「インドネシア」と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
バリ島のリゾート?ナシゴレン?あるいは、日本に働きに来る外国人労働者?
どれも間違いではありません。でも、2026年のインドネシアは、皆さんが想像するよりもずっとダイナミックで、ずっと「日本好き」な国になっています。
今日は、私がインドネシア人材ビジネスの現場で肌で感じている「インドネシアの"今"」を、2つの切り口からお伝えしたいと思います。
■ 切り口1:インドネシアで今、何が流行っているのか
驚くかもしれませんが、2025年にインドネシアのGoogle検索でレシピ部門第1位になったのは、「抹茶レシピ」でした。
ジャカルタの街を歩けば、おしゃれな抹茶バーが次々とオープンしています。インドネシア人の半数以上が抹茶ドリンクやスイーツの存在を知っていて、若者たちの間では「マッチャコア」というグリーン系のファッションスタイルまで生まれました。検索数は前年の2.5倍です。
でも、もっと面白いのは、抹茶が単なる「美味しい飲み物」としてではなく、「日本的な落ち着き、ミニマリズム、上品さ」の象徴として受け入れられているということ。インドネシアの若者にとって、抹茶は「ライフスタイル」なんです。
エンタメの世界も変化しています。2025年にデビューしたポップグループ「No Na」は、ガムラン(伝統的な打楽器合奏)や西ジャワの竹笛「スリン」をポップスに取り入れた楽曲「Work」でTikTokを席巻しました。ストリーミングの視聴シェアでは、ついにインドネシア国産コンテンツがK-dramaと肩を並べ、それぞれ30%に達しています。
自国の伝統文化に誇りを持ちながら、日本文化にも深い親しみを感じている。それが今のインドネシアの若者のリアルな姿です。
■ 切り口2:インドネシアの若者が憧れる「日本」
では、具体的にどんな「日本」に彼らは惹かれているのでしょうか。
まず、日本食。丸亀製麺はインドネシア全土で大成功を収め、うどんは最も人気のある日本食のひとつになりました。一風堂のラーメンにも長蛇の列ができています。
次に、アニメ・マンガ。2025年6月に開催されたAnime Festival Asia Indonesiaは大盛況で、UNIQLOのマンガコラボTシャツ(UTコレクション)の認知率はなんと88%。サンリオキャラクター、特にシナモロールやクロミの人気は爆発的です。
そして最も注目すべき変化は、「本物志向」への転換です。
JETROの報道によると、インドネシアの若者は海賊版やコピー品から離れ、公式ライセンス商品や本物の体験を求めるようになっています。公式のワンピースカフェには行列ができ、「安いコピーより本物がほしい」という価値観が20代・30代で急速に広がっている。
これは、K-popやK-dramaの華やかさとは少し異なる、日本文化独自の魅力——「静かな美意識」「品質へのこだわり」「職人気質」——が、しっかりと評価されているということではないでしょうか。
■ "一緒に働く"ということ
SNSユーザー1億8,000万人、TikTokを検索エンジンのように使いこなすデジタルネイティブ。抹茶の繊細な味わいに共感しながら、自国の伝統音楽をポップスに昇華させるクリエイティビティ。
そんな彼らが、特定技能という制度を通じて、日本の企業で働くためにやってきます。
皆さんの会社に明日やってくるインドネシア人材は、もしかしたら昨日TikTokで抹茶スイーツの作り方を検索し、No Naのダンスチャレンジを楽しみ、UNIQLOのワンピースコラボTシャツを着ているかもしれません。
彼らの文化的な背景や、日本への本物の関心を知ること。それが「一緒に働く」の第一歩になると、私は信じています。
インドネシアの"今"に少しでも興味を持っていただけたなら、嬉しいです。