2025年4月30日付のプレスリリースの通り、株式会社おてつたびはシリーズAラウンドにて2億円の資金調達を実施いたしました。
この調達をきっかけに各ポジションの採用を強化していきます。今回の記事では、普段はあまり語られることがない、縁の下の力持ち『おてつたびのエンジニア』にスポットを当てます。
「おてつたびエンジニアが、技術を駆使して目指す世界とは?」
プロダクト戦略顧問(元マクアケ取締役CTO)の生内洋平さん、リードエンジニアの川尻智樹さん、おてつたび代表の永岡里菜さんに、ざっくばらんにお伺いしました!
写真中央:生内洋平さん
1979年生まれ。幼少期は家業で盆栽の栽培販売に携わり、大学時代はラジオパーソナリティ兼バンドマスターとして活動。音楽業を経てアートディレクターとして企業・行政のCI/VIを手がけた後、複数の起業を経験。Flipdeskを開発した株式会社SocketをKDDI(Syn.HD)へバイアウト。国内外での顧問業を経て株式会社マクアケCTO・取締役として上場を牽引。2024年に退任し、現在は株式会社サイカの執行役員CPOを担う傍ら、株式会社おてつたびのプロダクト戦略顧問を務める。
写真右:川尻智樹さん
筑波大学を卒業後、新卒で楽天株式会社に入社し、エンジニアとして楽天トラベルおよび楽天チケットのサービスに携わる。楽天での協業プログラムを通して開発をサポートした経験をきっかけに、2020年2月に株式会社おてつたびに1人目のエンジニアとして入社。現在はリードエンジニアとして開発チームの責任者を担う。
写真左:永岡里菜さん
1990年生まれ、三重県尾鷲市出身愛知県育ち。株式会社おてつたび代表取締役CEO。日本各地にある本当にいい人、いいもの、良い地域がしっかり評価される世界を創りたいと思い、2018年7月におてつたびのサービスをスタートさせる。
目次
- 事業拡大とともに開発体制に課題。そんなおてつたびに生内氏がジョインした理由
- 機能開発だけでなく『サービス設計』にも関わり、ユーザーに価値を提供する楽しさ
- 技術の先にある『体験の設計』にこだわるためにRailsを導入
- 都市と地方を結ぶマルチプラットフォームを目指して
- 株式会社おてつたびでは一緒に働く仲間を募集しています。
- 採用Meetupも開催します
事業拡大とともに開発体制に課題。そんなおてつたびに生内氏がジョインした理由
永岡:おてつたびは2、3年前から事業拡大のフェーズに入りました。スタートアップ企業ではよくある話ですが、事業が大きくなるなかでリファクタリングと機能追加のバランスをどうとっていくべきか悩むようになったんです。
川尻:当時はプロダクトの品質が下がり、開発の業務効率も悪くなっていたんですよね。早急な改善が必要であると思っていたものの、そうすると機能開発が止まってしまう。「日々の開発に取り組みながら、どうやって事業的なインパクトを生み出していくのか」と悩んでいました。
永岡:そんな時に参加したイベントで、当時マクアケCTOだった生内さんの登壇を聞いたんです。非常に発見が多くて、会場内でそのまま相談に乗ってもらいました。その後、ぜひ弊社のアドバイザーにとお願いしたところ、ありがたいことに引き受けてくださったんです。
生内:永岡さんのお話を聞いて、おてつたびっていうコンセプトがすごく面白いと思ったんですよね。今ってWebだけで完結するサービスってもうやりつくした感じがあって、そこで人の幸せを新たに発掘するのは難しいんだろうなって思っているんです。これからは、おてつたびみたいに‟人の想い”が伝わるサービスの方が、社会を幸せにする力があるんじゃないかと思ったんですよね。
特に、社会が変化するなかで「働く」という概念も大きく変わっていくと思っていて。だからこそ、既成概念に囚われない新時代の働き方、生き方を一緒に作っていけたらいいなと思ってお話を受けることにしました。
機能開発だけでなく『サービス設計』にも関わり、ユーザーに価値を提供する楽しさ
永岡:生内さんが加わってから「自分たちはどうありたいのか」「ユーザーにどういう価値を与えていきたいのか」という軸が改めて見えるようになってきました。取り組むべき課題の優先順位がついて、社内運営もだいぶシンプルになりましたね。
川尻:これまで生内さんをはじめ代表の永岡、PdM、営業のメンバーで集まって会社のロードマップを描いてきました。こうやって色々なチームのメンバーが集まって意見を出し合う環境ってあまりないんじゃないかと思っています。
