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Web制作に従事する職種の中で、一番ニーズが高まっているのがWebディレクターです。AIやノーコードで制作者が必要とされなくなっても監督をする役目は最後までなくなることはありませんし、むしろテクノロジーやデバイス環境が進化していくにつれて重要視されていることが近年のニーズの高まりの要因でもあります。今回はそんなWebディレクターという職種のキャリアプランついて、20年近くもの間4社でWebディレクターを務めてきた中川博志に話を聞いてみました。
Web制作経験とディレクションの二足のわらじが自分の強み
ーー中川さんは、インフォバーンに入社されたのが2014年でしたね。転職4社目ということで入社当時から即戦力で活躍されてきたと思いますが、改めてWebディレクターとしてどのような道を歩まれてきたのか教えてもらえますか?
中川:じゃあ本当に最初の最初から…。僕が20歳前後のころ、まだインターネットって今よりも見た目や技術がすごくはなかったですけど、その世界が面白いと思っていました。当時は趣味的にやってたサイトづくりぐらいで職歴は未経験でしたが、ポートフォリオを見てもらって出版社の事業部でWeb制作要員として採用してもらいました。
当時はそんなに経験者もいないから未経験での採用って当たり前で、しかも誰も教えてくれなくて自分で調べてWebサイトを作っていました。マークアップのための専用ソフトなんかも当然使っていなくて、いわゆる「手打ち」。当時はCSSレイアウトも主流ではなくて、テーブルタグを使ってテキストエディタにいろんなコードを書いていってました。その仕事の流れで、デザイナーさんや代理店の方と調整するディレクション業務を少しずつ任されるようになりましたね。
ーー当時はWeb制作って分業されてませんでしたね。デザイナーさんがコーディングすることも当たり前でしたし、Webディレクターって職種も確立してなかった。
中川:はい、部署じたいも10人~20人ぐらいの小規模でした。当時流行していたFLASHやデザインにも少しづつ手を広げて。そんな経歴だったので、2社目は代理店系列の制作会社で、アシスタントではありましたがWebディレクターで採用してもらって職種が少し変化しました。ナショナルクライアントも多くてECサイトなど制作物の種類が多様化していろんな経験を積みました。そんななかで「Webサイトを作れる知識や技術があって、さらにディレクションもできる」のが自分の強みになるなと自覚しましたね。
ーーやっぱり制作物の細かいところがわかるWebディレクターだと、デザイナーさんやエンジニアさんとの意思疎通がスピーディになるし、具体的に進められるのでいいものに仕上がりますよね。
中川:そうですね。そこは今でも自分のキャリアの軸になっているなと感じます。3社目は2社目の上司が立ち上げた会社に行ったので延長線上みたいな感じでしたけど、そこでもやっぱりもっともっと自分の領域を広げたいなと思っていましたので、Webディレクターとマークアップエンジニアの兼任という状態は積極的に続けていましたね。
ーーさらに幅を広げようとしたわけですね。
中川:Webディレクターをやったからこそ実感したのは、作る役割とはまた違うやりがいがあるんだなということでした。マークアップエンジニアを始めた頃は、パズルを組み立てるような感じがシンプルに好きだったんですが、Webディレクターだと少し立ち位置が異なりましたね。何かを作るプロジェクト自体を自分が動かすことにやりがいを感じました。
ただ、折衝や交渉といった、Webディレクターの仕事のなかでも重要な部分は当初はかなり苦労しましたね。最初から軽々とできたわけではないです。
ーーその苦手意識を克服できた理由とか、やりがいってどこにあったのでしょう?
中川:「視点が変わってくるな」と実感したことですね。マークアップエンジニアの視点だけだとわからなかったことが、クライアントの立場も理解できると分かってくる。それと自分で作っている役割の時よりも、Webサイトの規模が大きくなったりいろんなことにチャレンジできると思ったことが励みになりました。自分の幅が広がっていくのを日々感じていました。
4社目のインフォバーンは、「新しい世界」
ーーそれら3社を経てインフォバーンに入社されたわけですが、どんなことを期待していたのでしょう?
