みなさん、こんにちは。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン採用チームです。
職員インタビュー第1弾は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンで事務局次長を務める、高井明子のインタビューをお届けします。セーブ・ザ・チルドレンのミッションやビジョン、セーブ・ザ・チルドレンに集う仲間たちなどについて、インタビューを通してご紹介できればと思います。
高井は米国のリトルアイビーに数えられるリベラルアーツの大学を卒業。東京大学大学院医学系研究科保健学修士、博士課程への進学の後、国連人口基金でHIV/エイズ問題の専門技官を務めました。東日本大震災を機にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンへ参画し、現在では事務局次長として世界各国のセーブ・ザ・チルドレンと連携を図りながら、リーダーシップを発揮している女性です。
ーまず初めに、セーブ・ザ・チルドレンについて、紹介をお願いします
みなさん、こんにちは。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン事務局次長の高井明子です。 私たちセーブ・ザ・チルドレンは1919年に一人のイギリス人女性、エグランタイン・ジェブによって創設された、子ども支援を専門とする民間・非営利の国際組織です。セーブ・ザ・チルドレンは「子どもの権利」のパイオニアとして、緊急・人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護などの分野で支援活動を行い、現在では世界約120か国、年間約5,000万人の子どもたちに支援を行っています。時代によって子どもを取り巻く課題は変わりますが、紛争や災害をはじめとして、様々なネガティブな影響を受ける子どもたちのための支援活動に取り組んでいます。
ーセーブ・ザ・チルドレンが掲げるビジョン、ミッションはどのようなものでしょうか?
私たちセーブ・ザ・チルドレンでは世界中のスタッフが、次に掲げる共通のビジョン、ミッションの下、日々尽力しています。
ビジョン
“セーブ・ザ・チルドレンはすべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指します。"
ミッション
"セーブ・ザ・チルドレンは、世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします。”
私たちのビジョンは「子どもの権利」が実現されている世界を目指すことです。このビジョンのルーツは私たちの創設期にまでさかのぼります。 創設者であるエグランタイン・ジェブは第一次世界大戦で荒廃したヨーロッパで、敵味方の枠を超えて、栄養不良に苦しむ敵国の子どもたちの援助に取り組みました。その活動の中で、子どもの権利に関する世界初の公式文書とされる「ジュネーブ子どもの権利宣言」を起草。その理念は、現在196の国と地域が締結している国連の「子どもの権利条約」へとつながり、世界に広がっています。 子どもの権利は、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利と大きく4つがあげられますが、私たちは創設以来、子どもの権利が世界中で実現することを目指しています。
ーミッションには“世界中で、子どもたちとの向き合い方に画期的な変化を起こし、子どもたちの生活に迅速かつ永続的な変化をもたらします”と掲げられていますが、これはどのようなことを意味するのでしょうか?
まず、世界の人たちが“子ども”をどのように捉えているか、ということを私たちは変えていきたいと考えています。そして、子どもたちの毎日の暮らしがより良い方に変化する、さらにその変化が続いていくことを目指しています。 子どもは“力がない”“未来の大人”である、と捉えられることがあります。しかし、私たちは子どもを“一人の人間”として、“権利を持って生きている”存在と捉えています。つまり、権利の客体ではなく、主体なのです。
ーセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンはどのような活動を行っているのでしょうか?
日本でセーブ・ザ・チルドレンが創設されたのは1986年です。それ以来、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは海外での緊急・人道支援、アジアやアフリカ地域などでの子ども支援、さらに日本国内での子どもを取り巻く課題解決に取り組んできました。現在、日本国内では、子どもの貧困問題解決、子ども虐待の予防、災害時における心理社会的支援などに注力しています。 日本国内での支援活動は東日本大震災における緊急支援、復興支援が大きな契機となっています。 東日本大震災の緊急支援、復興支援ではどのようなことに取り組んできたのでしょうか? 震災発生直後の緊急支援では、子どもたちが安心・安全に過ごせる「こどもひろば」の設置・運営、緊急備品(衛生キット、救急キット)の配布、文房具やランドセルなどの学用品(バック・トゥ・スクールキット)の配布、子どもにやさしい仮設トイレの設置などを行いました。 また復興段階では、子どもの保護、教育、子どもにやさしい地域づくり、コミュニティ・イニシアチブ、福島プログラム、防災の分野で復興支援に取り組んできました。 具体的には学童保育・児童館の建設・修繕や学童指導員の研修等、被災した子どもたちのための給付型奨学金の提供や給食が提供できなくなった被災学校での補食支援、子どもたちの部活動や地域での課外活動の再開を目指した地域NPOへの助成などに取り組みました。 また、セーブ・ザ・チルドレンは権利の主体である子どもたちとともに課題解決に取り組むアプローチを重視しているため、防災や復興まちづくりに子どもたち自身が取り組む機会づくりを行ってきました。 東日本大震災の緊急支援、復興支援にあたっては国内外から多大なご支援をいただき、その支援事業規模は5か年で約70憶円、受益者数はのべ人数で約188万人となりました。また緊急・復興支援に携わったスタッフは200名にも上ります。
ー東日本大震災での経験を通した得た教訓はどのように活かされているのでしょうか?
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは東日本大震災を機に国内で初めて緊急・復興支援を展開し、5か年にわたる活動を通して、多くの学び、組織としての知見を蓄積しました。 災害への迅速な対応や、被災状況に応じた柔軟な支援、中長期的な視点に立った行政や地域との連携、より困難な状況にある子どもへの配慮、そして、地域の一員である子どもの意見の尊重など、災害時に子どもたちがいち早く回復できるよう活動しています。 実際に、熊本地震、鳥取県中部地震(2016年)、九州北部豪雨(2017年)、西日本豪雨(2018年)など度重なる自然災害時に私たちは現地での支援活動に取り組んできました。 これら日本国内での活動を通して、私たちセーブ・ザ・チルドレンのことを知っていただく方が増えたことも事実です。 私たちが現地で活動を行う際には、セーブ・ザ・チルドレンのロゴが入った赤いTシャツを着用しています。被災地で、そのTシャルを目にした方が「あのセーブ・ザ・チルドレンが支援に来てくれた!」と喜んでくださったこともありました。