こんにちは!医療AI推進機構、通称MAPIです。
MAPIでは、「医療AIが溢れる世界を創る」というミッションを掲げ、医療データの利活用を促進し、患者さん一人ひとりに最良のケアが行き渡る未来に向けて様々な分野で取り組みを行っています!
そんなMAPIの中では、どのようなメンバーが、どのような思いで働いているのか。
少しでもイメージを持っていただくために、メンバーにインタビューをしていきます!
【プロフィール】
植田 大樹/Director
大阪公立大学大学院医学研究科人工知能学の准教授で学術担当。臨床医として画像診断、研究医としてAIが専門。国内外の大学、企業との医療AIプロジェクトで、アカデミア側のカウンターパートとして従事。
目次
医療AIの未来のために、やらなければいけないこと
研究者として取り組むこと
ビジネスの視点を持つことでの変化
データの利活用が「より良い医療」につながる
医療AIの未来のために、やらなければいけないこと
島原さんとは、彼が立ち上げたエルピクセルと共同開発をしていたので以前から面識がありました。
MAPIについて、最初は「どうやら新しい取り組みを始めたらしい」という話を聞いていたくらいでしたが、ちょうどその頃、2023年度のRSNA(シカゴで開催される世界的な放射線学会)が控えていて、島原さんや川邊さんも参加されるということになって。
同じ場所に集まるなら食事でも、という話になり、この機会がMAPIについてきちんと知るきっかけでした。
話を聞いていくうちに、自分がアカデミアで長年感じていた課題と深く重なっていることに気づいたんです。
むしろ、これまで誰かがやるべきだと感じながら、なかなか手がつけられてこなかった領域で、自分自身も「いずれは関わらなければいけない」と思っていたテーマでもありました。
そうした背景があったからこそ、このタイミングでぜひ一緒に取り組ませてほしいと自然に気持ちが動きました。
医療AIの研究を進めていくには、膨大な医療データを扱うことが不可欠です。そしてその中には多くの個人情報が含まれるため、データの扱いには極めて慎重な対応が求められます。実際、ここ数年で規制や社会的な要請も厳しさを増していて、この状況が続けば、研究活動そのものが制約されてしまう可能性すらあります。だからこそ、安全かつ安定的に医療データを活用できる仕組みを確立することは、医療AIの未来にとっても、研究者にとっても極めて重要な取り組みだと感じています。
研究者として取り組むこと
MAPIの中では、主に学術領域を担当しています。
現在の取り組みで言うと、医療データの匿名化技術に関する研究開発が中心です。
法的な整理や行政とのやりとりも含めて、多方面での調整が求められるような領域となります。
医療AIを実装していくうえで、データをどう安全に扱うかという点は避けて通れません。
研究活動全般に言えることかもしれませんが、仮説を立てて検証し、また修正して…というサイクルの繰り返しになるため、トライアンドエラーも多くなりますが、それ自体におもしろさも感じています。
いま取り組んでいるのは匿名化そのものですが、今後は「その匿名化が本当に成立しているのか」を検証する仕組みも求められるはずです。
さらに、匿名化に限らず、臨床の現場で実際に使える医療AIの開発や、すでに市場に出ているプロダクトの調査なども進めています。
同じように医師として研究に関わっているメンバーや、医療AIを専門にするエンジニアと協力しながら、一つひとつの課題に向き合っています。
ビジネスの視点を持つことでの変化
これまでも、共同研究のような形でベンチャー企業に関わった経験はありましたが、自分が企業の一員として日常的に動くようになったのは、MAPIが初めてです。
関わり始めてからの期間はまだ長くないものの、すでに得られたことは非常に多く、すべてが学びと言っても大げさではありません。
たとえば、日々の業務の進め方ひとつとっても大きな学びがあります。
資料やミーティングの情報をGoogle Workspaceで一元管理する体制に切り替えたり、会議の前には各自が議題を持ち寄るルールを設け、特に話すことがなければミーティング自体をスキップする、といった効率的な進め方が自然に組み込まれている。
こうした仕組みは、自分の研究室にもどんどん取り入れるようにしていて、その結果、研究室の運営自体もずいぶんスムーズになったと感じています。
大学にいると、どうしても研究や教育など「現場」中心の視点になりがちです。
でもMAPIという組織の中に入ったことで、医療現場だけでなく、取締役の視点、行政との関係、さらには株主が求めるものなど、いろいろなレイヤーと接点を持てるようになりました。
組織としてどう意思決定をしていくか、そのプロセスに触れる機会も多く、学ぶことばかりです。
ベンチャーに対するイメージも、いい意味で変わってきたように思います。
企業に入って働く研究者は、まだ決して多くはありません。
でも、もっと増えていってほしいとも感じています。
私自身、大学の研究者として働きながら、一部のリソースで副業が推奨される環境でもあります。興味がある研究者は、いきなりフルコミットでなくても、まずはできる範囲から関わってみることがひとつの選択肢になると思います。
データの利活用が「より良い医療」につながる
MAPIの研究開発を推進することで、組織全体にポジティブな連鎖を生み出したいと考えています。私たちが目指すのは、医療データが豊富に流通する社会。それが実現すれば、研究者が取り組めるテーマも格段に広がり、AIの開発もどんどん加速していくでしょう。
最終的に、そうした技術が患者さんの健康につながるのであれば、医師としてこれほど望ましいことはありません。
ただ、日本の医療AI研究は、まだ世界に遅れをとっているのが現状です。
その背景には、やはり医療データを使うためのハードルの高さがあります。
だからこそ、研究者がもっと自由に研究を進められる未来をつくるために、私たちはこの分野でスピード感を持って動いていく必要があると感じています。
いかがでしょうか?
少しでも組織やメンバーについて、イメージを持っていただけたら嬉しいです。
興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽に「話を聞きにいきたい」ボタンからご連絡ください!