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自分の価値は自分で創る。スタッフが自律・自走する強い組織の鍵とは?

近年、「自律分散型組織(分散型自律組織)」という新しい組織形態が注目を集めています。
DAO(=Decentralized Autonomous Organization)とも称され、管理職による指示ではなくスタッフが自律的に動くことで運営される組織のことを言います。
自律分散型組織が注目を集めている理由は、少子高齢化やコロナ禍など将来の見通しが不明確な「VUCA時代」に突入したことが大きく影響しています。

VUCA…「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を指す言葉。
Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字。

VUCA時代において自律分散型組織は環境の変化に強く、スピーディな組織運営を実現します。
アスナロではいち早くその組織の在り方に着目。自律分散型組織の仕組みがアスナロでどのように生かされているか、また今後の展望について代表・叶に話を聞きました。

代表取締役 叶 楽明
上海生まれ、大阪大学法学部出身。大学卒業後貿易会社へ勤務。レディースアパレル部門で生産管理や仕入れ、貿易事務など幅広く経験を積む。独立後、2012年にオリジナルブランド『RUIRUE BOUTIQUE』をローンチ。オンラインを主戦場に、データ分析に基づく計算し尽くしたものづくりで事業発展に導く。

スタッフに自由を与え、貢献への責任感を問う

自律している組織とは、個々の業務を自分自身で考え遂行していくメンバーの集合体です。アスナロでも同様、役職や職種に限らず一人ひとりが大きな裁量を持っており、同時に会社への貢献に対する責任感も問うています。

従来の中央集権型組織では上司の指示に部下が従うだけになってしまう、ということは皆様も想像に難くないでしょう。しかし自律分散型組織では目標達成に関わるメンバー同士のコミュニケーションによって意思決定が成されるため、より実務に紐づいた効率的な行動計画を立てられるようになります。

スタッフが「自分の意志で仕事をしている」と強く実感することができるので、働くモチベーションが持続しやすくなることもメリットですね。

新しい価値を創り出すことを評価

アスナロで特に自律分散型組織の特徴を体現しているのは「社内ベンチャー制度」「インセンティブ制度」です。

「社内ベンチャー制度」とは、新たな事業モデルの創出のために設けられるチームや仕組みのこと。
スタッフが自主的にプロジェクトを動かし、上層部がサポートする体制としています。
大手IT企業などでは導入されている制度ですが、アパレル業界では珍しいですよね。

新規事業というと少し大げさかもしれませんが、例えば新たなECショップの立ち上げ、新商品の開発といったプロジェクトを、スタッフ自ら企画立案してもらいます。
プロジェクトへの参加は立候補制。デザイナーやMD、総務など、あらゆる部署の垣根を超えてチームが結成されます。互いの知識やアイデアを組み合わせ試行錯誤しながらプロジェクトを遂行するため、自然と横の繋がりが強化されていくのも狙いの一つなんです。

最近の事例でご紹介すると、新たな顧客層開拓のプロジェクトが発足されたときのことです。
もともとアスナロのブランド『RUIRUE BOUTIQUE(ルイルエブティック)』は30代女性をターゲットとしたラインナップですが、チャレンジ的に若年層に向けた打ち出しができないかと考えました。

そのアイデアの一つが、PRにおけるビジュアルデザインを一新すること。
従来どおりの撮影チームではなく、カメラマンやモデル、スタイリストをいちからアサインし、新たな撮影チームを結成するという根本的な部分から企画されました。コーディネートや写真加工など隅々までこだわり、これまでと全く違う雰囲気のビジュアルづくりに取り組んだんです。その商品の売上は倍増し、新たなターゲット層へフォーカスできた好例となりました。

これらはすべてスタッフが主体性を持って行動した成果です。上層部からはおおまかな方向性を示しただけで、具体的な計画はすべて現場にお任せました。
皆さまもきっと、ああしろ、こうしろと指示したり抑制してしまうと、自ら考える機会も意欲も失ってしまうでしょう?
新たな価値の創出や革新性を目指すことはスタッフのモチベーション向上、ひいては利益に直結します。
また、挑戦的な組織風土を生み出すことはスタッフの成長の原動力になり、優秀な人材の発掘にも繋がっていくということです。