おてつたびでは日頃から、自分の意思をプロダクトに反映できるのがすごく面白いと感じていて。PdMが作った施策やデザイナーが作ったデザインについても「ユーザー的にはこっちの方がいいんじゃないか」と提案しています。エンジニアだからここまでじゃなくて、プロダクト開発の一員として対等にディスカッションできるのがテック側の人材として面白味かなと。
前職は大企業だったこともあり、主に認証に関わる機能を開発していました。人数も多いので分業して開発する必要があるのは理解していますが、全体像が見えづらい側面もありました。おてつたびだと全部わかるんですよね。
生内:おてつたびは事業がこれからどんどん伸びていくという段階なので、プロダクト全体を見渡しながら、自分はこの部分の開発してるんだなって思えるような規模感だよね。
川尻:目線も大きく変わりましたね。ユーザー視点や企画、ビジネス的な観点を持って開発に取り組めるので、自分のパフォーマンスは上がったと思います。ユーザーが会員登録して、募集に申し込んで、レビューを書くといった一連の流れがわかる。だから、一機能を組み込む時に全体にどういう影響があるのか、そこに組み込むのがベストなのか、そもそもその施策が必要なのかPdMや他のメンバーとも話せる。
今後はAIの台頭でエンジニアの役割も変化していくと思うので、ユーザー目線で体験をデザインしていくことや、AI技術を最大限に活用できる環境の整備など、人間にしかできない領域にいかに踏み混んでいくかが、エンジニアにとって大事になるのかなと思っています。
技術の先にある『体験の設計』にこだわるためにRailsを導入
生内:川尻さんはリードエンジニアとしてチームを引っ張る立場だと思うんだけど、おてつたびのエンジニアチームってひとことで言うとどんなチームだと思う?
川尻:うーん、なんでしょう。“ユーザーに価値を届けることを起点に、各々がこだわり、やり抜くチーム”ですかね。現在はRuby on Railsの新しいバージョンのフレームワークを中心に、定番で実績のある技術を使ってサービスを作っています。もちろん他の最新技術も取り入れますが、それは本当に必要な時に導入しています。大事なのは“何を使うか”より“何を届けるか”だと考えています。
生内:なるほど。Railsを選んだ理由をもうちょっと詳しく聞いてもいいかな。
川尻:開発スピードが出せて、学習コストが低いからですね。前職ではJavaとPythonを使用していて、どちらの良さや強みも理解していますが、Railsはスタートアップ向きのフレームワークで初速を出せそうだったので採用しました。
振り返ってみると、以前は色々な技術に手を出してしまって、リファクタリングに至った大きな反省点でもあったんです。開発するにしてもRubyも書いてJavaも書いてReactも書いて……。少ない人数で早く回せるはずなのに、開発コストだけが上がることに矛盾を感じていて。技術の話もいいけど、事業インパクトがないのでもったいない。だったらRailsにして早く開発してリリースしよう!って思ったんですよね。
生内:それは素敵な話だね。おてつたびではRailsの知識があればシステム全体を把握しながら開発できる。つまり、技術を使って‟体験の設計”に集中できるということだよね。人に届ける体験のクオリティにこだわりたい人はこのチームに向いているのかもしれないね。顧客体験のために使用言語を選べるなんて参画しがいのあるフェーズだと思う。
川尻:私たちはユーザーに本当に価値のある体験を届けるために、どんな技術や設計が最適かを常に追い求めています。そのためには、ただ使える技術を選ぶだけでなく、最新の技術や新しいアプローチも貪欲に学び、深く理解し、実際に活かす力が必要です。私たちは、そんな好奇心旺盛で技術に対して真摯な姿勢を持つ仲間を探しています。
都市と地方を結ぶマルチプラットフォームを目指して
永岡:今回調達した資金にはいくつかの使途があって、そのうちのひとつがプロダクトの強化です。私たちは人材サービスをやっていますが、そもそも人材サービスをやりたかったわけではまったくなくて。「どうやったら日本各地の地域が、次世代に少しでも多く残る未来を創れるか」という想いで取り組んでいるんです。
日本はこれから本格的な人口減少社会に突入し、その皺寄せは真っ先に地方に訪れると、私たちは考えています。一人が一役だけを担う世界では、物理的に人が足りない。だからこそ、一人が何役も担い、地域外からも支える「新しい社会構造」へのシフトが不可欠です。そのための最初の接点として、私たちは"人手不足の解決”にフォーカスしています。
