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こんにちは。Stapleでブランディング・マーケティングを担当している後藤です。このnoteでは私のユニットが手がけている仕事の内容や、これからのStapleに感じる展望などをお話できたらと思います。
後藤 美沙 | MISA GOTO
ブランディング・マーケティング / ディレクター
横浜生まれ逗子育ち。大学在学中、アメリカでの交換留学生活を経て日本の街作りの面白さに気づき、大学卒業後デベロッパーの三井不動産に入社。投資顧問REIT運用部に配属されるも、手触り感のあるヒューマンスケールな街づくりへの興味が増し、退職。2017年UDS株式会社に入社し、由縁新宿・代田・札幌などホテルの企画開業をはじめとした場のプロデュースを行う。K5内覧会で衝撃を受け、2021年にStapleに入社し、事業企画開発を担当。最近では好きが高じてアートや備品など空間を彩るアイテム選定やディレクションも行う。
根っからのアクティブで趣味は月1の登山、キャンプ、ヨガ、旅、家具・アート収集。そして三度の飯より何よりもビールが好き。早稲田大学法学部卒。
ブランドの人格とメンバーの思いに向き合う仕事
2018年に創業したStapleは、年々その規模を拡大する中で、手がける施設や関わるローカルの数もどんどん増えています。そうするとどうしても、Stapleが手がけるさまざまなブランドのデザインレギュレーションがバラバラになっていきがちです。そこで「各ブランドの人格が何なのか?」ということを改めてちゃんと定義しながら、空間に置くものやお客さんが目にするものにブランドストーリーを載せ、また多拠点展開していくブランドに関しては、共通化すべきもの/ローカルごとに色付けしていくものに整理する、ブランディング・マーケティングチームが編成されました。私はそのディレクションや制作進行のリーダーをしています。
バスタオルからSNSまでをディレクションする
具体的にやっていることはさまざまです。たとえばホテルであれば、そこに置くパンフレットなどのペーパー類はどうあるべきか?、バスタオルやシャンプーなどのOSE(Operating Supplies and Equipment:運営に関わる消耗品及び備品)はどんなものが良いか?などを細かく整理することもその一つ。
お客様の時間を彩るOSEは丁寧に吟味を重ねる
また既存ブランドのウェブサイトの再構築も進行中です。たとえば、2021年に開業したSOIL(※)ブランドは今後開業が続き、拠点が増えていくのですが、そのうえでSOILwebの構造や届ける対象を改めて考えて、どう見せていくかも見据えながら、サイトマップを作り直したり写真やコピーを更新したり。多角的な視点からディレクションしています。
それとSNSのディレクションも大切な仕事。Stapleでは特にInstagramで発信をすることが多いのですが、写真や投稿文章のトンマナがブランドによってまちまちだったり、投稿者のキャラクターが出過ぎていて(笑)同じブランドに見えなかったりといった課題もあります。個性があることは良いことなので否定はしないですが、各拠点が発信しやすい状態を作りつつも、各ブランドとしての見え方を保てるようなやり方やルール作りに着手しています。
※SOIL:Stapleが手がける、ホテル・レストラン・ショップ・ワークラウンジ (Soil work) といった場を、歩いて周ることのできるネイバーフッド内に配していくローカル複合施設
元々は空間に置く“物”選びに特化した役回りだったのですが(前回note参照「デベロッパーからアートコーディネーターへの道のり」)、今はそのこだわりをデジタル領域も含めたさまざまな媒体に憑依させ、全拠点横断で進めていくことが私のミッションかなと思っています。
拠点を俯瞰して見る、良き「監督」でありたい
これまでの仕事は各拠点の企画開発メンバーとしてOSE・ウェブ・紙物などを作って納品して、開業したら運営にバトンタッチ!みたいな流れが多かったのですが、今Stapleの中で重点的に取り組み始めたのは、スタートして3年ほど経つSOILというブランド。私が入社した頃にはすでにできていたもので、これまでの0→1を立ち上げる立場に加え、既存ブランドをどうしていくかを考える新たなチャレンジが始まりました。
