こんにちは。
ラシンの茂木です。
仕事をしていると、「今の自分には少ししんどいな」と感じる瞬間があります。
社会人9年目になりますが、私自身もたまにそう感じる瞬間があります。
やることが多い。
考えることが多い。
求められるスピードが速い。
これまでのやり方では、明らかに追いつかない。
そういう状態になると、人は「自分のキャパを超えている」と感じます。
もちろん、無理をし続けることが良いわけではありません。
心身を壊してまで働くことは、努力ではなく、ただの消耗です。
ただ一方で、自分の基準が上がる瞬間は、多くの場合、この「少ししんどい」と感じる場所にあるのではないかと思います。
基準を上げるとは何か
たとえば、これまで自分の中で「10件」が限界だったとします。
10件対応すれば、かなり頑張った感覚がある。
10件を超えると、余裕がなくなる。
自分の中では、それがキャパシティの上限になっている。
このとき、「10件が限界です」と決めてしまえば、そこで成長は止まりやすいです。
もちろん、10件を丁寧にやることにも価値はあります。
ただ、いつまでも10件を限界として扱っている限り、自分の仕事の基準は10件のまま変わりません。
基準を上げるというのは、この10件という上限を、自分の中の「普通」に変えていくことだと思います。
今までは限界だと思っていた量や質を、当たり前にできる状態にしていく。
そのために、自分のやり方を見直し、時間の使い方を変え、考える順番を変え、無駄を削っていく。
単に気合いで量をこなすことではなく、今までの自分のままでは対応できない状況に対して、自分の仕事の仕方そのものを変えていくこと。
それが、基準を上げるということなのだと思います。
しんどさは、思考の入口になる
仕事における成長は、できることをただ繰り返しているだけでは起きにくいです。
慣れた仕事を、慣れたやり方で、慣れた量だけこなしている状態は、安定はします。
ただ、その安定の中では、自分の限界値はあまり更新されません。
一方で、少し負荷がかかる状況になると、自然と考えざるを得なくなります。
どうすればもっと早くできるのか。
どこに時間がかかっているのか。
本当に自分がやるべきことは何か。
人に任せられる部分はないか。
そもそも、この進め方は正しいのか。
こうした問いが生まれるのは、今のやり方では足りないからです。
逆に言えば、負荷がない状態では、やり方を変える必要がありません。
変えなくても回ってしまうからです。
人は基本的に、必要に迫られないと自分のやり方を疑いません。
だからこそ、「しんどい」と感じる瞬間には意味があるのだと思います。
それは、自分の能力が足りないというサインであると同時に、自分の基準を更新する入口でもあります。
ただし、限界突破と破綻は違う
一方で、ここで間違えてはいけないことがあります。
基準を上げることと、無理をして破綻することはまったく違います。
これまで10件が限界だった人が15件に挑戦する。
それ自体は、成長の機会になると思います。
ただ、その結果として一つひとつの対応が雑になり、お客様への返信が遅れ、
確認漏れが起き、品質が落ちてしまうのであれば、
それは基準が上がっているのではなく、ただ仕事が崩れているだけです。
仕事において大前提となるのは、お客様に価値を届けることです。
自分の成長のために挑戦することは大切です。
ただ、その挑戦によってお客様に迷惑をかけてしまえば、本末転倒です。
自分のキャパシティを広げるために仕事をしているのではなく、あくまでお客様や組織に対して責任を果たすために仕事をしています。
だからこそ、基準を上げるときには、「ただ抱える量を増やす」のではなく、「品質を保ったまま、どうすればより多くのことを前に進められるか」を考える必要があります。
ここに思考が必要になります。
自分だけで抱え込むのか。
早めに相談するのか。
優先順位を変えるのか。
仕組み化できる部分はないのか。
誰かに任せるべきことはないのか。
そもそも受けるべき仕事量なのか。
こうした判断をせずに、ただ気合いで限界を超えようとすると、どこかで必ず歪みが出ます。
