熱海に新設されるリゾートホテルのFFEデザイン(Furniture, Fixture & Equipment)。
建築と内装の計画が既に進行している中で、このホテルに最適な家具デザインが求められた。傾斜地にあるホテルからは森林や海の壮麗な景色を一望でき、まさに他に類を見ない景観を楽しむことができる。家具の位置づけとしては、これらの自然を主役と捉え、訪れる人がここから見える景色を遮ることなく体感できるように、家具を脇役として主役を引き立てる存在にすることを考えた。
自然と調和させるのではなく、あえて対比を意識し、家具を直線的で静的な形状で構成することで、整然と佇む家具と景色の間に差異を生み出し、移ろいゆく木々や海原の表情をより一層際立たせることを目指した。
ロビーラウンジは、滞在の最初の体験として、この空間で景色とともにゆったりと過ごせる時間を提供することを意図している。
ラウンジエリアは3タイプの家具がデザインされ、座り心地や見たい景色によって、ゲストが自分に合った場所を選べるように計画している。
オールデイダイニングは、相模湾側と熱海市側の2つのエリアに分かれており、それぞれのロケーションに合わせて家具の構成を計画している。 熱海市側では、隣接する建物が視界に入るため、背の高い半月型のソファを採用。周囲との距離感をやわらげつつ、座る人の身体の向きが自然と開けた景色の方へと向くように配慮している。