陶器のラック | toolbox
熱に強く掃除もしやすい、陶器でできたラックです。キッチンのスパイスラックや水回りの小物置き場として重宝します。
https://www.r-toolbox.jp/stories/productstory/1556/
TOOLBOXは『日本の住空間に楽しさと豊かさをもたらす』をミッションに掲げ、それを実現するために”自分の空間を編集するための道具箱”をコンセプトとしたウェブサイト「toolbox」を運営しています。さまざまなバックボーンを持つ個性豊かなメンバーが、どのような想いで仕事と向き合い、どんな未来を描いているのかをインタビュー形式でお届けします。
今回は、toolboxの商品ラインナップの心臓部とも言える、商品開発(MD)チームの山下にインタビュー。事例写真にもよく登場する「クラシックリブパネル」や「スクールシンク」などの人気商品を生み出してきた彼女に、これまでのキャリアや商品開発の仕事のこと、商品づくりのモチベーションやプライベートなことまで聞いてみました。
ー 今、入社して8年目と聞きましたが、入社のきっかけはtoolboxのMDメンバーからの声掛けだったそうですね。入社するまではどのような仕事に携わっていましたか?
20代前半は、オーダー家具を扱う会社や老舗の設計事務所で家具、住宅・商業施設の設計に携わっていました。学びが多い職場でしたが、とにかく激務で体調を崩してしまって。TOOLBOXに入社する直前の3年間は、派遣社員として主にCADを描く仕事をしていました。
その間は、本当に色々な事業に携わりました。大規模商業施設の内装やハイブランドの店舗のデザインを手がけるデザインスタジオでは、商業施設の環境設計に関わりましたし、大手ゼネコンではリニアモーターカーの開発用に山を掘るためのトンネルの設計CGを描いていたこともあります。その後、派遣社員としてオーダーキッチンの会社で図面を描いているときに、今、TOOLBOXの商品開発(以下MD)チームで一緒に働いているスタッフたちと出会いました。
ー オーダー家具メーカーや設計事務所だけでなく、商業施設の環境設計やトンネルの設計にも関わっていたのは、思いがけないキャリアです。TOOLBOXで改めて社員として働こうと思った理由は何だったのでしょうか?
声をかけられたときは、ちょうど産休に入る前のタイミングでした。実は当時、産後は派遣に戻ろうと思っていたんです。建築・設計の業界はやりがいがある反面、激務で労働時間も長くて…派遣なら、そこまで気負わずに仕事ができて、子育てもしやすそうだと考えていました。
そんな折に、MDチームの椎野さんに声をかけてもらって話を聞いてみたら、TOOLBOXで働く人たちのなかには産後のお姉さんたちもたくさん居て、イキイキと子育てと仕事を両立しているように感じました。ここでなら、社員として責任を持って働きながら、子どもともしっかり向き合えるような気がしたんです。
ー そもそも、設計の世界で仕事をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
内装や建築の世界に関心をもった理由は、親が内装設計の仕事をしていたからだと思います。天井にシーリングライトがない家で育ち、照明といえばフロアスタンドと、あってもせいぜいブラケットライト。子どもの頃、友人の家に遊びに行ったりすると、一般的な家の機能的なところが良く見えたりもしました。私の家は見た目だけで、機能は置き去りだったりもしたので…。
でも、大人になるにつれ、この家で育って良かったなと思えたんです。居心地のよさもそうですが、家を形づくる色々なものを長く愛せること、自分が自分として特別だと思える空間で暮らせることって、素直に良いと思います。
TOOLBOXでの最初の仕事は、オリジナルのキッチンをつくるプロジェクトでした。今でこそ主力商品になっているオリジナル商品ですが、当時はまだセレクト商品がメインだった頃で、商品開発のノウハウもベースもゼロという状態。そんな環境のなか、任された最初の仕事がオリジナルキッチン開発なんて、今思えば考えられないですよね。それでも手探りで進めていくうちに、自分なりの「商品開発の進め方」が見えてきたように思います。
今はPRやマーケティングのチームと一緒に完成した商品の見せ方・売り方を考えていますが、当時はそれも一人でやっていました。先輩たちにアドバイスをもらいながら、完成した商品の写真を自分で撮影してプロダクトストーリーを書いて…と探り探りです。
コロナ禍の苦い経験から得たものもあります。メーカーの工場の多くが中国にあったので商品開発が止まり、完成した商品の撮影すらできない。そんななか、なんとか商品を世に出したいという思いから、社内で撮影をしたり自宅で撮影したりするうちに、スタイリングや見せ方、伝え方も考えられるようになりました。
