気づきも多く寄せられました。
【Day 2】──プリモ動物病院グループ訪問
2日目は、2グループに分かれ、神奈川・町田エリアに展開する動物病院を訪問しました。
・院内見学:受付・診察・入院・手術・トリミングの流れ
・実際の手術見学と術後ケアの運用紹介
・院内教育・チーム運営の実例紹介
この日のメインとなったのは、実際の手術見学でした。
片方のチームは、骨折整復手術に立ち会い、術前のプランニング、器具の使い分け、術中のチーム連携、そして術後ケアまで一連の流れを観察しました。
もう片方のチームは歯科および口腔外科に携わる手術・処置の実際を見学することができました。
台湾ではこうした体系化された手術教育や器具の標準化が日本とは異なる点があるため、参加者からは「どのように術式を選択しているのか」「誰が最終判断をするのか」「術後管理をどう設計しているか」といった質問が多数飛び交いました。
一般診療における、トリマーと獣医師の連携、スキンケア管理の運用など、日本独自の“横断型医療”にも感銘を受けた様子が見られました。
また、病院スタッフとの質疑応答では、「人材育成をどう設計しているか」「院内での意思決定はどのように共有されているか」など、経営的な視点からの問いも多く、互いに学び合う時間となりました。
【Day 3】──教育とペットライフの拡張体験
最終日は、麻布大学動物病院、大学施設内見学ペットサービス複合施設を訪問しました。
麻布大学では、教育の体系性と研究環境の厚みに驚く声が多く聞かれました。 「台湾でもこうした獣医教育が整う未来を目指したい」という参加者の声が印象的でした。
WANCOTTでは、ペットリハビリ・ドッグラン・ホテル・シニアケアなどの複合施設を見学。医療と生活が接続された“ペットのQOL全体設計”という観点に、大きな刺激を受けていた様子でした。
未来をともに描くチームへ
この3日間は、文化・制度・価値観の違いを越えて、“QALを軸にした獣医療の未来”を共有する時間でした。
「国境を越えても、動物と人の関係に向き合う姿勢は共通する」──そう実感できたからこそ、QIXとafpetのパートナーシップは、単なる輸出入やビジネスではなく、「共創による学びの連鎖」として、次のステージへ向かっています。
今後も台湾に限らず、QIXはアジア各国との教育・交流の機会を創出し、国境を越えた“学び合う動物医療”を実現していきます。
次回は、QIXが描く“アジアから世界へのエコシステム”──QALからQXLへ、未来への構想をお届けします。