今回は私が思わず一目惚れしてしまったMVを、映像のプロの視点から分析していこうと思います。
こちらは私の主観によるものです。
MVの解釈は視聴者の数だけ存在すると思っておりますのでその点はご了承ください。
1つ目は2022年、私が一番多く視聴したMVです。
映像編集は、にへ さんです。
Awake Now / 雄之助 feat. 初音ミク【Music Video】
一目惚れポイント
・カラーの統一性
・グラフィックデザイン
カラーの統一性
このMVは黄色と黒、2色のベースカラーで作られ、
サビのミクのイラストのカラフルがアクセントカラーとなっています。
初心者の頃は、よりたくさんの色を使った方が豪華に見えていいという思考に陥りがちですが
色は少なければ少ないほど世界観が統一されて動画が締まります。
このMVの楽曲は『Awake Now』今、目覚めろ ということで
覚醒状態の黄色と睡眠状態の黒をベースにすることで上手く曲の歌詞とリンクしていますよね。
黄色と黒の背景はミクの覚醒・半覚醒の概念を表し、イラストのミクだけを通常の配色にすることで
浮いた存在、つまりこれはミクの心の中を描いた情景なのだとわかります。
そしてラスサビで背景色にアクセントカラーであったカラフルをベースカラーで使用することで
完全に目覚めたという印象を抱かせています。本当に色の使い方が上手いです。
グラフィックデザイン
MV制作に共通していることはいかに視聴者を退屈させないかという絵作りです。
にへさんが作る映像は、何もない隙間ができないように要素をぎっしりと詰め込み、
飽きさせない工夫をしています。
さらにデザイナーさんが作った歌詞テロップデザインを一つ一つ丁寧に動かしています。
これは結構地味で大変な作業だったとご本人も仰っていました。
映像をどこで切り取ってもカッコいいMVは、細かいこだわりと弛まぬ努力によって生み出されています。
2つ目
編集担当はみや。さんです
【MV】ANAMNESIS / 棗いつき
素晴らしいポイント
・斬新な枠
・躍動感とフレーム数
斬新な枠
このMVはサビ以外はずっと上下に ANAMNESIS の枠があります。
ここまでインパクトがあり大きく常に表示する枠は珍しいです。
大胆な枠とかっこいいテキストモーションで視聴者の心をガッチリと掴んでいます。
躍動感とフレーム落とし
このMVめちゃくちゃかっこよくないですか?
テキストアニメーション
カメラモーション
アクセントで入るオレンジの稲妻
これにはフレーム数を少なくする、AEで言うポスタリゼーション時間が使われています。
実際の映像が29.97フレームで作成された映像だとしたら、わざと20フレームなどに落として
わざとカクカクさせた動きを作っています。
かっこいい映像作りにはヌルヌルと動く映像と、少しカクカクするパラパラ漫画のような映像を
組み合わせることが多いです。
2分20秒あたりがわかりやすいと思います。
サビ前とラスサビでメリハリをつける方法の一つとして用いられています。
Awake Nowは色で展開を持たせていましたが、こちらはモーションでサビを盛り上げていますね。
以上。私の一目惚れした映像でした。
他にも語りたい素晴らしポイントは無数にありますが
長くなりすぎるのでまた別の機会に話せたらと思います。