こんにちは。佐藤carboと申します。
私は今、RPA技術に携わって7年目を迎えています。
この連載では、私が1年目から現在に至るまでの成長や失敗の経験を振り返りながら、皆さんにお伝えしていきます。
今回は、私が2年目に取り組んだ18案件のロボット作成と、共に入ったメンバーとの衝突を通して学んだことについてお話しします。
新たなる挑戦──求められるスキルと責任の重さ
2年目に突入した私は、1年目からの経験を活かしつつ、さらに多くのプロジェクトに挑戦する機会を得ました。この年、私たちは18案件にも及ぶロボット開発を担当することになったのですが、業務内容も複雑化してきたのがこの頃でした。
1年目はお客様も「RPAとはどんなものか」という手探りの状態でした。ですが、RPAには確かな効果があるということがわかり、2年目の始め、私たちは経理業務の売上集計の自動化に挑戦することになったのです。
大手の企業様では売上の際に使用するファイルやフォーマットも多岐に渡ります。この案件の実現には
- 複数の経理システムに個別の大量のパラメータを渡してファイルをダウンロード
- マクロでデータの加工
- データチェック
- 集計結果のメール送信
- システムのマスタ変更
など、複数の機能を一つにまとめたロボットが必要でした。また、数値や処理の妥当性を判断するため、お客様の経理業務自体への理解も求められました。更に売上の数字を扱うという責任の重さもそれに加わります。
自分1人では実現できません。3名体制で2ヶ月間をかけて試行錯誤を重ね、ようやくリリースにこぎ着けることができました。今でも非常に思い出深いロボットです。
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その後は紆余曲折もありながら、比較的シンプルなロボットや同じ種類のロボットを複数のユーザー様に展開できるロボットなどのリリースを経て、1年で18のロボットを作成することができました。初めはすべての案件を無事に進められるのか不安でいっぱいでした。しかし、1つ案件が完了するごとに少しずつ自信がつき、スピード感も増していきました。効率よく開発を進めるため、RPAツールのショートカットや、エラーログの分析方法なども徐々に習得していき、業務の幅も広がっていきました。
すれ違いと葛藤──チームメンバーとの衝突
ただ、案件を担当する中で避けられなかったのが、チームメンバーとの衝突です。同時期に入社した仲間とは、役割や責任について意見の対立が起きてしまいました。日々全力で業務にあたるなかで目を背けてきた小さな不満が重なり、ある日、私たちの言い争いはエスカレートし、口論に発展してしまいました。責任の押し付け合いになってしまったのです。プロジェクトの進行を優先するあまり、気がつけば信頼関係が少しずつ崩れ始めているようにも感じていました。そんな状況の中で、私たちは一度、冷静に話し合う場を設けることにしました。
乗り越えるための話し合いと改善策の模索
話し合いの場では、お互いの意見を一方的に押し付けるのではなく、まずは相手の考えを尊重して聴くことから始めました。私も、自分の意見だけでなく、相手の意見を理解するために努めることが大切であると反省し、耳を傾けました。すると、私と同じように彼も、案件の成功を強く望んでおり、プロジェクトをスムーズに進めたいと考えていたことがわかりました。
この話し合いの結果、私たちは以下の2つの改善策を導入することにしました。
タスクの優先順位付けを明確にする
各案件の緊急度や重要度を事前に擦り合わせ、タスクの優先順位を明確にすることで、互いの混乱を防ぐようにしました。具体的には、毎日短時間のミーティングを設け、その場でお互いの案件の進捗や課題を共有し、どの案件から進めるべきかを協議しました。
担当作業と責任範囲を明確化する
それまで私たちは、特に役割を決めずに作業を進めていました。それをロボット単位、タスク単位で担当をしっかり分担し、作業の担当についても事前に打合せすることで、どちらが担当しているか不明瞭なタスクを無くすようにしました。もちろんクロスチェックは行うのですが、責任の範囲と役割を明確化することで言った言わないのすれ違いも減少し、効率的に業務を進めることができるようになりました。
このような話し合いを通して、私たちはチームとしての一体感を取り戻すことができました。意見の違いがあっても、お互いが補い合い、共通のゴールに向けて努力することができたのです。
チームとしての成長と次への展望
2年目は18件の案件を通じて、RPA開発の技術だけでなく、チーム内の調整力や信頼関係の重要性も学びました。各案件が無事にリリースされ、お客様からの評価も上々だったことは、私にとって大きな励みになりました。チームとして一丸となることで、個人では得られなかった達成感と自信が芽生えたのです。
そして、この経験を経て、プロジェクトは新たにメンバーが増員されることになり、さらに大規模な案件にも挑戦することが決まりました。メンバー間の協力が不可欠な環境で、この2年目の経験がどのように活かされていくのかが楽しみでもありました。
次回:「新たな仲間との協力──さらなる成長への挑戦」
次回は、新しく加わったメンバーと協力して取り組んだ3年目のプロジェクトについてお話しします。
メンバーが増えることで、どのような新しい課題や学びが生まれたのか、成長への挑戦を振り返っていきます。
3年目のエピソードもぜひお楽しみに。