「イエスマン」という映画をご存じですか?インタビューの中で、彼女はそう話し始めた。学生時代から英語に興味をもち、接客に英語を活かせるようにと、ホテル業界を志した萩原奈央さん。フロントとして従事する中で柔らかい笑顔と、凛とした佇まいが印象的だ。
シマダグループに対して入社前に感じたこと、入社後に感じたこと。そして、新社会人として行き詰ってしまった彼女を変えた言葉とは。
Summary
- 口先だけの“アットホーム”
- Welcome backと言える場所へ
- ちょっとした勇気をもって
- 私も“イエスマン”になろう!
口先だけの“アットホーム”
「中学生の時から、自分はホテル業界に入るんだろうなってずっと思っていました。」
中学生で英語に興味をもち、大学で英米文学を学んだ彼女。
就職活動も英語を生かせて接客ができるホテル業界を志望。
いくつかの会社から内定が出たなか、シマダグループを選んだ。
シマダグループのホテル事業部は六本木・神楽坂・箱根・葉山に拠点をもつが決して大きな規模ではない。内定した会社には大手ホテルチェーンもあったという。どうしてシマダグループを選んだんだろうか。
「従業員同士、仲の良さそうな会社がよくて。ただ、会社説明の時に“アットホームな会社”という話をよく聴くのですが、実際選考が進んでみると口先だけの会社が多くて。。実はブラックそうだったり。」
おっと、ズバリ言っちゃいましたね。
「ただ、シマダグループは面接のときから親身に相談に乗っていただき家族のような雰囲気に惹かれました。」
実際入社してみてどうでしたか?
「いや、想像していた会社と全然違いました。」
ひょっとしてシマダグループも口先だけのアットホームで、ブラックな感じですか?
「逆です!アットホームすぎて。。事業部関係なく役員の方や先輩たちがそれぞれ家族のような関係を普通に築かれているんです。なかなかできないなって思いました。あとは会社説明時の女性に結構おなかが大きい方がいらっしゃって、そこまで働けるという事は女性としてのライフプランを考える上で、好感がもてました。」
Welcome backと言える場所へ
大きな志をもって入社したけど、その時ホテル業界は色々と大変だった。
世界的な感染症が流行するなか、営業もままならず宿泊客もほとんどいないから実地研修を受ける事ができない。ディベロッパー部門や賃貸管理部門などシマダグループ内の別部門での研修が半年以上続いた。知らないことを知っていくのは楽しかったけど、感染症が収まるタイミングで最終的にホテル&レジデンス六本木に配属となった。
「1日のスケジュールは大体8時に出勤して、フロント業務やレストランでの朝食の対応。お客様がチェックアウトをした後の客室確認。ホテルとレストランのSNS運用とホームページの更新等を手掛けています。複合施設なのでサービスアパートメント(SA)やレジデンスの案内に入る時もあります。入社時の不動産事業研修がこんなところで役に立つとは思いませんでした。」
ホテルマンとして接客時に気にかけている事を聞くと“ホテルに宿泊される方のバックグラウンド”を気にしてるという。
お誕生日とか記念日を当ホテルでお祝いなさる方など、しっかりとお客様を見て向き合う事によって、記憶に残って記念になってもらえるようにと。まだまだ、観察眼を磨いていかなければと感じているそうだ。
「ホテル&レジデンス六本木は滞在目的も言葉も行きかう人々も多種多様。さまざまな文化が交錯するこの場所では、日々新たな価値観が生まれます。そんな中で、「Welcome back」(おかえりなさい!)と言えるように、お客様が安心できる場所をホテルマンとして作っていきたい。」
まっすぐな目でそう答えてくれた。
ちょっとした勇気をもって
「私はあまり活発的ではないし、アウトドアタイプではありません。入社したばかりの時は色々な事がいっぱいいっぱいで、周りの方からもコミュニケーションをとっていただいたのですが、私自身それに答える事ができずにいました。正直、人の距離感が近いと感じる部分もありまして。。」
アットホームな雰囲気の会社という事は距離感が近い事も容易に想像できますよね。と、意地悪な質問をしてみる。
「いや、本当に想像以上で・・・。仕事・資格・人間関係など色々な事をつめこみすぎてしまい、コップの水があふれる感じになってしまって。」少し、小さな声で話す。
結構それって大変ですよね。ただ、いわゆる新卒の方にはありがちな話だとも思います。どうやって乗り越えていったんですか?
「イエスマン」という映画をご存じですか?」
人生において常に「NO!」を連発してきた後ろ向きな主人公(ジム・キャリー)がある日すべてに「YES!」と言う事で人生が変わるという教えを実践したところ、多くの事が解決に向かい人生も好転していく話だ。
「私、この映画が学生時代から大好きで。入社して1年くらいたった頃、ふと観返してみたんです。そうすると結構気が付かされることがあって。」
私も“イエスマン”になろう!
久しぶりに観た映画が転機となった。まずは仕事で、ちょっとした勇気をもってなんでも“YES”と答えることから始める。その“YES”の先に、続く道や自分の興味が広がることに気が付いた。更に“YES”で答えるようになって経験できることが確実に増えた。
「そうなったのって、この会社に“YES”の先輩方が多いからなんだなと。」多くの事柄に“YES”と言う事によって周りとの距離の取り方も良い方向に変わっていった。
今では、彼女の姿を会社のイベントでよく見かけるようになった。部活動や、ヨコイトの誘いにはほとんど「YES!」と答えるそうだ。
コロナ禍のなかで生まれた新しい試み「ヨコイト」がもたらした、ある大切な気づき。 | シマダグループ (shimadahouse.co.jp)
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最後に「シマダグループに向いている人」を尋ねると
「私も会社に入って変われたので、“YES”といえる人が向いてるってよりも、“YES”といいたい人が向いている、の方があっているかもしれません。」
と、笑いながら答えてくれた。
萩原さんは自身の事を「内向きで活発ではなかった」というけれど、フロントで接客をしている時の姿や同僚と話すときはとても楽しそうに見えた。
きっと多くの経験のなかで、この会社で変わろうとした結果なのかもしれない。
『“YES”といえる人』よりも『“YES”といいたい人』の方が向いている。
その言葉は強く印象に残った。
全てに“YES”というと人生が変わる。
彼女はそれを体現しようとしている。