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ナッジ株式会社は、スマートフォンを利用した次世代型クレジットカード「Nudge(ナッジ)」を発行するフィンテックスタートアップです。
Nudgeは、利用金額に応じて応援している「クラブ」の特典がもらえるクレジットカードで、自治体と組んだ地方創生や被災地支援、若年層への金融教育にもナッジは積極的に取り組んでいます。
本記事では、2023年1月18日、小松市立高等学校(場所:石川県小松市)にて、高校3年生を対象に行った「クレジットカードに関する入門講座」について紹介します。
「クレジットカード入門講座」実施背景
2021年12月、ナッジは、石川県小松市との間でFintech(フィンテック)を通じた地方創生に関する施策を推進するための協定を締結しました。この協定に基づき、小松市との提携クレジットカードの発行を開始したほか、若年層の金融リテラシー向上のための取組みで連携しています。
<これまでの取り組み>
- ナッジ株式会社と石川県小松市との「Fintechを通じた地方創生の推進に関する協定」の締結について(2021年12月)
- 小松市立高等学校にてクレジットカードに関するオンライン講座を開催(2022年1月)
- 公立小松大学にて、大学1年生を対象にクレジットカード及び資産形成に関する特別授業を実施(2022年5月)
- 小松市立高等学校にて第2回目となるクレジットカード入門講座を実施(2023年1月)
若年層の金融リテラシー向上に向けて
成年年齢が18歳に引き下げられ、クレジットカードの使い方をはじめ家計管理や資産形成など、若年層に対する金融教育の重要性は一層高まっています。今回はナッジの担当者が小松市立高等学校を訪れ、高校3年生33人を対象に対面講座を行いました。昨年1月に続く、第2回目となります。
講座では、キャッシュレスの意義、クレジットカードの基本的な仕組みやその安全で賢い使い方について、これから成年を迎える学生にポイントを絞り分かりやすく説明しました。
また、若年層のクレジットカードでのトラブル事例の紹介など、キャッシュレス社会との慎重な付き合い方までレクチャー。学生の真剣な表情が印象的でした。
クレジットカード入門講座の内容
本講座では、生活の基盤になる決済とクレジットカードについて、基本的かつ重要なポイントについて解説しています。
小松市立高等学校の生徒の決済手段は主に現金での取引で、クレジットカードを保有している学生はほぼゼロ。キャッシュレス決済ではPayPayが一部利用されている程度なので、基本的な知識から安全な使い方まで基本的な内容をレクチャーしました。
1.キャッシュレス決済とは
まずキャッシュレス決済は、前払い(プリペイドカード)、即時払い(デビットカード)、後払い(クレジットカード)の主に3種類が存在します。ただし、日本のキャッシュレス比率の内訳を見ると、クレジットカードが大半を占めます。
キャッシュレス決済が広まった理由として、現金を扱わないことで犯罪を減らし、お金の管理手間を小さくすること。また顧客の購入データを分析することで企業のマーケティングに使えることなどを説明しました。
2.クレジットカードの基本
クレジットカードは後払いの仕組みなので、消費者の信用に基づいた契約にて成り立っています。そのためカードの発行には事前審査が必要なことや、計画的に利用することの重要性についてもレクチャー。
支払い方法について、一括払い、分割払い、リボ払いの違いも図表を利用して解説しました。
3.クレジットカードの安全で賢い使い方
クレジットカードは、お店での利用、ネットショッピングでの利用などがありますが、安全に使うためには「ID・パスワードの使い回し」を避け、特にネットショッピングでは「偽サイト」を利用したフィッシング詐欺に気を付けること。そのためには不審なメールやSNSのダイレクトメールのリンクを不用意にクリックしないことが大事であることを説明しました。
ここでミニクイズ。