本当の意味で基準が上がるというのは、無理をして一時的に量をこなすことではありません。品質を落とさず、周囲との連携も保ちながら、以前より高い水準で仕事を進められるようになることです。
そのためには、自分の限界を無視するのではなく、自分の限界を正しく把握する必要があります。
今の自分には何ができて、何ができないのか。
どこまでは責任を持てて、どこからは周囲の力を借りるべきなのか。
何を変えれば、同じ時間でもより良い成果を出せるのか。
限界を知ることは、成長を諦めることではありません。むしろ、限界を正しく知っているからこそ、そこからどう広げていくかを考えられるのだと思います。
キャパシティは固定されたものではない
自分のキャパシティは、ある程度決まっているように見えます。
自分はここまでしかできない。
これ以上は抱えられない。
今の量で精一杯だ。
そう感じることは自然ですし、実際にその時点ではそうなのだと思います。
ただ、そのキャパシティは固定されたものではありません。
大事なのは、キャパシティを「量」だけで捉えないことです。
多くの仕事を抱えられる人は、単に体力がある人ではありません。仕事の整理の仕方、優先順位のつけ方、意思決定の速さ、周囲との連携、完璧を求めすぎない判断など、いくつもの要素によって結果的に多くのことを前に進めています。
つまり、キャパシティが広がるというのは、根性がつくことではなく、仕事の構造を捉える力が上がることなのだと思います。
10件でいっぱいいっぱいだった人が、15件を対応できるようになるとき、単純に作業時間が1.5倍になっているわけではありません。
無駄な確認が減っている。
判断の迷いが少なくなっている。
優先順位が明確になっている。
最初から完成度を上げすぎず、適切なタイミングで相談できている。
自分の中に、仕事を進める型ができている。
そうやって、仕事への向き合い方そのものが変わっていきます。
成長とは、普通の水準が変わること
成長という言葉は、少し曖昧です。
スキルが増えること。
成果が出ること。
任される範囲が広がること。
できなかったことができるようになること。
どれも成長だと思います。
ただ、もう少し本質的に考えると、成長とは「自分にとっての普通の水準が変わること」なのではないかと思います。
以前は大変だったことが、普通にできるようになる。
以前は時間がかかっていたことが、短い時間でできるようになる。
以前は見えていなかった論点が、自然と見えるようになる。
以前は誰かに言われてから気づいていたことを、自分で先に考えられるようになる。
こういう変化は、外から見ると劇的ではないかもしれません。
ただ、自分の中では確実に基準が変わっています。そして、その基準の変化が、次の挑戦を可能にしていきます。
10件が普通になれば、次は15件をどう進めるかを考えられる。
15件が普通になれば、次は量だけでなく質をどう上げるかを考えられる。
そうやって、自分の中の当たり前が少しずつ書き換わっていく。その積み重ねが、結果的に成長と呼ばれるものになるのだと思います。
基準を上げることは、楽なことではありません。
今の自分にとって少し背伸びが必要な場所に立つことですし、これまでのやり方を否定する場面も出てきます。時には、自分の力不足を感じることもあります。
ただ、そのしんどさの中でしか見えないものがあります。
どうすればできるのかを考え抜くこと。
自分の仕事の進め方を疑うこと。
高い基準に触れ、自分の普通を更新していくこと。
成長は、特別な瞬間に起きるというより、今まで限界だと思っていたものを、少しずつ普通に変えていく過程にあるのだと思います。
お客様への責任を果たし、品質を守り、そのうえで自分のやり方を見直し続けること。その積み重ねによって、かつての限界は少しずつ現在の基準に変わっていきます。
基準を上げるとは、自分に無理を強いることではなく、自分の可能性を固定しないことです。そして同時に、責任ある仕事の中で、自分の器を少しずつ広げていくことなのだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!