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こんにちは。
ラシンの茂木です。
最近、メンバーや友人との対話のなかで「ゼロ百思考」という言葉を連続して耳にする機会があったので、「ゼロ百思考」について考えてみました。
ゼロ百思考とは、物事を“ゼロか百か”で捉えてしまう思考傾向のことです。
全か無か、オール・オア・ナッシングとも言われますが、共通しているのは中間が見えなくなり、「できる/できない」「成功/失敗」と二択で判断してしまう点です。
一見すると、はっきりしていて、判断軸が明確で迷いが少ないように見えます。
ただ、ビジネス、仕事の現場はほとんどが曖昧さを含んでおり、割り切れない状況の中で意思決定をしていく必要があるかと思います。
コミュニケーションこそ影響が大きい
ゼロ百思考は、コミュニケーションの場面で特に影響を及ぼします。勤務年数に関係なく、言葉の受け取り方がゼロ百になっている人ほど、人間関係に苦しみやすい印象があります。
上司からのフィードバックも「否定された」と受け取ってしまうことがあるかもしれません。また誰かの言葉の一部だけを切り取って「否定された」と感じる。あるいは、自分の意図が100%伝わる前提で話し、わずかな齟齬に過敏に反応してしまう。
ただ本来、コミュニケーションは曖昧さや前提のズレがあることを前提に成り立っています。そこには行間があり、文脈があり、解釈の幅があります。ゼロ百的な捉え方だと、この“幅”が消えてしまうので、小さな違和感が大きな問題として見えてしまいます。
反対に、行間のわずかな揺らぎを受け取れるようになると、相手の真意に近づけるようになり、「この人はわかっている」と信頼を得ることも増えていきます。これは能力というよりも、姿勢や認知の柔らかさの問題かと思います。
中間を扱える人は、変化を扱える人でもある
ビジネスの現場では、単純な“正解”よりも、状況に応じた“最適”を選び続けることが求められます。そのために必要なのは、白黒で判断する軸ではなく、状況に応じて濃淡を読み替える柔らかさです。
方向性が60%でも進む場面があるし、10%の違和感を拾って調整することもある。この“揺れ幅”を前提にできる人は、変化を恐れず挑戦でき、その結果として成長の速度も自然に高まっていきます。
ゼロ百思考を完全に手放すというよりも、「その間にある段階を観察できる視点を持つ」ことが、仕事の質を支えてくれるのだと思います。
ゼロ百の外側に広がるもの
ゼロ百思考の背景には、自分を守るための反応があると思います。失敗したくない、傷つきたくない、見落としたくない。どれも自然な感情です。
ただ、その“間”を見られるようになると、自分のミスも他人のミスも極端に評価せずに済みます。完璧な判断を求めるのではなく、段階を観察しながら前に進む。
その姿勢があれば、失敗も過剰に恐れる必要はなくなり、コミュニケーションの齟齬も調整可能な揺らぎとして扱えるようになる。
ゼロか百かではなく、間にある濃淡をどう読み取るか。
その視点を持つだけで、仕事の景色は少しだけ落ち着き、少しだけ遠くまで見えるようになる気がしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!