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【会長インタビュー】幸せを感じる場所を増やし、明日が待ち遠しい社会へ。デザイン設計・施工会社Panomaの挑戦

葭野一恵(よしのひとえ)会長

1965年東京生まれ。共立女子大学文芸学部を卒業後、東陶機器株式会社(現TOTO)に入社し営業を担当。その後2007年株式会社ヨシノスペースデベロップメント(現Panoma)に入社。2008年に同社代表取締役に就任。現在に至る。

「社員を大切にすること」で事業成長につなげていく

――Panomaの事業内容を教えてください

株式会社Panomaは「住宅リノベーション」「ヘルスケア他法人向け内装」「マンション・モデルルーム」の設計・施工を3本柱に、事業を展開しています。どの事業でも求められるのは「審美眼」。審美眼を磨きながら、人が思わず魅了されてしまう“非日常”空間をつくっています。

2019年頃から企業方針を売り上げ重視から“人を大切にする”人本主義へと大きくシフトさせ、事業成長を続けております。

2021年には女性による女性のための在宅リフォームサービス「Orcasa(オルカサ)」をスタート。2022年には調布市調布ヶ丘にサイクリスト向けのトランクルームや整備空間、コミュニケーションスペースのある「PanomaPark(パノマパーク)」をオープンしました。


――事業を受け継いだきっかけ、2019年頃から企業方針を決断された理由をうかがえますでしょうか

後継者である弟の病死後、父親が経営する「ヨシノスペースデベロップメント(現Panoma)」を41歳で受け継ぐことになりました。いざ入社すると、業績のある社員はどんどん独立してしまい、会社に残ったのは20代後半の数名の社員のみ。売り上げは23憶円減――そんな状況のなか、利益を追い求め高い給料を払うことがよい会社だと信じて、業績向上のみを目的に無我夢中で走ってきました。

しかし、どんどん摩耗していく社員をみていると「本当にこれでいいのだろうか」と自問自答するようになったんです。利益を積み上げた先に何があるのだろうか、そう思ってしまいました。

社員を幸せにするにはどうしたらいいのか――真剣に悩みましたね。それで、出した答えが「お客さまから感謝されること」です。お客さまに感謝されることで喜びを得て、それが社員の成長につながり、次の仕事につながっていく……。そう考えるようになりました。

そのためにまず取り組んだのは、下請けを脱却し元請けになることです。下請けの仕事はエンドユーザーと直接やり取りしないので、実は感謝されることが少ないのです。半年間の準備期間を設け、プロモーション動画やパンフレットを作成し事業モデルを刷新しました。サービスを変えたわけではなく、顧客ターゲットを変えただけなのでスムーズに元請けに移行することができました。

事業目的を明確にし、戦略と戦術を活かす

――その答えを導き出すきっかけはあったのですか

会社のありかたについて悩んでいた時期に税理士の赤岩茂先生のお話を聴く機会がありました。心に触れるものがあり、講演後の懇親会で名刺交換をさせていただくと、翌日先生から著書が送られてきました。

送っていただいた本を夢中で読み、先生が講師を務める千葉商科大学の「中小企業人本経営(EMBA)プログラム」にさっそく申し込みました。そこで同じ想いをもつ多くの経営者と一緒に学んできました。


――そこで学んだことは?

それまではがむしゃらに会社を経営していましたが、やはりビジネスは気合、根性だけではダメなんですよね。プログラムを通して、経営戦略や戦術を学びなおしました。同時にミッション・ビジョンも策定し、事業目的を明確に掲げました。

「審美眼に基づいた提案を通じて、あらゆる人にBestPlaceを届ける」です。目的、目標が定まったことで事業戦略が立てやすくなり、また社員も動きやすくなったと思います。

そして、その奥にはPanomaが掲げる「世界観」があります。

「幸せを感じる場所を増やすことで、明日が待ち遠しい社会をつくる」

というのがそれ。

内装空間デザインを通じて、働く人・暮らす人達が日々幸福感をもって過ごしてもらい、笑顔で過ごす時間を増やす。結果として世の中の笑顔の総量を私たちPanomaが増やしていく、そんな仕事を通じて社会に貢献することです。


