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好奇心は仕事の糧。暮らしと仕事がなめらかにつながる生き方

TOOLBOXは『日本の住空間に楽しさと豊かさをもたらす』をミッションに掲げ、それを実現するために”自分の空間を編集するための道具箱”をコンセプトとしたウェブサイト「toolbox」を運営しています。さまざまなバックボーンを持つ個性豊かなメンバーが、どのような想いで仕事と向き合い、どんな未来を描いているのかをインタビューでお届けします。

今回は、toolbox大阪ショールームスタッフの豊田(えっちゃん)にインタビュー。自分の見るものや日々の暮らしの中での経験が仕事にも使える!と毎日ネタ探しに余念がないえっちゃんは、昨年10月、大阪・中津にオープンした大阪ショールームの立ち上げ主要メンバーでもあります。これまでのキャリアや会社のこと、ショールームでの仕事やプライベートのことまで根掘り葉掘り聞いてみました。

食文化と住空間への関心からキャリアがスタート

ーTOOLBOXに入社する前は、輸入ワインを扱うお酒の専門商社で働いていたと聞いています。まったく違う畑からの転職のように見えるのですが、どういった経緯でTOOLBOXに入社したのでしょうか?

一見関係ないように見えるかもしれませんが、実は緩やかにつながっているんです。そもそもワインに興味を持ったきっかけは、語学を学んでいた学生時代にイタリアに留学したとき、イタリア人の食のスタイルや食に対するマインドに衝撃を受けたこと。イタリアの住宅のキッチンとダイニングは距離が近く、家の物理的かつ心理的な中心として存在しています。また、イタリア人にとってワインは日々の食事に欠かせないものです。イタリアの「食」を中心とした住空間やライフスタイルに憧れを抱いて、少しでもその世界に近づきたいと、新卒でワインの専門商社に就職しました。

ーイタリアの住空間のキッチンやダイニングに着目したところがキャリアのスタートなんですね。そこからワイン商社に入社して、どのような仕事をしていたんでしょうか?

営業として4年、バックオフィスで2年働きました。学生時代にワインバーでアルバイトをしていたのですが、その時に漠然と人に何かを勧めることが好きだなと感じていたんです。ワイン商社の営業はまさにその源流となる仕事で、本当に楽しくて大好きでした。

たまに店頭に立ってワインを販売することもあったのですが、たとえば1万円のワインを買って行かれるお客様が、どんな食事と合わせて、どんな環境で飲んでいるかはわからないんですよね。人にワインを勧めるうちに、ワインを飲む環境や空間があってこそのワインの美味しさだ、と考えるようになっていきました。

空間への関心が高まるにつれて「知識」が欲しくなってきて、インテリアやスペースデザインの学校に通いました。その後、ワイン商社を退職してワーキングホリデーでイギリスへ。ロンドンで携わった仕事は富裕層向けのインテリアコーディネートでしたが、やっていくうちにインテリアよりも、自分は設備とか空間のちょっとした設えの方が好きだと気づいたんです。ワーキングホリデー後は主人の仕事の都合で東京で暮らすことになり、そのタイミングでTOOLBOXに入社しました。

接客だけじゃない!ショールームスタッフの仕事

ーたしかに、食文化と住空間は密接に関わっていますよね。えっちゃんの「好き」を追求するうちに連鎖的にあたらしい領域の「好き」が生まれて、それをきっちり自分のものにしていく姿勢にはすごくバイタリティを感じます。最初からショールームのスタッフを担当していたんですか?

最初の2年間は、商品台帳を作る事務仕事やカスタマーサービス(CS)の仕事をしていました。TOOLBOXのオフィスが原宿から目白に移転したのをきっかけにショールームに異動になり、現在に至ります。原宿の頃と比べると床面積は1.5倍、展示している商品数も2倍になったショールームをチームで盛り上げていくんだ!という気持ちでの、新たなスタートでしたね。

ーCSの頃に培った知見は、ショールームでも活かされていそうです。今は具体的にどのような仕事をしているんでしょうか?

まずは、ショールームにいらしたお客様への対応ですね。家づくりには、情報収集〜施工中〜施工後といった「フェーズ」があります。たとえば、情報収集をしているお客様には商品の素材感や使い方の説明をしたり、事例写真を紹介することも。施工中の方には取り付け方法や、施工上の注意点を伝えたり。お客様が家づくりの次のフェーズにスムーズに進めるように、対話を通して背中を押してあげる、という立ち位置を大切にしています。

そして、ショールームという空間を作っていく仕事もあります。お客様に説明しやすくするための展示スペースのアイデアや、手に取ってもらいやすくするための改善・工夫を日々考えています。新商品が出たら情報収集からスタートして、ショールーム内での展開案も考えます。ときには、リニューアルのような大きな取り組みも。2022年には、目白のショールームをリニューアルして、お客様自身で素材の組み合わせの「編集」ができるスペースがパワーアップしました。

また、お客様と直接対話するからこそ得られる貴重なご意見や情報を、日報を通して社内へフィードバックすることも重要な仕事です。ショールームスタッフは、Webサービスであるtoolboxとお客様をリアルにつなぐ役割を担っています。そこにリアリティを持たせたいので、私たち自身がショールームで実際に商品と触れ合う時間や感覚も大事にしています。

中の人の雰囲気が滲み出るサービス

ーお客様対応だけでなくショールーム内の展示企画や社内へのフィードバックなど、仕事は多岐に渡りますね。多忙な日々だと思いますが、えっちゃんが仕事のやりがいや喜びを感じる瞬間はどんなときですか?

