つるや旅館の再興
つるや旅館は、1954年小さな「鶴の坊」という宿坊からスタートし、1970年には「つるや」として、小さな家族経営の民宿だった。転機が訪れたのはバブル経済が終わった1995年。つるや旅館には約3千万円の借金があり、倒産寸前の状態。当時、現:代表取締役社長の関良則は30歳。仙台で旅行会社のトップセールスマンとして働いており、旅行会社を辞めて、実家である「つるや旅館」に戻るという決断をした。山あいにある四万温泉でも、一番奥にある旅館で、部屋にトイレも、洗面所も、鍵もないボロ民宿だった。そんな旅館の唯一の自慢が、先代の女将が借金をこしらえてつくった露天風呂。どうすればよいか途方に暮れ、お風呂につ...