プロダクトも、単なるマッチングの枠に留まらず、この新しい未来を支えるための「仕組みづくり」を加速させていきたいと考えています。世界からも注目される課題先進国である日本からイノベーションを起こしたいんです。
でも、私たちはまだまだ未熟。もっといい体験を届けたいのに作りきれていなくて。「使い方がわからない」という声もいただくので、操作性も追求していきたいですね。現在おてつたびユーザーの最高年齢は84歳。老若男女が簡単に使えるサービスにしたいです。
生内:今おてつたびって働き手側のユーザーがかなり多いけど、受け入れる事業者は足りていないですよね。おてつたびのシステムって、あえて言うなら事業者にとってもまだまだ使いにくいんだと思う。誤解しないでほしいのは、もっと使いやすくすれば、それだけおてつたびを愛してくれる事業者が増えるポテンシャルがあるんだってことです。
今は事業者が増えることをユーザーは心待ちにしている状態。だからこそ、使いやすくするためにここに投資していく。例えば山奥に住んでいて普段まったくインターネットに触れていないような方でも、使いこなせるような世界を目指したいですよね。だって、そういうところにこそ、まだ提供できていない出会いの種があるんだから。
川尻:マッチングのところにも課題があって、おてつたびらしいマッチングってなんなのか?と今まさに言葉にしているところです。幸い、これまでの運営でデータはかなり蓄積できています。今後は、このデータを活用して、ツーサイドマーケット(※ユーザーと事業者、2つの顧客グループが同じプラットフォーム上で取引を行う市場構造)をより活性化させていきたいと考えています。ユーザー側・事業者側、それぞれのバランスをとりながら、マッチングの最適化に挑んでいくフェーズなので、この領域に興味がある方にとっては、非常に面白いタイミングだと思います。
永岡:課題を解決しながら、よりよいプロダクトに磨きあげていきたいですね。実は、おてつたびは昔からある仕組みだよねって地域の人に言われることがあり嬉しいんです。以前は人との繋がりがベースで、知り合いや旅人が地域のお手伝いをしていました。今はインターネットが発達して繋がりが置きざりになってしまった部分があると思っていて。だからITの力を借りて、昔ながらの地域との繋がりを今の技術を活用して紡ぎ直したいと思っています。
生内:素敵です。ユーザーと日本各地の地域をお繋ぎする、そんな未来を目指したいですね。
永岡:最近は教育機関との連携も増え「おてつたびを使ったら単位が出る」大学も出てきました。義務教育レベルでおてつたびを浸透させていきたいです。おてつたびってこれまで『旅』や『地域』のエモい部分がフォーカスされてきたんですけど、それを支えているのはエンジニアです。おてつたびはIT企業であって、テクノロジーを通じて新しい価値提供をしている。むしろそこがど真ん中なんです。
川尻:おてつたびは「人と地域をつなぐ」マッチングプラットフォームとして知られていますが、実はその裏側には、勤怠管理や労務処理といった機能も充実しています。例えば、勤怠の登録や給与計算、源泉徴収票の発行といった基本的な機能に加え、事業者様向けには労働者名簿の作成など、労務管理に必要な機能を一通り備えています。これにより、おてつたびを導入いただくだけで、煩雑になりがちな労務周りの業務もスムーズに処理でき、事業者様の手間や負担を大きく軽減できる仕組みになっているんです。
永岡:今は人材サービスの部分をゴリゴリ進めながら、次に何ができるか仕掛けていく。そのための土台作りをするタイミングだからこそ、エンジニアの採用も強化していきたいんですよね。
川尻:今回の資金調達で、エンジニアには準備期間を与えてもらったと思っています。事業者数を増やせば売上は伸びるけれど、いずれは限界が来る。その後は「相性のいいユーザーと事業者を引き寄せられるか」といった、プロダクトとしての価値が問われてくると思うのでしっかり向き合っていきたいですね。
今年以降たくさんの新機能がリリースされる予定です。開発はますます楽しくなると思いますよ。おてつたびという概念を広くわかってもらえるかは、エンジニアにかかっている。これからのフェーズを一緒に駆け抜けてみたいと思ってもらえたなら、ぜひ仲間になっていただけると嬉しいです。
株式会社おてつたびでは一緒に働く仲間を募集しています。
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最後までお読みいただきありがとうございました!