「言葉にできないし、ビジュアルで見せられない、でも好きなものがある」みたいなお客様がいらっしゃることもあります。そういうときに、私自身の引き出しの中から提案をして「本当の意味でtoolboxと出会ってもらう瞬間」に立ち会えるときが好きです。結果、言語化がなめらかになるし、次のフェーズに進んでもらうこともできます。また、「お客さんからこれを使いたいと言われてるけど、この商品って大丈夫?」と不安そうなプロユーザーの方に対して、しっかり説明をして納得して帰っていただけた瞬間も、ガッツポーズですね。toolboxは中の人の雰囲気が滲み出てしまっているウェブサービスだと思うんです。そのオフライン版をショールームでやっている感覚で、日々お客様と向き合っています。

ーショールームスタッフといえば、toolboxのインスタライブにもよく出演しているイメージがあります。インスタグラムはそろそろ10万人に届きそうな大きなアカウントに成長していてファン層の拡大を感じますが、ショールームでも客層に広がりを感じますか?

以前は知る人ぞ知る...というイメージがあったかもしれませんが、最近は客層に広がりが出たと感じています。TOOLBOXは建材の販売や空間づくりを事業としている会社ですが、根底には、「自分の空間を自分で編集して、自分らしい住まいを手に入れられる世界」をつくりたいという想いがあります。家づくりのイメージが固まらずにショールームを訪れるお客様には、TOOLBOXがどういう会社なのか、というところから説明することもありますよ。私たちの持っている課題意識や培ってきたカルチャーから丁寧に伝えることで、理解してちゃんとファンになってくれる人もいます。ショールームでの対話を通して、お客様自身が商品を自分で選び取る楽しさと、それに付随する責任感を持っていただくことを醸成していきたいと思っています。

仕事とプライベートを分けない「循環の良さ」

ー今は、昨年10月にオープンした大阪ショールームに勤務していますが、東京と大阪どちらも知っているえっちゃんから見て、客層や売れ筋商品の違いなどはありますか?

関西は戸建てが多かったり、移住先が瀬戸内海の島だったりするので、そもそもの「物件の違い」をすごく感じますね。東京と比べると、島の職人さんや地方の職人さんに対して、お施主様が商品を支給するパターンが多いです。実は、地方の職人さんのほうが「なんでもつけてやるぜ!」みたいな心意気があって、頼りがいがあるかもしれません。DIYやセルフビルドに挑戦している人も多いイメージです。

売れ筋も違いますよ。たとえばタイル。東京はニュートラルカラーを選ぶ方が多いですが、大阪ではアクセントカラーが人気で、ブルーとかグリーンのカラータイルのサンプルを持って帰る人が多いです。京都はダークグレー系のシックな感じが人気だったり。ショールームのスペースが東京の半分くらいなので、お客様との距離感は近いですね。必ずフロントを通って中に入っていただくので、コミュニケーションは取りやすいと思います。

ータイルの色選びに地域性が見え隠れする感じは面白いです。えっちゃんが仕事をする上で大事にしていることや、マイルールはありますか?

日々の、真似してみる、やってみるが仕事の糧になると思っています。語学を学んできた自分にとってはまったくハードルのないことで、シャドーイングのように真似してインストールすることや、あの子の喋ってるイタリア語が好きだから真似する、みたいな感覚は普通のこと。いつでも、良いなと思ったら調べるし、いいよと言われたらやる、という感覚でいます。結果的にそれが仕事に活かされることはわかっていますし、仕事とプライベートは分けなくていいと思っているから、循環が良いんだろうなと思います。

ひとりではできないことを仲間と叶えていきたい

ー仕事とプライベートがなめらかにつながっているスタッフは多そうですね。スタッフ同士も好きなものやお勧めのものを共有し合っていて、仲が良い印象があります。

日常的にも仲は良いのですが、たとえば出産・育児とか介護とか、働いて生きていると「どうしようもないタイミング」というのがあると思うんです。そういうとき、みんなが柔軟に「考えよっか、なんとかなるよね」と向き合ってくれる環境なのはすごく良いところだと思います。もちろん、言いたいことやわかりきれないことはある。でも、こちらの心の奥のごめんなさいがちゃんと通じるし、人の弱いところをちゃんと受け入れられる。一緒に働く仲間に恵まれていると感じます。

また、スタッフからの影響で「足るを知る」を実感しています。なくて困らないものは選ばない。あれば嬉しいものは積極的に選ぶ。その時の自分に合わせて必要なものはなに?と選び取って生きていく姿勢は、みんなから学びました。

ーこれから仕事を通して実現したいことや、目下の目標があれば教えてください。

2023年の大阪ショールームの立ち上げなど、自分自身のやりたいことを実現できていると感じます。toolboxのショールームが、家づくりの業界においてさらなる原動力が生まれる場になっていったら嬉しいです。今後も、ひとりではできないことをtoolboxの仲間、グループ会社の仲間と叶えていきたいですね。

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