組織って、どうやって変わっていくんだろう?
変わることで何かを失うこともあるけど、その先にしか見えない景色があるんじゃないか?
これは、小さなチームである僕たちシェルパが、半年に一度の「パ会合宿」を通して、自分たちの今とこれからを見つめ直した記録です。
なぜ、僕らは“パ会合宿”をやってるのか
僕たちシェルパでは、毎月「パ会」という社内ミーティングをやっています。
シェルパ会議 → 略して「パ会」です。
売上の確認や利益の進捗だけじゃなく、今のチームに何が足りていないかとか、顧客の課題や挑戦にどう向き合っていくかなどを、社員全員で話し合う場になっています。
さらに半年に一度は、ちょっと特別な時間をつくっていて。
それが「パ会合宿」です。
いつもの業務から完全に離れて、1泊2日、じっくり自分たちの“これから”について話す時間。福岡に全員が集まって、普段はリモートでなかなか会えないメンバーとも顔を合わせて、時間をかけて話します。
今回のテーマは、「シェルパをアップデートする」でした。
もともとは「ネット広告代理店」だった。
僕がシェルパを立ち上げたときは、典型的なネット広告の代理店でした。
クライアントから広告予算を預かって、「目標CPAを守る」「きちんと消化する」──それをきっちりやることが“プロ”だと思っていましたし、実際、それで評価されていた時期もありました。
でもあるときから、ズレが出てきたんです。
クライアントから「もう自社で広告を回したほうが効率いいかも」という声が出始めた頃、僕ら自身も違和感を感じていました。広告の数字だけをいくら最適化しても、売上は思うように伸びない。
その背後には、商品そのもの、組織体制、ブランド、仕組みといった“広告の外側”の課題が横たわっていたからです。
「広告の話だけをしていても、越えられない壁がある」ということです。
広告の外側にある課題が、どんどん相談されるようになった
そのことに気付いて以降、シェルパは度々「アップデート」を繰り返してきました。
「顧客の期待を超えるために」
「シェルパがいなきゃ困るだろー!」
と言っていただくためにはチームの体制も手法もどんどん変えていく必要を強く感じていいます。
この点がシェルパが一般的な組織と大きく異なるポイントです。
一般的な会社は、組織や体制、サービスありきで顧客へサービスを提供しています。
ただシェルパは顧客ありきで体制や考え方、提供物を変えていけるチームです。
大きな会社を目指しているわけではありませんし、
小さな組織だからこそできることをやっています。
その覚悟を定めてから少しずつ変わっていきました。
段々と“広告っぽくない”相談がくるようになったんです。
たとえば、
- ECサイトの全体リニューアルを丸ごと任されたり
- 芸能人の撮影のディレクションをお願いいただいたり
- クライアントと一緒に商品を開発するところから入ったり
- テレビCMのフリップボード(番組で使う小道具)までつくったり
普通の代理店なら「いや、それはうちの仕事じゃないです」って言いそうなところも、シェルパは「はじめての取り組みをチャレンジさせてくれてありがたい」と言ってきました。
それが少しずつ信頼につながっていったのかもしれません。
ある会社の代表の方から、こんな言葉をもらったことがあります。
結果が出るかどうかは誰にも分からない。けど、誰とやるかは自分で選べる。シェルパさんと出会えたことが、すでにひとつのゴールです
この言葉を聞いたとき、ブワッとシェルパの新しい方向性が変わる感覚がありました。
数字だけじゃ測れない“信頼”をつくりたい
もちろん、広告の世界では数字は大事です。CPA、ROASなんて当然真剣に見ます。
でも、今の僕らが目指してるのは、その“はるか先”にある信頼なんです。
クライアントが、「ここまで一緒に考えてくれるんだ」と思ってくれるような存在でありたい。
“外注先の代理店”じゃなく、“命綱を預けた伴走者”に近づきたい。
そのためには、数字で評価される以上に、“向き合い方”を問われるんだと実感しています。
合宿1日目、僕たちは2025年4月現時点においての「理想の顧客への向き合い方は何か?」というテーマでワークに取り組みました。単なるお題トークではなく、もっとより深い話です。
極端にいってしまえば「生き様」に至るような深い話。
ここで自然と出てきたのが、こんな問いでした
「顧客にとって“信頼できるチーム”って、具体的にどういう状態だろう?」
「いまの理想において売上、利益をどう考えていくべきか?」
「失敗したくないという想いが強く、チャレンジ出来ていないのではないか?」
あるメンバーは言いました。
「いまのシェルパが目指している形をもっと明確に理解したい」
また別のメンバーは、
「クライアントを引っ張っていける知識やコミュニケーションスキルが足りていない。」
という話をしてくれました。
“理想のチーム”を語るというより、
「今のチームに足りないもの、自分に足りていないものは何だろう」を真剣に話す時間になっていた気がします。
そこに対して“自分の現在地は今何点か?
