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向き合った子どもの数、30年で10,000人。コペルプラス代表講師が、発達支援に込める想いとは?

みなさま、こんにちは! 株式会社コペルに広報担当として入社した那須と申します。今後、コペルに関わる魅力的な方々のインタビューストーリーをお届けしていくので、よろしくお願いいたします。

今回話を伺ったのは、2017年に1号教室を立ち上げ、今は全国に約400教室を展開する、発達支援スクール「コペルプラス」の代表講師:有元 真紀(ありもと まき)先生です。創業期からコペルに携わり、10,000人を超える子どもたちを指導してきた有元先生に、「幼児教育に関わったきっかけ」「コペルプラス立ち上げの経緯」「コペル講師の仕事の魅力」などを質問してみました。

有元 真紀(ありもと まき):発達支援スクール「コペルプラス」代表講師。大学で教員免許を取得後、幼児教室「コペル」開設時にコペルに就業。30年間で10,000人の子どもに講師として向き合ってきた。2017年「コペルプラス」立ち上げに従事。代表講師として教育プログラム作成・後進の育成にあたるほか、保護者向けの講演やコラム執筆などを通して、コペルプラスの療育を世の中へ届けている。講師として大切にする言葉:「子どもと一緒につくる、1回1回のレッスンは宝物!」

#元々は「英語の先生」志望だった有元先生。コペルとの出会いを教えていただけますか?

はじめまして、コペルプラスの有元です。私は母親が教師だったことで、幼い頃から「先生という仕事」が常に身近にありました。親が教育熱心で、幼少期は自分で言うのも何ですが「絵に描いたようなお利口さん」な子どもでした。絵を描く、本を読むなど集中力を発揮する遊びを好んでいたようです。ただ、怖がりでしたし、身体を動かすことは得意ではありませんでした。振り返ると、前庭覚という「身体の重力や揺れ、スピードなどを感じる感覚」が未発達だったのかもしれません。

日常の困りごとは感覚特性から来るのかも? - 食事、睡眠、集団生活の困りごとを理解する
子どもたちが日常生活の中で直面するさまざまな困難や苦手なこと。 それらは単に「好き嫌い」や「性格」に起因するものではなく、「感覚特性」と深く関係しているかもしれません。 特に感覚処理の困難を抱える子どもたちは、日々の食事、睡眠、集団生活などにおいて、見えない壁にぶつかっています。 今回は、感覚特性がどのように日常の困りごとに影響を与えるのか、そしてそれにどう対応すれば良いのかを考察します。 ...
https://copelplus.copel.co.jp/column/2403_21/

いつか母のように「先生」を仕事にしたいと思い、学生時代は英語を専攻し、教員免許を取得しました。コペルに応募したきっかけも、はじめは「子どもたちに英語を教えられたらいいな」という動機だったんです。福岡でひとつめの教室を立ち上げる頃で、当時は英語の先生を募集していたんですね。

いざ講師として働き始めると、日に日に子どもたちの可愛らしさや、コペルメソッドに惹かれていきました。子どもたちは1、2歳児でも驚くほど好奇心旺盛で「知りたい、学びたい」という意欲に満ち溢れています。レッスンを通して子どもの自己肯定感や意欲が育まれ、日々成長していく姿を見ることがやりがいでした。


#大学卒業後に飛び込んだ、創業期のコぺル。当時の経験やターニングポイントを教えてください。

一つ目の教室では講師としての仕事のほか、幼児教室「コペル」代表講師の大坪可奈先生とともに、生徒募集や体験レッスンの対応、保護者様へのアフターフォロー等々、教室運営に携わりました。入社して1年後には2教室目の立ち上げを任されることに。

当時を振り返り、最も印象に残っているのは「初めてのレッスン」です。当時の私は22、23歳。当然、保護者様のほうが年上ですし、幼児教育に対する知識や人生経験も豊富なわけです。初めて親子同室のレッスン室に入った瞬間、「私はこの場を任されたんだ。真剣にレッスンするしかない」と腹を括ったことを覚えています。

講師になって約半年後、保護者の方に「先生、レッスンがとても上手になりましたね。子どもも毎回、心から楽しんでいますよ」と声をかけていただけた時の嬉しさは、いまも私の原動力になっていますね。


#一度コペルを離れ、子育てを経て発達支援に携わるように。離れて分かったことはありますか?