インセンティブの分配はチームで決定。公平性と透明性が自律を促す

インセンティブはECショップの売上やSNSのいいね数など、各プロジェクトに関わったメンバーが目標数値を達成した際に支給しています。もちろんインセンティブは職種や役職関係なく全スタッフに還元分配。評価対象は組織に対するパフォーマンスとなります。

重要なポイントは、インセンティブの分配の割合はあらかじめチームで相談して決めるということ。
例えば均等にインセンティブを分配すると決めたら、各自の業務ボリュームも均等になるようメンバー間で割り振ってもらいます。業務遂行の進捗を各々が責任を持って管理するため、結果的に業務効率や生産性がアップします。

さらにアスナロでは、インセンティブの金額は全スタッフに公開しています。
一部の人にしかメリットのないルールや制度が作られることはなく、私たち上層部の裁量で決めるわけでもありません。行動に対してのインセンティブが公平かつ明確であれば、トップダウンからの命令ではなくメンバーが自発的に組織に貢献する行動を取るようになります。

おそらく、「スタッフの自発性が高まらない」という課題に直面している企業様は少なくないと思います。
過去の私たちも例外ではなく、言われたことだけをこなす・自分の業務を増やしたくないから行動を起こさない、といったスタッフがいたことも事実。
しかし今では全スタッフが会社経営の根幹に関わっているという意識を強く持ち、何をすれば成果を生み報酬を得られるのか、それぞれ計画的に行動するよう変化していきました。

貢献に対してきちんと還元し会社の利益とスタッフの利益が一致すれば、長い目で見て良い結果を残せるということを実感しましたね。
トップダウンで組織運営を行うのではなくボトムアップで組織運営を活性化することができるのも、自律分散型組織の大きなメリットでしょう。

スタッフのチャレンジにNOは言わない

繰り返しになりますが、アスナロでは一人ひとりが裁量権を持っているので、企画の立案段階から自分のアイデアや意見を反映させていくことができます。
もちろん何でもかんでもOKというわけではありませんが、よほどコストがかかるようなことでなければ「NO」とは言いません。
アイデアの卵を大事にし、どんなことも恐れずチャレンジすることが私たちも気づかなかった新たなアイデアや価値を生み出すことに繋がると信じているからです。

実際、職種の枠を飛び越えて自分のやりたいことや得意なことに積極的にチャレンジするスタッフが増えました。最近でもSNSのトレンドに敏感なスタッフがInstagramで動画配信を試みたりと、これまでから一歩飛び出したチャレンジも始まりました。
「あの人がこんな面白い企画を考えていた」「じゃあ自分もやってみよう」「どうすればできる?」といったふうに、良いサイクルがどんどん生まれていますね。

「昨日の自分を超える」その信念が個人と組織を成長させる

今の組織形態になりスタッフの自律性や自発性が格段に向上したので、手応えを感じています。
さらに強固な組織づくりを加速させるため、課題抽出や改善をメインとした管理型のチームを構築することを思案中です。
それはアジャイル型組織のように常にPDCAサイクルを繰り返し、業務改善を続けるチーム。
トップダウンではなくチームが権限を持ち、小規模チームならではの計画から実行までの迅速性に期待しているんです。

これまでの業務遂行型チームと、課題解決型チーム。
この2つがうまく作用し合い、守りつつも攻める組織が理想形ですね。
今の業績を維持することはもちろん大事ですが、私たちが目指すのは常に新しいことに挑戦し、成長し続ける組織ですから。

そのためスタッフに伝え続けているのは「全員がランナー」であるということ。
常に自分と競争し、昨日の自分に勝つ。
到底叶えられないような大きなビジョンではなく、これならできそうという小さなビジョンで構いません。そのビジョンを絶対達成するという強い信念で日々を積み重ねていけば、個人はもちろん組織全体の成長に繋がるのは間違いないでしょう。

成長できる環境をスタッフに提供し、個人が果敢に挑戦する。そしてその成果をきちんと評価・還元する。一人でも多くのスタッフがアスナロに参画してよかったと思える組織づくりを追求していきます。

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