たとえば──
「理想を100点としたとき、自分はいま60点。できていないのは◯◯の部分」
「15点。気づいていても、動けていなかった」
数字にすると、自分の“現在地”がはっきり見えてきます。 そして、それをみんなの前で言葉にして話すことで、なんというか、体温のある議論になります。大事にしているのは、点数の“高さ”じゃなくて、“誠実さ”。 それぞれが、自分の言葉で語るということです。
ここでもやはり、シェルパが大切にしている文化が活きていたなと思います。
誰かの言葉に対して、茶化さない。
「それは違う」とか「甘いよ」とか言わない。
なぜなら本人はちゃんと自分に足りていないことをわかっているからです。だからこそ、ちょっと弱さを含んだ言葉も、ちゃんと共有できています。
1日目の夜──“ito”というゲームが教えてくれたこと
夜はみんなでご飯を食べてお酒を飲んで、ゆるっとリラックスした時間を過ごしました。
※僕は下戸なので飲めません😇
でも、ただ終わらないのがこの合宿の面白いところで。
夜の部では、毎度おなじみ「ito」というボードゲームで大盛りあがり✨まるで部室のようです。
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このゲーム、知らない方のために少し説明すると──
1から100までの数字カードをそれぞれが持ち、その数字を“言葉”だけで表現し合って、順番を当てていく協力型のゲームです。たとえば「お寿司の人気ネタ」ってテーマが出たとき、1を持ってた人はあまり人気がない食材「ナスの浅漬け」、100を持ってた人は人気のある「大トロ」とか言う。(浅漬け好きの方すみません)
数字は誰にも見えないから、その言葉の“感覚のズレ”を頼りに全員でカードの順番を揃えていくゲームです。一見シンプルなんですけど、感覚や価値観の違いがすごく顕在化するので、めちゃくちゃチームワークが問われるゲームです。
2日目はこのゲームを、今回は「理想の会社」に置き換えて、1〜100のスケールで表現するというちょっと変則的な使い方をしてみました。
テーマは──
「理想のシェルパを100点としたとき、自分の手札は何点か?」
感覚的な数字を、言葉にして表現する。
そして、その“言葉”をチームで受け取り合う。
たぶん、itoがなかったらこんなに本音は出てこなかったんじゃないかなと思うくらい、良い時間になりました。
2日目の朝は、近くの学習塾のスペースをお借りして、場所を移しての合宿再開。
ハリソン先生がファシリテーターです
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少し冷えた空気と、学校っぽい机と椅子。
そして笑ってはいけない空間。
昨日の“合宿っぽい空気”とはまた違って、良い意味でシャキッとする空間でオススメです笑
この日は、前夜のitoで見えた「理想と現実のズレ」に対して、
じゃあ“その差をどう埋めていくか”を、より具体的に話していきました。
「50点を現状維持にした場合、55点はどんな行動の違いがあるか?」
「80点になった時のチームはどんなことが起こるのか?」
「35点になった時の雰囲気は?顧客からどう映る?」
そんな問いが飛び交いながら、みんなの言葉にも温度と実感が宿っていくのを感じました。
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この時間は、ただの“会議”ではなく「自分がこのチームの一員として、どう在るか」をそれぞれが考える、大切な時間になったと思っています。
変わらないことが、実は一番のリスクかもしれない
このワークを通じて、チーム全体で共有できたのが、
「現状維持って、実は一番危ういことかもしれない」という感覚でした。
入社3ヶ月の最年少メンバー原くんからの発言
「現状維持からほんの少し下がるだけで、かなりマズいですよね」
ほんの少し油断すると、チームはすぐに変化を恐れ、惰性で回りはじめる。
些細なことですが、来社があるのに靴が揃えられていない、机が汚れている、チャットのレスが遅い、MTGの時間に数分遅刻してくる、そんな心の油断は、徐々に顧客に伝わっていきます。
今うまくいってることに安心して、問いを持たなくなる。そのまま、じわじわと“チームとしての感度”が鈍っていく。
この合宿を通じて、全員が「変わらなきゃ、チームはすぐ鈍ってしまう」っていう共通認識を持てたのは、すごく大きかったと思ってます。
合宿の締めくくり──
「シェルパは最高の【 】を提供するチームです」
最後の締めのワークで、全員にこう問いかけました。
「シェルパは最高の【 】を提供するチームです」
【 】に入る言葉をそれぞれ考えて発表しました。
各メンバーの回答はオフィスの会議室にポストイットでまだ貼り付けられています。
知りたい方はいつでもシェルパのオフィスに見に来てください。
ふと仕事中に目にはいると背筋がピンッと伸びるような気持ちになります。
最後に
僕らはまだまだ小さな会社です。
でもだからこそ、1人ひとりの声がちゃんと届くし、空気がすぐに変わる。
いい意味でも悪い意味でも、誤魔化しがきかない環境です。
だからこそ、空気を大切にする。対話の温度を大事にする。
パフォーマンスや効率も大事だけど、その前に“人として安心できる場”がないと、アップデートなんてできないと思ってます。
この合宿でも、メンバー同士がちゃんと腹を割って話せたこと。
意見が違っても、どっちが正しいかじゃなくて、「どうしたら良くなるか」を一緒に考えられたこと。
それがすごく嬉しかったし、こういう組織であり続けたいなと思えた時間でした。
自分が顧客の立場だったとしたらシェルパと一緒に仕事をできることを誇りに思えるほどです。
これから仲間になるかもしれない、あなたへ
今、僕らシェルパは、新しい仲間を探しています。
新卒で、自分の力を試してみたい人。デザインの経験を活かして、次のフェーズに進みたい人。
どちらでも大歓迎です。
でも、スキルや経歴以上に大事にしたいのは、
「一緒にチームをつくっていこう」っていう気持ちです。
今の働き方にちょっとモヤモヤしていたり、もっと自分の考えが活かせる環境を探していたり、
「ここ、なんかちょっと他と違うな」って思ってくれたなら、
ぜひ、一度話しましょう。
ここでわたしの大切にしている師匠からの言葉をおくります。
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【すべてはタイミング】なのです。
興味を持っていただいた方、僕たちがどんなチームで、どんな未来を見てるか、お話できたら嬉しいです。
いつでもオフィスは開いてます。
そして、あなたのことを待ってるメンバーがいます。
すごく長くなりましたが、
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
最後、晩ごはんの手配で怒られるハリソン先生です
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