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【エンジニアが語る】GitHub Copilot for Business の導入理由とAIがもたらす現場への効果

こんにちは、東急株式会社「URBAN HACKS」採用担当です。

URBAN HACKSは、交通事業を軸に不動産や商業施設開発、ホテル等多彩な事業を展開している東急株式会社が、街づくりにおけるDXを目的に、2021年7月より生まれた新組織です。現在、新たなイノベーションを生み出すべく、積極採用を進めています。

今回は、URBAN HACKSが活用しているコード補完ツール「GitHub Copilot for Business」に関して、導入背景や実感している効果などを現場のメンバー3名にお伺いしました。

東急が会社としてAIなどの最新技術に対してどのような投資、意思決定を行っているのか、スタイルが垣間見えます。

アプリ、共通基盤開発、AIの検証などを推進するメンバー

―最初に、皆さんのご経歴や現在の業務内容などについて簡単に教えてください。

津久井:私は2023年5月にサーバーサイドエンジニアとして入社しました。東急が3社目です。1社目ではSIerとして開発工程全般を経験し、2社目では建設業界向けのSaaS事業でWeb開発に携わっています。今回、東急のDXに対する本気度に興味を持ち、私も一緒に挑戦したいと考えて、東急に入社しました。現在は入社3ヶ月目で、ユーザーIDの共通基盤開発を手掛けています。

星川:私は以前、ソニーネットワークコミュニケーションズ(ソネット)でバックエンドやフロントエンドを手掛けていました。ClassiやクックパッドでiOSエンジニアを務めた経験などを経て、2021年10月に東急に入社。現在はFlutterでのアプリ開発と一部Webサイトの改修などにも携わっています。

野口:私は受託開発、SIer、医療系のスタートアップ企業を経て東急に入社しました。メイン領域はサーバーサイドです。現在はポイント基盤系の開発に加えて、AIをサービスに組み込むための検証などを行っています。

👆エンジニア 津久井

エンジニアの開発生産性向上を見込んでGitHub Copilotを導入

―今回、GitHub Copilot for Business の導入を決めた背景について教えてください。

野口:大きくは、開発生産性の向上とセキュリティ面、そして採用効果を考慮して導入しました。

開発生産性の向上で特に期待したのは、「スピードアップ以外の要素」です。生産性というとコーディングの高速化だけを思い浮かべがちですが、1日の総生産性を考慮すると、単なる作業の速度以上に他の要素が大きく影響を及ぼします。重要なのは、どれだけタスクに集中し、仕事に充実感を感じることができるか、また、繰り返しの作業を減らし、精神エネルギーを節約できるかです。GitHubの調査によると、ユーザーの75%が「GitHub Copilotによってコーディング中のフラストレーションが減り、より満足度の高い仕事に集中できるようになった」と、さらに87%のユーザーが「GitHub Copilotが繰り返し作業による精神的な疲労の軽減に役立った」と回答したそうです。実際、GitHub Copilotはコードのサジェスト機能によって繰り返しコードを書く手間を削減してくれるので、エンジニアの作業負荷が減ります。また、調べ物のために作業を中断することも少なくなり、頭の切り替えに必要な労力も最小限で済むでしょう。

エンジニアが使っていて楽しい気持ちになるなら、開発生産性は高まるだろうと考えました。

―セキュリティ面と採用効果についてはいかがですか?

野口:セキュリティについては、GitHub Copilot for Individuals をエンジニアが個人で使うよりも、GitHub Copilot for Businessにしてソースコードの解析やAIの学習のために一部のソースデータが使用されることを強制的にオプトアウトできるようにしたほうが、企業の仕組みとして良いだろうという判断です。また、GitHub Copilot では学習元のソースをそのままサジェストすることがあり、意図せず特定ライセンスを侵害するリスクがありますが、GitHub Copilot for Business であれば強制的にサジェストのブロックができるのも重要な要素です。

採用効果については、東急の「お堅い」イメージの緩和を狙っています。画像生成AI「Midjourney」を使った広告も、東急が発信したことで意外性を呼べた実績がありますしね。エンジニアの福利厚生の側面から見ても、メンバーの満足度向上につながれば、離職率の低減に寄与するかもしれません。事業的には月額$19(約2600円)でエンジニアの開発効率を高められるのなら、十分メリットがあります。