――社員教育や育成のために行っていることはありますか

業績に関係なく、社員教育を最重要課題として優先的に予算を組むようにしています。今まではごく一般的な研修を新人にだけしていたのですが社員全体の教育に力を入れるようになり、2カ月に1度、外部講師を招いてセミナーや理念会議を開いています。

中でも特徴的なのは「審美眼研修」でしょうか。弊社の場合、「美的センス」も売りのひとつです。話題のホテルがオープンすると、ホテル見学会を開いて「内装のどの部分がグッときたか」など、意見交換するようなクリエイティブな研修も行っています。

新規事業を立ち上げて幸せを感じる場所を増やす

――新規事業「Orcasa(オルカサ)」を始めたきっかけはありますか。

ORCASA - 女性による女性のためのリフォーム -
女性現場監督と女性コーディネーターによる、安心で快適なリフォームを提供いたします。 1966年創業の豊富な経験・・・
https://orcasa.jp/

過去の施工現場において、女性の一人暮らしの方から

「できれば女性に施工してほしい」

「家の中に男性が入るのに抵抗がある」

「家を隈なくみられるのが嫌」

など、多くの要望をいただいていました。以前はtoBの仕事をメインに受けていたので、このような個人の要望にお応えできずにいました。

女性のプランナーだけでなく、女性の現場監督がいるのもPanomaの特徴です。実は業界では、女性の現場監督が非常に少ないんです。特別な商品をつくるというより、女性だけでチームをつくり、リフォームのお手伝いできるのも、Panomaのサービスとしてふさわしいサービスかと考えて新規事業として取り組み始めました。


――なぜ女性の現場監督がいるのですか

インテリアに興味がある方は男女問わず多いので、入社希望者も男女同数程度です。仕事を覚えていき現場を任せられるようになるスピードも男女の違いはありません。必然的に女性も多く活躍できる仕事になっています。

当社の男女比は5対5です。クライアントからの仕事は営業・デザイン・設計プランナー・現場管理がありますが、どの仕事も男女の希望者がおりますので、女性の現場監督も男性と同じように成長してくれています。男性と女性の差をつけない社風が女性監督が存在する理由ではないでしょうか。


――他にはどのような新規事業がございますか

先にもお伝えしましたが、調布市にフィールドスポーツ向けの地域密着型複合施設「PanomaPark(パノマパーク)」を2022年4月にオープンしました。


調布にPanomaPark OPEN! | 株式会社パノマ
4月16日調布市調布ヶ丘で【PanomaPark】OPEN!地域の皆様の為コミュニケーションスペース『LIVINGGARAGE』ではキッチン・トイレ・テラスが無料開放。 その他シェアハウス/ドッ...
https://www.wantedly.com/companies/company_1501918/post_articles/390504


調布市は多摩川沿いにサイクルロードがあり、多くのサイクリストたちが集まります。そこで、Panomaが所有していた約350坪の古い倉庫をリノベーションし、モデルルームで使用した家具や小物などを再利用ながら、趣味でつながれる場をつくりました。

サイクリスト向けのトランクルームがある他、2階建ての「STAIRS」にはプロ仕様の工具をそろえ、メンテナンススぺースでゆっくりと自転車の手入れができるようにしています。交流もできるように、ラウンジも用意しました。

サイクリストに特化したシェアハウス「ESTALIST」や交流の場「LIVING-GARAGE」もあり、今までにはない新たなコミュニティスペースとなります。

ヘルスケアやアンチエイジング、フォットネスなど、将来性のある業界にコミットしながら今後も新たな事業展開を考えています。まだお伝えできませんが、すでに4つ目の事業も計画中です。


――すばりPanomaが採用したい人材とは?

Panomaの一員として、チームワークを大切にする方を求めています。

そして、お客さまと一緒に喜びを分かち合えるコミュニケーション力のある方です。当然当社が掲げる、世界観や事業目的に共感していただけたらうれしいですね。

私含めて社員一同、長くやりがいを持って働ける環境を整えることに専念していますので、そこで喜びを感じながら仕事にと組める人を、ひとりでも多く増やしていきたいです。

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