「友達にクレジットカードを貸したら、勝手に大金を使われてしまった!このお金は自分で返済しないといけないか?」
との問いに対して、多くの学生が「返さなくていい」と返答。
答えは「クレジットカードの本来の利用者(自分)が返済しなければいけない」で、会場がどよめいていたのが印象的です。クレジットカードは他人に貸してはいけないということがよく理解できたのではないでしょうか。
若年層に伝えたい「お金の間違った使い方」
クレジットカードは大変便利で決済をスムーズにするツールですが、お金を使ったという実感が湧きにくく、使い過ぎなどでトラブルに発展する事件も少なくありません。ここでは若年層が陥りがちなトラブル事例について紹介しました。
1.情報商材や投資商品を安易に購入
SNSで知り合った人から「1日数分の作業で月に数百万円稼げる」と勧誘を受け、高額な情報商材を購入したものの、全く儲からず知人とも連絡が取れないようなケース。
また、海外の投資案件を契約してしまい、解約したくても投資を継続する必要があるなどで解約できない事例。いずれも「楽して儲かる」などの甘い口車に乗せられ、自ら安易に契約してクレジットカードで支払ってしまったというトラブル事例です。
楽して儲かるなどのうまい案件はない。安易に契約せずに、慎重になって判断してほしいと伝えました。
2.強いセールスを断れず高額サービス契約
投資商品に自ら投資し、他人を紹介することでさらに報酬がもらえるなどの話を学生時代の友人から薦められ、断れずクレジットカードで支払ってしまうケース。また、高額のエステサービスを分割なら安いと強引にセールスされ、断れず契約してしまったという事例です。
このような勧誘で迷った時は、その場ですぐに契約せずに親などに相談することが大切です。
3.クレジットカードを使いすぎて複数の消費者金融に頼る「多重債務」
クレジット代金などの支払いにあたって、カードローンや消費者金融など複数の金融機関などからお金を借りて支払うことを繰り返し、複数の会社にとても支払うことのできない債務を抱えてしまうことです。
多重債務を防ぐため、お金を過剰に使わない、支払い計画を立てる重要性、他社から借り入れて返済しないこと。つまり、自分の支払い能力を超えた利用は避けることについて説明しました。
高校生の反応
参加した高校生は、まだクレジットカードを使った経験がなく、地域特性的にも現金での決済が多く、今回の講座がどこまで「自分事化」できているかは分かりません。
しかしながら、これから自分達が社会に出ていく年齢になり、お金に対する知識をつけていかないといけない。そういう意識付けには確実になったと感じています。
途中でミニクイズを挟むなど、学生に少しでもキャッシュレス決済について興味を持ってもらえるような工夫をしたのも効果的でした。
Nudgeが地方自治体とともに金融教育を推進する理由
では、クレジットカード会社のナッジがなぜ地方自治体と組んで金融教育を進めていくのでしょうか。
1.地域による金融教育の格差を無くしたい
大都市圏ではキャッシュレス取引が若年層にも浸透し、普段の生活で身近なものになりました。
一方で、地方ではまだ現金取引が多く、早い人でも大学進学を期にクレジットカードに初めて触れるという感覚です。
金融教育が義務教育に組み込まれ、今後お金の学びの機会は増えるものの、やはり大都市圏と地方では生活習慣の違いによる金融教育格差は大きいものです。
そのため、ナッジでは地方自治体と協働し、地域間の知識格差をなくす活動を進めていきたいと考えています。
2.Nudgeを活用することで地域創成が図れる
Nudgeは、利用金額に応じて応援している「クラブ」の特典がもらえるクレジットカードです。
普段の買い物の支払いの際にクレジットカードを利用すると、利用金額の一部が提携している団体などに寄付されるという仕組み。
この仕組みを使うことで、提携する地方自治体にお金が集まり、それを金融教育の原資にするなどして地域創生を図ることができます。
3.新しいテクノロジーでキャッシュレス生活をより豊かに