👆エンジニア 野口

AIにアレルギーがない企業だからこそ素早い意思決定が可能

―GitHub Copilot導入までには、どんなフローや意思決定があったのでしょうか。

野口:大前提として、東急はChatGPTをはじめとするAIに対するアレルギーが少ない企業です。利用上の注意のようなものは全体アナウンスしてありますが、「使わないほうがいい!」というような動きはなく、どちらかというと新しい技術の導入に対しては前向きなんです。実際、ChatGPT自体も東急の情シス部隊が活用方法を模索していたところだったので、GitHub Copilotも同様の流れで導入しやすいのでは、という目論見がありました。

そこでURBAN HACKSのVPoEである宮澤さんに打診したところ、すぐにOKが出ました。翌日、エンジニアにもアンケートを採ってみると、95%以上のメンバーがGitHub Copilotを使いたいと答え、一部のメンバーは個人でお金を払って既に使っていたため、これは会社として導入すべきだろうと判断しました。津久井さん、星川さんも使っていましたよね。

津久井:私は年額払いで使っていましたね(笑)。

星川:私も個人で契約していました。ライセンス関係が少し気になっていたところだったので、会社からOKが出たのは喜ばしかったですよ。

👆エンジニア 星川

補完機能が「本当にやりたい作業」に集中できる環境を作ってくれる

―実際にGitHub Copilotを導入してみて、どのような効果を感じていますか?

津久井:もともと個人的に使っていたほどでしたし、改めて補完機能の優秀さを実感しています。エンジニアにとってコードを書くのはあくまで「ものづくりの手段」でしかないので、その負担を少しでも軽減できるのは非常に助かります。

何か調べ物をしたり思い出したりする手間を省いて、本当にやりたい作業に脳のメモリを割けるので、確実に生産効率は上がっていますよ。精神的にも、健やかに仕事ができますね。(使用した所感はこちらにも記載)

星川:些細なコードを書くときに、ものすごく助かります。例えば「2秒スリープする」という指示のコードをよく書くのですが、これまでは都度検索して手順を確認していました。これが、GitHub Copilotに「2秒スリープして」とコメントをすればすぐにコードを出してくれるようになり、本当に楽です。

個人的にAI活用の波に乗りたい気持ちは強かったので、GitHub Copilotを導入するタイミングで、AndroidStudioからVSCodeに変えました。今後さらに大きなAIの波が訪れたときに乗り遅れないように、早めに使いこなせるようになりたいですね。

新しいツールの登場もウォッチしながら継続活用を検討中

―今後、GitHub Copilotをどのように活用していきたいとお考えでしょうか?AIに期待することもあれば教えてください。

野口:まずは、今後継続利用するかの判断がありますね。3ヶ月ごとにアンケートを採り、活用度合いを見て次年度以降も使い続けるかどうかを決めようと思っています。というのも、AI系のソリューションは本当に進化が速く、今後新たに別のツールが登場する可能性も高いんです。GitHub Copilotは引き続き活用しつつ、新しい波も逃さないように適宜ツールの見直しをしていきます。

現状だと、GitHub Copilot Xに期待を寄せています。現Copilotにマージされるかもしれませんし、別サービスになるかもしれませんがきっと使うと思います。GitHub Copilot Xでは、プルリクエストまでAIで作成してくれるようなので、できるようになればうれしいなと。プルリクを出すのはどうしても気を使いますから、「AIが作った」とわかっていれば、エンジニア同士のコミュニケーションが円滑になりそうです。

星川:プルリクやレビュー作業など、まだまだ人間が頑張らないといけないことは多いですからね。ここをAIが担ってくれるなら、開発効率はグンと高まると思います。

ほかにはコミットログなんかも人間が書くと大変な作業なので、AIができるようになることを期待しています。

津久井:GitHub Copilot Xはターミナルで触れるツールも展開される予定なので、コード解析に特化したAIを使った何かしらのツール開発にも役立つかもしれませんよね。

古き良きものを極めるのももちろん素晴らしいのですが、私はどちらかというと本来自分がやりたいことに集中するために、役立つツールはどんどん活用していきたい派です。GitHub Copilotに限らず、AI業界全体の動向はこれからもウォッチしていきます。東急は大企業でありながら最新技術に抵抗がなく、新しいものが登場したときに導入しやすい環境なのでありがたいです。

野口:東急は会社としても生成AI系に前向きなので、社内的な動きとも連動しながら活用を考えていきたいですね。開発以外にも、例えば社内の事務的な手続き関係のナレッジをAIに蓄積しておいて、どんなメールを誰に送ったらいいのかをAIがすぐに判断・処理してくれたりしたら、エンジニアの生産性を保つことにもつながるでしょう。

ITmedia NEWSの取材記事:非IT企業も「AIプログラミングのない時代には戻れない」 「GitHub Copilot」導入した東急の内製開発チーム、手応えは?

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