サービスに、みんなの “魂” を込めた改善を。コラボレーションで提供価値を最大化するカイゼンMTG「魂込め会」。
※このストーリーは、2024年9月13日に Assured note で公開した記事を転載したものです。
こんにちは。デザイナーの長尾です。
Assuredでは、お客様の声をもとに、さまざまな職種のメンバーが集まり、課題を議論し、プロダクト改善につなげる「魂込め会」という取り組みを行っています。今回はそのプロジェクトに参加しているメンバーを代表して3名の声を紹介します。
左から
長尾 朋美/Tomomi Nagao
デザイナーとして、プロダクトのUIデザイン、UXデザインを主に担当。
大方 知/Tomo Ogata
Assuredのプロダクトマネジメントを担当。今回の記事のインタビュアー。
松本 昂之/Takayuki Matsumoto
セキュリティ領域のドメインエキスパートとしてセキュリティ評価やサービス開発を担う。
三屋 宏祐/Kosuke Mitsuya
マーケットグロースとして大手顧客への深耕営業・サービス開発に従事。
大方:
はじめに読者の方へ、そもそもなぜ「魂込め会」をはじめることになったか、私からお伝えさせていただきます。
まず前提として、プロダクト戦略を考える際には、ミクロとマクロの両方の視点が必要だと感じています。プロダクト戦略では、サービスとして目指す未来と、顕在化しているお客様の課題のバランスを取って開発することが大切です。
大きな方向性を示したうえで、実行段階では解像度の高い課題や、それに対する解決策としてのUXやUI、仕様に落とし込んでいきたいと思っていました。しかし、特にミクロの視点で、現場のリアルな課題やその温度感を拾うことが難しいと感じる場面も多く、それを仕組みとして解決する方法を模索していました。
プロダクト開発には関係者が多く、それぞれの意見や、その背景を正しく理解することが難しいと感じています。プロダクトマネージャーが個別に関係者とコミュニケーションを取る方法もありますが、それだと情報が一部に閉じてしまいがちなんですよね。だからこそ、関係者全体で意見を共有できる仕組みを作りたいと思っていました。
魂を込めるかのように、お客様のどのような困りごとを解決するのかを議論する場として、「魂込め会」と名付けました。 それでは、参加しているメンバーに話を聞いてみたいと思います。
—— 「魂込め会」にはどのような期待がありましたか?
三屋:
マーケットグロース組織(注:サービス導入後のお客様支援をする組織)として、お客様と日々相対している私たちにとっては、待ち望んでいた会でした。これまではマーケットグロースグループという役割の中で、各メンバーがそれぞれヒアリングした要望を個別にプロダクト開発チームに依頼していました。今ではチームとしてどの要望を優先すべきかを議論する、非常に良い機会になっています。
それまでは、要望を依頼することはしていたものの、その背景や細かいお客様の状況まで伝えることができていなかったため、文面だけでは、要望の温度感を伝え切ることができていなかったんですよね。それをプロダクトチームにフィードバックする機会がもてたので、本当に嬉しいです。
松本:
以前は、プロダクトマネージャーと話すタイミングを見計らっているうちに、お互いが同じ機能の仕様を書いてしまうという珍しい出来事がありました(笑)。案の段階から持ち寄って話す場があると、後続のプロセスもスムーズになりました。
また、開発のスピードを重視するあまり、社内の関係者に周知するタイミングがギリギリになったりもしていて、十分に背景や仕様を理解しきれぬままリリースされることもありました。そのため、嬉しい反面、機能として「もう少しこうなるといいな」と思う部分もありました。魂込め会を通して、「やりっぱなし」にならないようになりました。
長尾:
入社した時にはすでに「魂込め会」があったので、この会を通してビジネスチームの方々からお客様のリアルな声を聞けてありがたい場だなあと思っていました。また、セキュリティをドメインとして扱うのははじめてだったこともあり、話を聞くことでお客様自身のことや、業務について解像度をあげられそう、と期待していました。
—— それぞれ、どのような関わり方をしているのですか?