コペルでの仕事にはやりがいと喜びがあり、責任のある立場で働いておりましたが、夫の仕事の都合で上京するタイミングで、一度退職しました。当時「コペルメソッドを実践して、子育てに集中してみたい」と考えた背景もあります。

ただ、いざ自分の子育てとなると難しく、はじめは「さすが先生と言われる子育てをしなくては!」と、肩に力が入っていました。そのうちに「上手な子育て、完璧な子育てを目指すものではない」と悟ったことで、子どもとの接し方や距離感も自然と掴めるように。子育てをしたことで、復帰後はより、保護者様に寄り添えるようになった気がします。

育児に2年間専念した後「やはり子どもと関わる講師をしたい」と、民間の発達支援事業所で働くように。働いてみて実感したのが「これ(児童発達支援)を、コペルで行いたい」という想いだったんです。


#「発達支援をコペルで行いたい」タイミングと、大坪代表が「コペルプラスを立ち上げたい」タイミングが重なったのですね!

はい、実はコペルの講師時代に障害のあるお子さんのコースを担当した時から、発達支援の社会的な意義ややりがいを感じていました。ただ、当時は受け入れが一対一で、関われるお子さんの数に限界があったんです。

そのような経緯で発達支援事業所で働いたものの、コペルでの経験から「たくさんの教材や課題を使って子どもたちを飽きさせずに、好奇心や発達を促す」療育レッスンを行いたい気持ちが日に日に大きくなりました。

もちろん、保育士や理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)といった専門職の方々が、お子さんの苦手とすることの克服に丁寧に取り組むことにも、大きな意義があると思います。それプラス、コペルの療育があったらより良いんじゃないか、と感じていました。当時から私の療育レッスンでは1時間で10~20の課題を扱っており「先生の療育は、随分と課題や教材が多いですね!」と言われていました。

とはいえ、教材開発も療育も一人に出来ることには限界があります。そこでコペルに戻りたいと考えていた頃に、ちょうど大坪代表が、発達支援スクール「コペルプラス」立ち上げの準備をしていると伺い、これはまたとない機会だと復帰を決意。復帰後は、幼児教室「コペル」のメソッドを土台とした、コペルプラス独自のプログラム構築に力を注ぎました。


#発達支援スクール「コペルプラス」は、幼児教室「コペル」とどこが異なるのでしょうか?

「子どもの自己肯定感を育む」「IQ(知性)だけでなく、EQ(心の知性)やSQ(社会的知性)といった人間性を育む」「年間2,000種類にのぼる教材を用いて、子どもたちの瞳が輝くレッスンを行う」といったベースは、幼児教室「コペル」で培われたメソッドを土台にしています。これをベースに、発達に偏りのあるお子さんに応じた形にカスタマイズしています。

児童発達支援スクール - コペルプラス | 発達障害/自閉症/ADHD/発達や言葉の遅れが気になる子供の療育/幼児教室を東京含む全国で展開
言葉をうまくつなげたり相手に伝わる話し方が難しかったけれど、今ではだいぶ言葉の選び方が上手になりました。 コペルで学んだ数字のおかげで数えることもできるようになり、文字のつなげ方も相手が身内でなくても伝わるようになり、本人もそれが嬉しいのかたくさんお話をするようになりました。 通常学級へ進むことになりましたが、コペルのように楽しみながら成長を助けられたらなと思っています。 ありがとうございました。
https://copelplus.copel.co.jp/

またコペルプラスでは幼児教室では行わない、発達の特性に合わせたプログラムを実施しています。例えば幼児期後半の習得が望ましい、二人以上の人が意識的に同じ対象に興味関心を向ける「共同注意」という能力があります。社会的・言語的発達の基盤となるこのスキルを育むために、レッスンの中に仕掛けや工夫を施し、アイコンタクトと指差しによる「面白い、楽しい!」という気持ちや体験を共有することで、子どもたちの発達を促進するといった内容を取り入れています。

