長年にわたりニュースベースで現場と経営の両方を見つめてきたHIKE取締役の亀井さん。
イベント・BPO業界の変化と向き合いながらも、常に「クライアントの現場」に立脚した価値提供を大切にしてきました。そんな中で生まれたのが、R&D部門からスピンアウトした新会社HIKE。なぜ新たな挑戦に踏み出したのか、そして今どんな仲間と未来をつくっていきたいのか──。経営者としての想いと、静かな熱量を語っていただきました。
目次
1. “続ける”ことの難しさとおもしろさ──ニュースベースの歩みと事業承継
Q. ニュースベースに入社したきっかけを教えてください。
Q. ニューズベースの社長に就任されるまでの経緯を教えてください。
2. デジタルへのシフトと、HIKEという挑戦
Q. コロナ禍をきっかけに、どのような変化がありましたか?
Q. HIKEの立ち上げはどのような経緯だったのでしょうか?
3. 現場視点の価値創造──HIKEとニュースベースの共通点
Q. HIKEを、どう見ておられますか?
4. 一緒に未来をつくる仲間へ
Q. ニュースベースやHIKEで活躍する人材像をどう考えていますか?
Q. 今後に向けての展望があれば教えてください。
最後に
1. “続ける”ことの難しさとおもしろさ──ニュースベースの歩みと事業承継
Q. ニュースベースに入社したきっかけを教えてください。
もともとは、格闘技やライブイベントなどを手がける芸能系の制作会社に新卒で入社しました。舞台裏の演出や運営を支える、まさに“現場ど真ん中”の仕事です。ただ、働き方としては非常に過酷で、結婚を機に「このままでは続けられない」と感じ、転職を決意しました。
そのときに紹介されたのがニュースベースです。当時の規模は社員30名以下、売上も10億円ほどで、イベントやコンテンツ制作を中心に、地道にクライアントと向き合っている会社でした。制作の現場に根ざしたカルチャーに共感し、2001年に入社して以来、ずっとこの会社の歩みに関わっています。
Q. ニューズベースの社長に就任されるまでの経緯を教えてください。
1989年に当社を設立した創業オーナーが株式をファンドに譲渡し、事業承継が本格化しました。私は20年以上にわたり現場に立ち続けてきた立場として、新体制のもとで社長を任せていただくことになりました。創業者の想いや社内文化を熟知しているからこそ、「何を守り、何を変えていくか」という判断にも軸を持てているのだと思います。大きな変革というより、これまでの蓄積を未来にどうつないでいくか──そんな視点で舵を取っています。
2. デジタルへのシフトと、HIKEという挑戦
Q. コロナ禍をきっかけに、どのような変化がありましたか?
コロナ禍は、私たちニュースベースにとって事業の在り方そのものを問い直す大きな転換点でした。特に、主力だったイベントや映像の分野はリアルな接点を前提としていたため、一気に案件が止まり、売上も先行きも見えないという状況に陥りました。「このままでは立ち行かない」と直感的に感じたのを今でも覚えています。
そのとき、単に既存事業をオンラインに置き換えるという短期的な対応ではなく、「今後10年先を見据えて、自分たちが社会にどんな価値を提供できるのか」を真剣に考えるようになりました。そうして模索し始めたのが、ITやデジタル技術を活用した新たなサービス開発です。私たちの強みは“現場起点”で物事を組み立てる力。だからこそ、技術を使って現場を支えることにこそ意義があると確信し、動き出しました。
Q. HIKEの立ち上げはどのような経緯だったのでしょうか?
きっかけは、社内で立ち上げていたR&Dチームの取り組みでした。未来志向の投資として、技術領域に取り組み始めたチームが、徐々にIT分野での知見や実績を積み上げていきました。その中で特に注力するようになったのが、「現場業務の非効率をITで解消する」こと。Excel管理、紙文化、属人化された業務フロー…。これまで培ってきた“現場を見る力”が、デジタルと掛け合わさることで大きな価値に変わるという手応えが生まれました。
その取り組みは徐々に一つの独立した事業として自走するようになり、「これは社内の一プロジェクトではなく、独立した会社として伸ばすべきだ」と判断しました。そこでスピンアウトという形で新会社HIKEを設立し、中心メンバーだった池田が代表に就任しました。
今では、グループ全体の中でもHIKEは最もチャレンジングで、最前線で戦っているチームの一つです。既存のカルチャーを尊重しながらも、新しい価値を生み出す──まさにグループとしての“未来への種まき”を担ってくれている存在です。
3. 現場視点の価値創造──HIKEとニュースベースの共通点
Q. HIKEを、どう見ておられますか?
私自身、20年以上にわたりイベントやBPOの現場に身を置いてきた人間なので、「現場こそが価値の原点であり、最後の判断基準になる」という実感を強く持っています。だからこそ、HIKEの事業領域やアプローチには非常に共感しています。
HIKEが取り組んでいるのは、例えばExcel業務の煩雑さ、紙文化の非効率さ、属人化された業務の危うさといった、表には出にくいけれど現場にとっては切実な課題です。決して派手なソリューションではありませんが、地に足をつけて「現実に起きている困りごと」に対して向き合い続ける。その姿勢は、まさにニュースベースが創業以来貫いてきた“クライアントファースト”の姿勢と通じるものがあります。実際に、HIKEのメンバーが現場に入り込み、顧客と一緒になって仕組みづくりに汗をかいている様子を見ると、「自分たちのDNAが新しいかたちで受け継がれているな」と頼もしく感じます。
4. 一緒に未来をつくる仲間へ
Q. ニュースベースやHIKEで活躍する人材像をどう考えていますか?
スキルや肩書きよりも、現場を良くしたいという気持ちがあるかどうか。それが一番大切だと思っています。たとえば、「ちょっとExcelが使いやすくなった」とか、「書類が減った」とか、目立たないけど確かな成果を出せる人が、結果的に一番信頼されます。そんな“静かなヒーロー”のような人と、一緒に働いていきたいですね。
Q. 今後に向けての展望があれば教えてください。
グループ全体としては、2028年までに売上50億円という目標を掲げています。ただ、成長のために無理をするのではなく、あくまで「地に足をつけた拡大」がテーマです。人材育成、働き方の多様性、グループ間のシナジー──そういった地道な積み上げを大切にしながら、将来的な可能性を探っていきたいと考えています。
(メンバーの雰囲気)
最後に
「現場に向き合い続ける」ということ。それは決して華やかな道ではなく、むしろ地味で、根気と覚悟、そして揺るがぬ哲学が求められる挑戦です。
新しい技術やビジネスに果敢に挑みながらも、常に見つめているのは「目の前の現場」と「そこにいる人」。その姿勢は、ニュースベースにもHIKEにも一貫して流れているDNAだと感じます。
亀井さん、貴重なお話をありがとうございました!