三屋:
私の役割は、ご利用いただいているお客様からの要望を頂戴して整理し、お客様の視点にたって、UIやUXに関する意見出しをすることだと思っています。また、要望の数も多く、粒度も様々なため、何を「魂込め会」に持っていくか事前にしっかり整理するようにしていますね。
まず、お客様への価値提供に対してどの要望が優先かを一次整理し、その後チームメンバーと温度感をすり合わせて二次整理を行います。このプロセスのおかげで、チームとして進めたい方向性についてのコンセンサスが取れるようになったのは、予想外の良い成果でした。
長尾:
各チームから上がってくる課題に対して、なぜその問題で困っているのか、ビジネス上の目的は何か、など解像度を深める場として活用しています。また、議事録をとることで文字情報として可視化したり、モックやプロトタイプを作ることで、アイデア創出の促進にもつなげています。
課題の解像度が上がることで、全体最適を意識した設計ができるようになりますし、目的からアウトプットまで、一貫性を持って進めることができるようになりました。
松本:
プロダクトを社内で利用するユーザーの立場で、業務フローの改善や効率化のために必要な改善点を共有しています。また、セキュリティのドメインエキスパートとして、Assuredを利用いただくクラウドサービス事業者様の目線でも要望を整理しています。
長尾:
ドメインエキスパートの視点で、この価値を提供したいのであれば、ここまで作り込まなくてもいいんじゃない?といった意見をはっきり言ってくれるので、プロダクト開発の観点でありがたいなと感じています。
—— 会を重ねてみて、変化はありましたか?
三屋:
開発に関わることによって、プロダクトの仕様や背景の理解が深まり、お客様に提案する際のストーリー構築にも役立つようになりました。
役割上、目先の価値提供や課題解決も大切にしないとですが、それを優先しすぎると、将来的な事業のビジョンが見えにくくなるおそれがあります。魂込め会に参加することで、別チームの視点からプロダクトやサービスの構想を聞く機会が増えたことで、ビジョンの実現に確信を持てるようになりました。その結果、自信を持ってお客様に提案できるようになったと思います。
長尾:
一次情報に近いところに触れる機会が増えたことで、課題の解像度を上げることができました。お客様が抱える課題に対する熱量を直接感じられるだけでなく、つくったものが事業にどんな成果をもたらすのかが見えやすくなりました。
さらに、魂込め会の中でアイデアのイメージを共有することで、その場で各チームから考慮すべき観点を洗い出すことができています。このプロセスがあるおかげで、スムーズにアウトプットに繋げられているなと感じます。
—— 今後、「魂込め会」をどうしていきたいですか?
三屋:
プロダクト開発の話から少し離れますが、魂込め会を通じて、Assuredの空気感やカルチャーを強く感じました。ビジネス、ドメイン、プロダクトの距離がとても近くて、みんなが互いの仕事をリスペクトしているんです。まさに、背中を預け合っている仲間だということを実感しました。このカルチャーを、こういった場を通じて、仕組みとしてしっかりと残していきたいです。
長尾:
「魂込め会」で得られたお客様の声や他チームからの知見を、別の施策やプロジェクトにも活かしていきたいです。そのために、デザイナーとしては、関わる全員に必要な情報が適切に伝わる仕組みづくりをしたいと思っています。
また、コトをさらに前進させるために、議論やアイディアをより可視化し、みんなが理解しやすく共有できる形にしたいです。
松本:
今後は、この会で込めた案件がどうなったか、みんなで検証していきたいですね。個別のプロジェクトにするのも大事だけど、改めて、複数の職種が集まるこの場を使って、みんなで振り返るということもやっていきたいです。サービスって、みんなで作ったほうが強くなるんだろうなと思っています。
大方:
お話いただいたように、アウトカムを増やしていく観点で、新たなコラボレーションをつくりたいですね。指標を元に振り返りをするのはもちろん、リリースしたものに対してお客様から新たな要望が出てくるというのも面白いでしょうし、それを横展開して広げていけるかどうかの検証も、今後取り組んでいきたいです。
プロダクトチームに閉じて開発してしまうと、それが成長のキャップになってしまう。だからこそ、多角的な視点を取り入れて、サービスやプロダクト作り、全員で事業成長の実現に繋げていきたいです。