Nudgeでは、上記の支援の仕組みに加え、現在Web3領域のシステム開発に力を入れています。
具体的にはNFT(非代替性トークン)を使った「支援を可視化するサービス」で、支援金額に応じてよりレアなNFTが貰え、それを収集したりNFT自体を誰かにプレゼントしたりできる仕組みです。
この仕組みを使い「地域限定NFT」を発行するなど、新しい技術とキャッシュレスを掛け合わせ、地域創生に貢献したいと考えています。
小松市クラブ概要
小松市は石川県西南部に広がる加賀平野の中央に位置し、霊峰白山が育んだ豊かな自然、九谷焼をはじめとする伝統工芸、曳山子供歌舞伎に代表される伝統文化など、古くからのものづくりや文化、歴史が息づいたまちです。
2024年春の北陸新幹線小松駅開業をはじめとするまちの発展に伴い、現在、積極的な施策の展開と最先端のデジタル技術の活用など、まちの賑わい創出や新たな定住・交流・関係人口の獲得を進めています。
小松市クラブに入会して、普段のお買い物をNudgeカードに切り替えるだけで、小松市の応援ができる仕組みです。
利用者はクレジットカードの決済額に応じて、スペシャル動画や小松市の博物館・美術館の入場券、オリジナルグッズや特産品がもらえます。
「小松市クラブ」事業開発責任者の岡田 俊樹(おかだ としき)紹介
では最後に、Fintechを通じた地域創生を促進する「小松市クラブ」の開発責任者をご紹介します。スタートアップであるナッジに入社した理由や、金融教育を通じてどの様な世界を創っていきたいかなども紹介します。
DXコンサルからフィンテックスタートアップへ
大学院で情報工学を専攻し、新卒で地銀に入行し個人渉外を担当。
アプリケーション開発を行うIT企業に転職し、企業のDXを支援する仕事を継続する。
特にブロックチェーン基盤をベースにして、個人情報を活用した人材発掘や、企業や地域内での電子通貨を発行・管理するなど、事業開発の上流から様々なプロジェクトに関わる。
今までの地域通貨プロジェクト立ち上げの経験を生かし、決済領域での仕事をしたくてナッジに入社。
Nudgeでは「オーナーサクセス」を担当
オーナーサクセス業務では、Nudgeカードを導入する企業や団体(クラブオーナー)の開拓と、実際にカードのクラブ開設を行う際のサポート。開設後も各クラブの施策立案を推進。
「オーナーサクセスは、各クラブの会員数を増やす施策を打ち、会員様にナッジカードをできるだけ多くご利用いただき、オーナーへの支援額を増やすことが使命です。オーナーと共創しながらお互いの事業を拡大していけるところに大きな魅力を感じています。」(岡田)
講義を通じて若年層の金融リテラシー向上を図りたい
最近話題になる若年層への金融教育は「投資や資産形成でお金を蓄えましょう」というメッセージが強いと感じます。
それは非常に大切な知識ですが、その前に一番身近な「お金の使い方」をしっかり学んで、誤ったお金の使い方をせず、自分が幸せになるためのお金との付き合い方を知ってほしいです。
成年年齢が18歳に引き下げられ、若年層にキャッシュレス決済がより浸透している中で、しっかりとした金融知識を持って社会に出てもらいたいというのが私の願いです。
Nudgeカードは決済した額をすぐにアプリで確認できるため使い過ぎ防止にも繋がり、若年層のファーストカードとして適しています。
このNudgeカードの「支援」の機能も活用し、地域創生に役立つ仕組みをこれからも地方自治体と共に広げていきたいと思います。(岡田)
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
Nudgeは、今後も「小松市クラブ」を通じて小松市での金融教育や地域振興に貢献してまいります。
また、他の自治体や地域の企業等とも連携し、キャッシュレスを通した地方活性化や社会課題の解決を支援するプロジェクトを拡大していきます。
またNudgeは、さまざまなクラブオーナー様と一緒に、「未来の金融体験を創る」会社です。
少しでもNudgeにご関心あれば、お気軽にご連絡ください。