うだるような暑さが続き、いよいよ夏本番。
CONNECT FARMのある長野県上水内郡飯綱町では、照りつける日差しのなか、極甘とうもろこし「金太郎」の収穫時期が近づいています。
育ち具合を確かめながら、収穫のタイミングを見極める。同時に、予約や発送の準備も進めていく。畑のまわりは、一年のなかでも特に慌ただしい季節を迎えています。
そんな夏の畑を、IT企業であるコネクトが運営していると聞くと、少し意外に感じるかもしれません。
「IT会社が、なぜとうもろこしを?」
私たちにとって農業は、これまでの事業と切り離されたものではありません。良いものを育て、その魅力が伝わる形を考え、必要とする人へ届ける。そこには、コネクトが培ってきたITや事業づくりの知見を活かせる場面がたくさんあります。
とうもろこし「金太郎」を通して、コネクトが農業で何を目指し、エンジニアがどのように関わっているのかをお伝えしたいと思います。
生でも味わえる、極甘とうもろこし「金太郎」
まずは、「金太郎」がどのようなとうもろこしなのか、少しお話しします。
「金太郎」は、長野県上水内郡飯綱町でコネクトが育てているとうもろこしです。一般のお客さま向けのEC販売を中心に、百貨店や料理店への卸売も行っています。2022年から、毎年育成と販売を続けてきました。
品種は、プレミアム味来85。糖度は18度で、フルーツのような甘さと、粒をかじったときにはじけるみずみずしさが特徴です。

コネクトファーム|生で味わうとうもろこし|CONNECT FARM
私たちは、「届いたら、まずは生で食べてみてください」とご案内しています。
「とうもろこしを生で?」と驚く方もいるかもしれません。いつもなら火を通して食べるものを、収穫されたばかりの果物のように味わう。そう考えると、少しイメージしやすいでしょうか。
とうもろこしなのに、果物のように甘い。この意外さが、「金太郎」の面白いところです。
毎年、販売を楽しみにしてくださる方もいます。正直に言うと、一般的なとうもろこしと比べて、少しお値段が張るかもしれません。それでも、「これまで食べたとうもろこしの中で一番おいしい!」と声をかけていただくことがあります。
こうした言葉をいただくと、本当にうれしいものです。今年も良いものを届けたいと、あらためて思います。
畑で育っている一本のとうもろこしが、誰かの夏の記憶になる。そう考えると、少し不思議で、とても良い仕事だと感じます。
社内も少しそわそわ、コネクトの夏の風物詩
梅雨が明け、蒸し返すような暑さのなかでセミが鳴き始めるころ、「金太郎」は社内でも話題にのぼるようになります。コネクトにとって、夏の風物詩のような存在になっているのかもしれません。
収穫したとうもろこしを、社員に配ることがあるからです。
採れたままの生とうもろこしを渡すこともあれば、以前にはコーンパンにして配ったこともありました。
畑から届いたとうもろこしが、今度はパンに姿を変えて、手元に届く。とうもろこしから見れば、少し長い旅です。そんなふうに、毎年違った楽しみ方が生まれるのも面白いところです。
こうした出来事は、社内だけではありません。
コネクトが東京都千代田区九段で運営する「整体骨盤調整コネクト」では、施術を受けてくださったお客さまに、とうもろこしをお裾分けしたこともあります。
施術を受けた帰りに、思いがけずとうもろこしを受け取る。小さなサプライズですが、こうした出来事をきっかけに、「金太郎」と人との距離がぐっと近くなります。
商品として購入するだけではなく、誰かに分けたくなったり、食べた感想を話したくなったりする。そんな気持ちが自然に生まれることも、「金太郎」が持つ魅力の一つだと思います。
良いものが、きちんと評価されるために
では、なぜコネクトが農業に関わるのでしょうか。
私たちが向き合っているのは、単に農産物をつくり、販売することではありません。
地域で育った良いものが、その価値に見合う形で評価をされる。そして、その価値が生産者や地域へ戻っていく。私たちは、そんな流れをつくりたいと考えています。
この背景にあるのは、「地域で採れたものを、地域で食べる」という地産地消の考え方です。これは、とても大切な考えです。
しかし一方で現実には、良いものをつくっていても、販路や届け方が整っていないために、その価値が十分に伝わらないことがあります。時間をかけてつくったものでも、見せ方や届け方が少し違うだけで、受け取られ方は変わってしまいます。