共同注意とは? - アイコンタクトや指さしと発達の関連性について
共同注意は、子どもの社会的発達において基礎的なスキルの一つです。 これには、アイコンタクト、指さし、その他の非言語的なコミュニケーションが含まれ、子どもが周囲の人たちと意味のあるやり取りをおこなう上で重要な役割を果たします。 今回は、共同注意とは何か、それが子どもの発達にどのように関係しているか、そして共同注意のスキルをどのように促進するかについて掘り下げます。 ...
https://copelplus.copel.co.jp/column/2405_17/#:~:text=%E3%80%90%E5%85%B1%E5%90%8C%E6%B3%A8%E6%84%8F%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%91,%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%82%89%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

コペル全体では、定型的な発達をしている子ども(幼児教室「コペル」)も、発達にでこぼこのある子ども(発達支援スクール「コペルプラス」)も共通で、幼少期から自己肯定感を育み、得意なこと・関心のあることを最大限に伸ばすレッスンを心掛けています。


#10,000人の子どもと接してきた先生が感じる、「子どもの可能性」とは何でしょうか?

私は、子どものもつ素晴らしさ・可能性のひとつが「好奇心に溢れ、物事を面白いと感じられる機会や量がとても多いこと」だと感じています。大人になると、素直に楽しい感情を出したり、面白がれる機会が少なくなりますが、子どもたちは素直でとても愛らしいですよね。青い色が大好きな3歳の双子の生徒さんがいて、「何歳ですか?」と聞いたら、「青の3さい!」と声を揃えて元気いっぱいに答えてくれて、顔を見合わせて思い切り笑顔になったり。そんな、ささいなことでも全身で楽しめる、周りを幸せにできる、実は子どもって「人生の達人」なんじゃないかな、と思います。

また、すぐ行動しなくとも「しっかりレッスンをキャッチしているんだな」と、気付かされることも多々あります。療育では文字に興味を示さなかったお子さんが、自宅で文字のようなものを沢山の紙に書いて、そっとゴミ箱の奥に捨てていたり。おそらく、まだきちんと書けずに恥ずかしい、でも書いてみたい、という気持ちが行動にあらわれたのでしょう。

これまで多くのお子さんと接してきて、「何かをやる、できる時期は子ども本人が決める」のだと実感しました。私たち講師にできるのは、その時に備えて日々お子さまや保護者様と向き合い続けることだと感じています。


#コペルプラスの療育レッスンを実行するうえで、講師として最も大切なことは何でしょうか?

「一回一回のレッスンはある意味作品のような物であり、レッスンをつくるのは先生の責任」だという意識を持つことです。お子さんは日々成長していきますし、同じレッスンは二度とありません。「どう受け取られるか?」はコントロールできないので、そちらに気を取られすぎず「いかに自分が学びを届けていくか?」に注力して、レッスンに向き合うことが大事だと思っています。

コペル・コペルプラスのレッスンは扱う課題や教材数も多く、実践は簡単ではないかもしれませんが、講師として入社される方向けに研修期間を設けています。研修期間中は、座学研修や模擬レッスンの練習、先輩講師からのフィードバックなど、講師認定試験に向けた様々なサポートを用意しています。

私たちは「子どもたちにとって大きな意味のある、人間性を育む教育・療育」を志して、30年間コペルメソッドを提供してきました。講師としてのパフォーマンス力を磨き、子どもたちへの対応力を高めることは、自分自身の今後の人生の糧にも必ずなると思います。知識や経験以上に「子どもたちの可能性を育む教育・療育を行いたい」という想いがある方に向いている仕事だと思いますので、意欲・関心のある方々とともにコペルプラスの療育を世の中に広めていけることを、楽しみにしています。


【編集後記】

コペル創業期から講師として延べ10,000人の子どもたちと向き合い、現在は発達支援スクール「コペルプラス」代表講師を務める有元先生。「講師は30年間行っても毎回新しい発見がある、奥深い仕事です!」という言葉が印象的でした。

保護者様へは「たとえ大変であっても、今というかけがえない時間を大切に、子育てを楽しみ味わっていただきたい」というメッセージをいただきました。現場の先生はもちろん、コペル・コペルプラスの運営を支える本部スタッフも募集中。有元先生のお話や発達支援事業に関心を持たれた方は、ぜひ話を聞きにいらしてください!

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