データックでは、公衆衛生・製薬・医学の研究をされている方を対象に、定期的に採用セミナーを開催しています。今回は、2026年8月17日(月)に開催した採用セミナーのレポートをお届けします。
今回のテーマは、AIの進展によって解析者の仕事がどう変わるのかです。
代表の二宮さんからは、AI時代に求められるスキルと、これからの仕事のあり方について語られ、解析グループを率いる竹村さんからは、AIによって解析業務が効率化される中で、解析者が自身の市場価値をどう高めていくかについてお話しいただきました。その後のパネルディスカッションでは、Datackでの経験やAI時代に解析者に求められることについて議論が交わされました。
目次
①会社紹介
Datackは2018年8月の設立以来、「医学の知の創出を加速する」というミッションと、「医療の選択肢が患者に届く世界」というビジョンを掲げ、製薬企業のメディカルアフェアーズ(MA)部門を主なクライアントに、リアルワールドデータ(RWD)を用いたデータベース研究の受託支援を行ってきました。
研究戦略・データベース選択から解析、論文化までを一気通貫で支援できる体制が特徴で、「戦略を成果に繋げる提案力」「臨床とデータベース研究の架け橋」「共創するパートナー」の3つを強みに掲げています。
②データックメンバー講演(二宮)AI時代でも人に求められる役割とは
二宮さんからは、これから必要になるスキルとして「仕組みをつくる力」と「人を動かす力」の2つが挙げられました。AIが台頭してもなお、人が担う中核的な力であり続けるとの考えが示されました。
仕事の在り方についても語られました。二宮さんは、将来的な仕事の意義が2つあると考えています。1つは、「自分がやりたいことをやる」ということ。起業家という自身の立場から、やりたいと思えること、信じられることがあるからこそ取り組む、という姿勢が語られました。もう1つは、時代がどう変わるか誰にも分からない中で、今考えられる「better」なことをやっていくということ。そしてそれを、心地よい仲間とともに進めていくことが大事だ、というメッセージで締めくくられました。
③講師講演(竹村)AI時代、解析者の仕事はどう変わるのか ―
「解析する人」から「研究を設計・推進する人」へ
竹村さん(RWE事業部 Clinical Data Science グループマネージャー・博士(理学))からは、AIによって解析業務が効率化される中で、解析者が自身の市場価値をどう高めていくかについての講演が行われました。
前提として示されたのが、知識労働を「DECIDE(要件策定・計画立案)」「EXECUTE(コーディング・デバッグ)」「DELIVER(納品物への説明責任)」の3層に分解する整理です。このうちAIによって劇的に効率化されるのはEXECUTE層であり、実際、データックのPoC(概念実証)では、インターン生が最大21時間かけていたデータ前処理タスクを、AIはわずか2時間で完了させました。だからこそ、EXECUTE以外の「DECIDE」と「DELIVER」をいかに担えるかが、これからの解析者の価値を左右するといいます。
そのうえで、自分の市場価値を高めるためにできることとして2点が挙げられました。
1つ目は、専門性を磨くこと。AIは能力の増幅器であり、AIが出した成果物の品質を見極める力がなければ、その価値を引き出せません。強い領域・柱を複数持ち、「専門性×AI」の掛け算で価値を出していくことが推奨されました。
2つ目は、理解をスキップしないこと。AIにコード生成を丸投げして回答をコピペしたり、エラーメッセージだけを貼り付けて修正させたりする使い方では学びが残りません。生成されたコードを確認したうえで理解を深める質問をする、代替案やトレードオフを尋ねる、といった使い方によって、AIを学習のパートナーにすること。短期的なスピードのために、自身の成長を犠牲にしないことの重要性が語られました。
④パネルディスカッション PMとしての学び・AI活用
Datackでの経験やAI時代に解析者に求められることに関するパネルディスカッションが行われました。
二宮「プロジェクトマネージャーとしての経験を通じて、どんな学びがありましたか? また、プレイヤーとしてはどんな変化がありましたか?」
竹村「解析だけを担当していた頃、私にとってSAP(解析計画書)はできあがったものを受け取り、その通りに速く正確に実装するためのものでした。ですが、マネージャーとしてSAPの作成にも携わるようになって、SAPの中にも再解析が発生しやすい箇所と変わりにくい箇所の「濃淡」があることや、文面には現れないプロジェクトの温度感のようなものも分かるようになりました。その結果、あらかじめ変更の可能性を考慮したコードを書いて、実際に変更が発生しても大幅な書き直しが生じないように努めています」
二宮「なるほど。『仕組みをつくる』ことに関してはどんな経験をされましたか?」
竹村「SAPの品質向上への取り組みです。従来、SAPは疫学メンバーが作成して解析グループが実装するという分業体制で、認識の齟齬やミスが発生するリスクがありました。現在は疫学グループと解析グループが共同で、解析グループのメンバーもSAPを書けるようにする『SAP作成ガイド』の整備を進めています」
二宮「再現性の高いアウトプットを出せる仕組みがあることは、組織にとって本当に重要ですよね。それは当社に限らず、業界全体にとっても同じだと思います」
二宮「最後にもうひとつ伺わせてください。AIがこれだけ身近になってきたなかで、データサイエンティストは専門性を深めていくべきなのでしょうか? それとも幅を広げていくべきなのでしょうか?」
竹村「専門性を高めていくことが重要だと考えています。AIを活用してより高度なことに取り組もうとすれば、AIが出した成果物をレビューして、批判的に検証する必要が生じます。そのためには専門性が欠かせないと思います。」
⑤募集職種紹介
データックで募集している
クリニカルデータサイエンティスト 兼 プロジェクトマネージャー(正社員・業務委託・インターン) と
疫学者 兼 プロジェクトマネージャー(正社員・業務委託・インターン)
について、それぞれのグループでの魅力・取り組みが説明されました。
データックでは、今後もさまざまな情報発信をしていく予定です!
ぜひ引き続きご注目ください。