これは、農業に限った話ではありません。良い技術やサービスも、必要としている人に届かなければ、その価値は見えにくいままです。
本当に良いものが、きちんと評価されること。その価値が価格や体験として伝わり、生産者や地域へ還元されていくこと。
CONNECT FARMは、その流れをつくるための取り組みです。
選ばれる価値へ変えていく
もちろん、味は大切です。
「金太郎」も、おいしくなければ、ここまで続けてこられなかったと思います。
ただ、おいしければ、それだけで十分かというと、なかなかそうはいきません。
商品名がどのように見えるのか。どこで販売するのか。購入した人が、どのような気持ちで受け取るのか。そうした一つひとつの積み重ねが、商品を選ぶ理由になります。
たとえば同じ服でも、雑然と並べられている場合と、ブランドの世界観が伝わる店舗に並んでいる場合では、受ける印象が変わりますよね。
服そのものが変わっていなくても、見せ方によって、そこから感じる価値や物語は変わります。農産物にも、それがいえますよね。
味だけでなく、名前や見せ方、届ける場所、受け取るまでの体験を考える。そこまで設計して、ようやく商品の価値が伝わっていくのだと思います。いわゆるブランディングということですね。
コネクトの主軸であるITや他の事業を通じて培ってきた知見も、ここで活かされています。
例えば、コネクトのアパレル事業「nana-nana」です。
アパレルも、品質が高いだけで自然に選ばれるわけではありません。どのような世界観で見せ、誰にどう受け取ってもらうのかまで考えながら、商品をつくっています。
その考え方は、とうもろこしにもつながっています。畑で育てたものを、ただ出荷するのではなく、その価値を理解してもらえる場所へ届ける。
「金太郎」が東京の大手百貨店や料理店でも扱われているのは、その一例です。どこで扱われるかによって、商品の見え方は変わります。
価値を理解してくださる場所で扱っていただくことで、「金太郎」は単なるとうもろこしではなく、特別な食材として受け取られやすくなります。
畑で育てるところから、誰にどのように届けるかまで。
その全体を考えることが、コネクトの農業です。
とうもろこしとエンジニアの関わり
CONNECT FARMには、自社のエンジニアも関わっています。
エンジニアの役割は、もちろん、とうもろこしを育てることそのものではありません。畑で育ったとうもろこしを、お客さまへきちんと届けるための仕組みをつくることです。
とうもろこしの収穫時期は、天候や気温によって変わります。そのため、予約の受け付けや商品情報の発信、発送の準備も、畑の状況と切り離して考えることはできません。
そこでエンジニアは、ECサイトの作成や改善、データ分析、購入しやすい導線づくりに取り組んでいます。現在は、自社の決済サービス「CONNECT PAY」との連携も進めています。
こうした仕組みをつくるうえで大切なのが、実際の現場を知ることです。画面の前にいるだけでは、収穫までにどのような作業があり、届けるまでのどこに難しさがあるのかは、なかなか見えてきません。
現場で起きていることを知り、「どのような情報が必要か」「どうすれば購入しやすくなるか」と考え、仕組みに置き換えていく。
農業とITは、遠い分野に見えるかもしれません。けれどCONNECT FARMでは、畑の状況を起点に、販売や購入の仕組みを改善するために技術を使っています。
異なる現場で得た経験が、次の仕事につながる
現場と技術をつなぐ仕事は、農業だけに限った話ではありません。業界が変われば、向き合う課題も、利用する人も、必要とされる仕組みも変わります。
コネクトは、事業をつくる力を農業だけでなく、複数の領域へ展開しています。
なのでエンジニアに求められるのは、決まったものを同じ方法でつくり続けることではありません。それぞれの現場を知り、何が課題なのかを考え、その事業に合う仕組みをつくる柔軟性です。
とうもろこしをどう届けるか考えた経験が、別の事業で利用する人の動きを想像する力につながる。ある事業で得た技術や視点を、次の事業の改善に活かす。コネクトでは、そうした経験を重ねていくことができます。
異なる事業や課題に向き合うたびに、エンジニアとして見える範囲は少しずつ広がっていきます。技術だけでなく、現場や利用する人、事業そのものを捉える力も磨かれていきます。
一つの領域だけでは出会えない問いに触れながら、試し、学び、次の仕事へ活かしていく。そうした経験を積めることが、コネクトで働く面白さの一つだと思いますね。