些細なことでも、一度携わったものはできるだけ汎用的なかたちに落とし込んで、自分以外のスタッフでも対応できる環境をつくるようにしています。入社当初のゼロベース時代からの苦労や経験を無駄にしないように意識しているのかもしれません。笑
ー 入社後にゼロからやってきたことが知見として蓄積されていき、結果的に「toolboxの商品開発」のフォーマットになっていったんですね。今は、何が商品開発のモチベーションになってますか?新しいものを生み出し続けるのは苦しそうなイメージもあります。
今のところ商品アイデアが出ない、という枯渇感はないんです。逆に、まだまだ作らなきゃいけない商品がたくさんある!と感じることの方が多くて。
プロダクトベースではなく空間ベースで企画を考えることが多いですが、そこにはもともと空間設計に携わっていた頃の経験が生かされているかもしれません。こういう空間を作りたいけどそれを実現できるプロダクトがない、ということはよくありましたし、思い通りにならず苦労もしてきました。
今も、自分が行った場所や見たもの、体験をベースに「良かったけど、探しても見つからない!」というものをつくることは多いですね。でも、自分がオリジナル製品として生み出さなくてもそれに匹敵するものをセレクトできればそれで良いとも思っています。ストアの品揃えのなかに、そういうものがあることが大事なので。
ー マーケットに求められているものをつくるのではなく、自身の感覚を頼りに商品づくりを進めるには、社内で乗り越えなければならないハードルがたくさんありそうです。商品開発スタッフにはどういう人が向いていると思いますか?
強い意志がある人が向いていると思いますね。執念とか執着、ある種の思い込みのようなものがある人。熱量高く作りたいものを説き続けたら、社内にその熱が派生していって納得してもらえることもあります。もちろん、競合調査や市場調査など、説得するための努力は必要ですが、それをやりきる源流になるのは強い意志です。
あとは、忍耐力も必要です。TOOLBOXでは議論を重ねながら商品開発を進めていくので、プロダクトが世に出るまで他のメーカーより長くかかることが多いです。1〜2年かかることもありますね。
ー 具体的な仕事内容で、特に好きなプロセスややりがいを感じる瞬間はありますか?
好きだし得意なのは、自分の好きなものを見つけて、商品を設計すること。製品化するために図面を書いて職人さんとどうやってつくるかを考える時や、試作品を作りながら職人さんとプロダクト談義で盛り上がるときが一番楽しいです。プロの職人さんが自分の話をわかってくれて、物が形になっていく時にテンションが上がります。
一方で苦手なのは、自分の作りたいものを言語化して伝えること。この形にしたいとか、こういうことをしたい、というイメージは頭の中にありますが、それを相手に伝わる言葉に変換するのが苦手です。特に、企画のスタートが空間にある場合は、空間におけるそのプロダクトの存在意義をベースに実際のモノに落とし込んで説明していく必要があるので難しいです。でもその先に設計して作るプロセスがあるから、頑張れるという感じですね。
ー 今まで作ってきた商品を振り返って思うことや、これから作りたい商品、挑戦したいことはありますか?
ときには作ってみたけど売れなかった、という商品もありますが、そういうときは「まだ、時代が追いついてないんだな!」と前向きに解釈しています。作ってから数年後に「今、売れるの!?」みたいな瞬間もあるし、もともとそんなに売れないと思って作ったものが、人気商品になったりもする。そういうマーケットのゆらぎや思いがけないニーズの変化も、家づくりの多様化から生まれるものだとポジティブに捉えています。
会社としては、ビジョン・ミッションを掲げ、新規事業を立ち上げ…色々なことに挑戦していますが、私にできることは、私が良いと思うものを出し続けること。それが増えていけば、会社が目指している世界に近づいていくと思っています。
人それぞれに楽しみや推しみたいなものがありますよね。今は、家がそういうもののひとつになると良いなぁと考えながら商品を作っています。お菓子が好きな人にとって、新商品の美味しそうなお菓子が楽しみになるように。そして、その想いを叶えるような仕事というのは、TOOLBOXじゃないとできない。普通のハウスメーカーではできない仕事だと思います。
現在、toolboxの商品開発スタッフほかを募集しています。
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