たくさんの人たちが作り上げてきたものを扱うからこそ、今までよりも一層、自己満では終わらせられないという気持ちがあります。きっと瀬戸田の人たちが思っている「俺たちのSOILはこうだ」という見え方や、これから本格稼働していく長門湯本のメンバーが思っている「SOILってこういう場所」という捉え方も違うはず。それぞれのこだわりを尊重しつつ、どうやって皆が県や地域をまたいでもSOILというブランドの共通認識を持てるようにするかは、なかなか大変そうだなとは感じています。
でも同時にそれはすごく大切なプロセスだと思うし、今改めてSOILについて考えるきっかけにもなるので、私にとってももちろん、Stapleにとっても良い機会。事業拡大に伴って新しいメンバーも増えているので、皆で自分たちを見つめ直すには良いタイミングでもありますね。
私が入社したのはSOIL Setoda開業の前日。入社前に「皆に紹介するから瀬戸田に来てよ」と言われていたのですが、行ったら全員バタバタで、紹介されるはずが一緒にプライスカードを作ることになる、というなんともStapleらしい?スタートでした(笑)
写真は瀬戸田の街の人の交流拠点となっている食堂「MINATOYA」
全拠点横断でデザインの整理をしていくにあたっては、私は良き“監督”のような存在になれたら良いなと思っています。たとえば瀬戸田のメンバーから、瀬戸田のことを第一議に考えた「こんな制作物が必要なので作りたい」という要望があったとします。他方で長門湯本に似た先行事例があれば、私から瀬戸田に「長門湯本が前にこうやっていたから、それをベースにしてこう進めてみよう」と、俯瞰して采配を決めるイメージ。決して“天の声”のような感じで一方的に決めていくのではなく、拠点にフォーカスして日々頑張っているメンバーのこだわりを汲みつつ、私がいることで全体最適を見つけられるような仕組みを作っていきたいです。
「縛りすぎずに、だけど方向性は示す」というさじ加減がローカルの色を大事にしていくStapleらしいんじゃないのかなと思っています。
ネアカさとエッジーさが共存する唯一無二のブランドへ
最後に、Stapleのブランディングの先に見る、こんな未来があったら良いのでは?という(超個人的な)思いを少し。
今のStapleには、ウェブサイトの作り方やデザインからも伝わるように、すごく“ネアカ”な明るくて楽しそうなイメージがありますよね。きっと外から見ると「なんだか良い人たちが集まっていそうだし、楽しそうだから仲間になってみたい」と多くの人に感じてもらえている気がします。実際にその通りなので、それは一つの面で正解です。
一方で、私が入社した時の印象は全然違っていたんです。私はStaple(当時の社名はInsitu Japan)が手がけたK5というアウトプットを見て「何だこれ...」と衝撃を受けました。そのまま前職を辞めてStapleへの転職を決意するほど、そのインパクトは強烈で。Insitu時代はリクルーティングもしておらず、ウェブサイトのプロフィール写真は背景真っ黒みたいな、めちゃくちゃエッジーな存在でした。
K5のオープニングレセプションの様子
レセプションの来場客もさまざま。その多様性にも衝撃を受けました
そんなInsitu時代を経て、今は柔らかでオープンなイメージに変化していきているわけですが、Stapleのアウトプットへの強いこわだりは、K5の頃とまったく変わっていません。つまり、ソフトデベロッパーとして街に入り込み盛り上げていくネアカで親しみやすい一面と、強烈なアウトプットを作るエッジーな一面が同居している会社なのです。
そしてこの両者をバランス良く併せ持つプレイヤーは、実はあまり他にはいないのでは?と感じます。このことは在籍するメンバーにもぜひ意識してもらいたいところで、親しみやすく温かい一面はもちろん、もっと個性を尖らせたエッジーさも前面に出していくメンバーが増えたら、さらにStapleらしい面白さが増すのでは?と思っています。
ネアカさとエッジーさ。その一見相反する要素が共存して、関わる人の温度が1度上がるような、独自のStapleブランドがある未来を作れたら本望です。