中川:前職が、いい意味で「なんでもやる」スタンスの会社だったこともあり、特化した強みを持ったところで働いてみたいと感じていました。そんななか知り合いも所属していたインフォバーンから転職サイトでスカウトされたのがきっかけです。インフォバーンはオウンドメディアの構築運営に関して強みがあったので、自分の強みとして増やせそうな気がしました。それから前職より少し規模も大きかったですし、相談できるWebディレクターが多くて頼もしそうだなとも感じていました。
ーー実際入ってみてどうですか? ここは正直にどうぞ‼(笑)
中川:ノウハウや仕組みがかっちり決まってるのかと思ったら違いました(笑) まあインフォバーンもオウンドメディアやコンテンツという強みはあっても、前職と同じようにジャンルや業界を定めてないし、クライアントさんのご要望や状況によって変わりますしね。あとコンテンツディレクターの方は編集者のキャリアを持つ方が多いですが、Webのリテラシーが人によって違ったりカルチャーの違いもあったりして最初はびっくりしました。
ーーポジティブに捉えると、異文化のるつぼですよね。だから良い化学反応も期待できる面もあるかと思いますが。
中川:そうですね、そんな新しい世界を知ることで自分自身の経験値も上がりましたし、コンテンツづくりに強みや軸がある人と協力していくことができるので、頼もしいです。あとインターネット広告やイベントのディレクションなどにもどんどん仕事が広がっていくので飽きる暇がないです(笑)
ーーあとはインフォバーンの中でもあまりない業務ですが、1年間クライアントのオフィスに常駐されることもありましたね。
中川:はい、でもやっぱり最初は戸惑いましたよ(笑)インフォバーン社内では本当にめずらしいことでしたが、今振り返ってみるとその任務が自分に回ってきて良かったなと思います。クライアントの皆さんがすごく好意的に受け入れてくれて、普段だったら参加できない会議や情報共有の場にどんどん招いてくれたので視野が広がりました。クライアントの予算や都合などもふまえてどうプロジェクトを推進するべきかがはっきり見えてきたんです。その時にこれが、クライアントが求めている「寄り添ってくれるパートナーのあり方」なんだなと分かりましたね。実りの多い1年でした。
インフォバーンは「最高の体験」を作ろうとするから、キャリアをどこまでも拡張していける
ーーオウンドメディアをはじめキャンペーンやイベントなど、いろんな仕事があるインフォバーンですが、大きな案件が多くて「チームで仕事をしていく」のも特徴です。先ほど「相談できるWebディレクターがいそう」という期待を持たれていたともうかがいましたが、同僚に関してはどのように感じていらっしゃいますか?
中川:一口には言えないのですが、いろんな人がいますね。出自やキャリア、得意領域もそうですが、性格や性質も。リーダーシップをとるのが上手い人もいれば、着実に仕事をやりきって縁の下の力持ちとなっている人、新卒で入社してきたメンバーは同期の中だけでなく先輩も後輩も人を巻き込んでいくのがうまかったりとか。当時は「相談したい」と思っていましたが、入社時と違って今は自分が結構キャリアのあるほうなので「相談される側」としてもありたいなと思っています。
でも共通するのは「クライアントの成果にコミットしていこうとする姿勢」ですかね。Webサイトやコンテンツのクオリティを高めて成果を出したいというところから、資料の精度も高いものを求められることが多いのですが、諦めずに「なんとかして実現しよう」とする人が多いですね。もちろんやりきった時はすごく達成感があります。
言い換えると対等に見てもらうための努力を惜しまないってことでしょうか。そういうお付き合いだと、成果の出る良いお仕事ができて、また新しい良いお仕事をいただけますし、インフォバーンの部活動でフットサルをやっているんですが、そこにクライアントの担当者さんが来てくれたりと面白い展開になってきてます(笑)
ーーご自身の今までを振り返って、今後どのようなキャリアをイメージされているか教えて下さい。また、同様にWebディレクターとして悩んでいる人や、Web制作に関わる人でキャリアプランを見直している人にぜひアドバイスを!
中川:漠然と「いろんな強みを持ちたい」と思ってはいましたが、正直に言うと僕はキャリアプランを熟考してきっちり積み上げてきたタイプではありません。ですが、そんな僕でもこんなにいろいろな経験ができてスキルを増やしてきました。Webディレクターって本当に「柔軟に」「変幻自在に」拡張できる職種なんだなと実感しています。今の若手は自分の頃よりもっと環境も整っていてテクノロジーも進化して世界が広がってると思いますし、自分も負けないように拡張していかないとと気を引き締めているところです。
過去在籍した4社のなかでも、特にインフォバーンはそういう環境に身を置ける会社だと思います。当初は苦手だった折衝や交渉も、今では相当経験したので自分なりに克服してこれているなと思います。それにインフォバーンでは「どんなWebサイトを作ろうか」ではなく「クライアントが顧客に対して提供したい最高の体験とはどんなものか」と考えるところから始まるので制作物が無限に広がっているんですよね。今、案件全体を俯瞰するプロジェクトマネージャーの役割を担っていますが、他にもプロデューサーやプランナーといった方向性もあって、自分がその気になれば何にでもなれるんだなと思えますよ。興味があったらぜひカジュアル面談からでも。これを読んでいるみなさんと一緒に働けることを楽しみにしています。