サイバーエージェントの連結売上高の約半分を担うインターネット広告事業。
1998年の創業からサービスを提供しており、運用力やAI等の技術力を強みに顧客の広告効果最大化を追求し、インターネット広告のリーディングカンパニーとして市場を牽引しています。この広告事業の運用力を支える開発をしているのが、AI事業本部 オペレーションテクノロジーDivision(以下、オペテク)です。
今回は、複雑かつ膨大な広告基盤の設計・最適化を担い、効率やスケーラビリティを追求しながら、事業全体を支える重要な役割を担っているオペテクのSolution Architectチーム(以下、SAチーム)のお話を伺いました。少数精鋭ながらも課題解決に果敢に挑むSAチームの一員として、三輪 亮介さんと三輪 拓海さんに日々取り組んでいる業務やチームが目指す未来について伺います。
プロフィール
■三輪 亮介(写真左)
新卒でBtoB向けECサイト運営企業に入社し、AWSやNew Relicを活用したインフラ運用やTerraformを使用した構築業務を担当。より広範な挑戦の場を求めて2024年2月にサイバーエージェントに転職。現在は広告運用基盤の設計・運用を担当している。趣味はベースを弾くことと自転車でのツーリング。
■三輪 拓海(写真右)
飲食業界で店長を経験後、IT業界に転身。データセンターのオペレーター、プリセールス、インフラエンジニア、クラウドコンサルタントを経て、2024年7月にサイバーエージェントへ。前職在籍時に2023 Japan AWS Top Engineersを受賞。趣味はお笑い(憧れる芸人は永野)。
異なるキャリアを歩んできた二人がサイバーエージェントを選んだ理由
――まず、お二人のこれまでのキャリアと転職のきっかけを教えてください。
三輪 亮介:新卒ではBtoB向けECサイトを運営する企業でインフラの運用チームに所属していました。4年間SREとして業務に携わる中で、主に既存リソースの管理や運用・監視を中心に行っていたため、今後は新しい技術・仕組みを裁量を持ってサービスに取り入れられる環境で経験を積みたいと考えていました。そのタイミングで、前職のエンジニア仲間(現在サイバーエージェント勤務)から声をかけてもらったのがきっかけですね。
三輪 拓海:僕の場合はこれまでのキャリアパスが少し特殊で、最初は飲食業界で店長をしていました。その後、データセンターでのオペレーション業務や外資系企業のクラウドコンサルタントなど、さまざまな職種を経験する中で、「もっとエンジニアとして手を動かしてサービスに貢献したい」という気持ちが高まり、転職を決めました。
――サイバーエージェント、そしてオペテクを選んだ理由について教えてください。
三輪 亮介:転職先を探す中で「自分で設計を手掛ける自由度があること」「より成長できるステージがあること」という二つを重視していました。サイバーエージェントだとエンジニアが自ら考え、主体性を持って動ける環境が整っている印象を受けました。面接時にメンバーの方々がプロジェクトに熱意を持ち、改善案を前向きに受け入れる雰囲気をお持ちの点がいいなと思いました。
また前職では長期間のプロジェクトが多かったのですが、オペテクでは新規のプロジェクトが頻繁に行われる環境なので、インフラ構築経験が積みやすい点に魅力を感じました。
三輪 拓海:僕も同じように裁量の大きさに魅力を感じました。面接では「自分が手を動かしたい」など想いを素直に話しましたが、チャレンジを歓迎する雰囲気があり背中を押された感覚でした。
転職活動では事業会社を中心に見ていましたが、そんな前向きなカルチャーが決め手になりました。
あとは面接時に1番自分らしさが出せて、カルチャーフィットの感覚を持てたのがサイバーエージェントでしたね。
広告基盤の最適化をミッションとするSAチームの役割と日々の業務
――SAチームでの役割・体制について教えてください。
三輪 亮介:オペテクでは、インターネット広告運用における自動化・効率化を目的とし大小合わせて20〜30弱のシステムを日々開発・運用しています。その中でSAチームはそれぞれのシステムに横断的に関わっており、担当プロダクト・領域*ごとに二人体制で業務を進めていています。
それぞれの知見をチーム内で共有したり、プロダクトチームとも定期的に連携しながら意見交換を行っています。
三輪 拓海:プロダクトチームやビジネスメンバーとの連携も多く、全てのプロジェクトが組織全体で進んでいると感じられます。
*オペテクのプロダクト・領域
――それぞれのお仕事について具体的に教えてください。
三輪 拓海:僕たちが共通して担当しているのは、新規プロダクトのクラウド基盤設計や構築です。
広告事業本部が扱う膨大なデータを効率よく処理できる仕組みを設計しているので、常に「優先順位」を意識しています。どこに注力すべきかを見極めてから動くので、頭をフルに使う仕事ですが、その分達成感も大きいですね。
例えば、インフラコストの最適化に取り組む中で、コストを抑えつつも性能を維持できるポイントを見つけたり、全体のセキュリティを強化しながら効率的な運用体制を整えていくことが求められます。
三輪 亮介:私は広告制作から入稿に至るまでの業務を支える社内システムを担当しています。
最近までそれぞれのシステムが独立していましたが、複数のシステムを統合する形で再構築を行い、データの一元管理を実現しました。
高負荷なシステムを運用する上で、エラーハンドリングやリプレイスプロジェクトなど、注意を要するポイントがたくさんあります。特にシステムのつなぎ込み部分では、一箇所でエラーが発生しても全体に影響が及ばないように設計することが重要になると思っています。
三輪 拓海:ただ作るだけでなくコストの最適化も必要で、無駄なコストを削減しつつもパフォーマンスを最大限に引き出すための工夫を続けています。
これは単に技術的なスキルだけでなく、コスト意識や効率性を常に考えながら進める必要があるため、大変ですがやりがいも大きいです。
――それぞれのやりがい、取り組んでいきたい課題や目標は何ですか?
三輪 亮介:私たちの対応によって、広告の入稿作業が自動化されることでオペレーターの負担が減り、効率化が図られる。この効率化が広告事業の売上・DX化に貢献できているのは嬉しいです。
また、インフラエンジニアとして、エンジニアリングチームが快適に開発できる環境を作れるのが嬉しいですね。「ここが改善されたおかげで業務が楽になった」と直接感謝される場面が多いんです。裏方ではありますが、その分達成感があります。
三輪 拓海:広告業界はトレンドの変化が激しく、クライアント様のニーズも多岐にわたります。そのため、新規開発による対応が求められる場面が多くあります。
現在の目標は、更なるコスト最適化と生成AIを活用した業務効率化に向けたシステムのリプレイスやリアーキテクトを進めることです。最新技術を用いて一貫性と拡張性のあるシステム構築を目指していきたいです。
増え続けるデータと向き合いながら更なる成長を目指すチームの未来
――では、これからチームとして取り組んでいきたい課題や目標は何でしょうか?
三輪 拓海:今後の大きな課題として、増え続けるデータ量*とどのように向き合うかが挙げられます。お金を掛ければデータを貯め続けることは簡単ですが、大量のデータをいかに効率的に処理し、コストを抑えながらクラウドを利用するかが勝負です。そのためには、開発工数も含めた低コストでのアーキテクチャ設計が求められています。
また、業界特有の課題として、各媒体とデータを連携させる難しさもあります。この問題を乗り越えるために、チームとして新たなシステム開発やクラウドインフラの最適化を進めていくことが重要です。私たちのチーム(SAチーム)は設立して間もないですが、多くの可能性を秘めています。今後も課題を一つひとつクリアしながら、より成長していきたいと思います。
三輪 亮介:そうですね。私たちのチームの役割は、インフラ構築だけにとどまりません。将来的には、各システムだけでなく、オペテク全体のSolution Architectの統括を担う存在へと成長していきたいと考えています。
特に、コスト最適化やセキュリティ強化、効率的なシステム構築の推進など、より攻めの姿勢で取り組んでいきたいですね。インターネット広告のシステムを支えるためには、膨大なデータを効率的に扱うインフラが欠かせません。そのため、クラウド技術の最新動向をキャッチアップし、ベストプラクティスを取り入れながら、常に改善を続けていくことが重要です。
これからも、より良いシステム運用を目指し、チーム一丸となって挑戦を続けていきます。
*オペテクでは312テーブル・10TB以上の規模のデータベースやデイリー10億件以上の広告データを取得するシステムなどがあります。
――今後ご自身がチャレンジされたいことについて教えてください。
三輪 亮介:私はプレイングマネージャーとして、チームのメンバーが働きやすい環境をつくり上げていきたいと考えています。また、自分自身も挑戦し続ける姿勢を大切にし、チームと共に成長していきたいです。
三輪 拓海:将来的にはサイバーエージェントのさまざまな事業ドメインで通用するエンジニアとして、引く手数多な人材になりたいと思っています。そのため、現在のインターネット広告事業で経験を積み、エンジニアとしてのキャリアと信頼・評判を獲得していきたいと考えています。
✅補足情報
幅広く事業を展開するサイバーエージェントでは、多様なキャリアを実現できます。
エンジニア向け評価制度をはじめ、他部門や子会社への異動にチャレンジできる制度など、各技術者が自身で技術力の向上を図り長期で活躍できる環境を提供するための仕組みが整っています。
(参考URL:https://www.cyberagent.co.jp/techinfo/careers/)
――最後に、一緒に働きたい方に向けてメッセージをお願いします!
三輪 亮介:日常の業務には、大きな改善の余地が多く残っています。それを共に考え、手を動かすチームにしていきたいです。自ら課題を見つけ、現状に満足せず常に改善を目指す方と一緒にインフラの面だけでなく、全体最適を目指していきたいです。
三輪 拓海:「Will(意志)」を大事にしている人は、エンジニアとしてもとても強いと考えています。「このチームで、こんなキャリアを歩みたい」というビジョンがある方と共に切磋琢磨していきたいので、ぜひ応募していただきたいなと思います。チームとしても中長期的な変革が必要なタイミングなので、チームと個人のWill、両方の実現を加速させていきたいと考えています。
三輪 亮介:まだまだ私たちのチームは進化の途中なので、「未完成であることを楽しく捉えられる方」に来てもらえたら嬉しいです。
お互いをリスペクトし合いながら意見を交わすお二人の雰囲気が垣間見えました。
オペテクではそれぞれキャリアパスを描きながら、共に挑戦していく仲間を募集しております。
チーム・開発両方において黎明期であるSAチームを、あなたの力で更に進化させていきませんか?
少しでもこの内容にご興味を持っていただけましたら、「話を聞きに行きたい」よりエントリーをお待ちしています!