この記事は「SWITCH 2022年11月号」に掲載された記事を許諾を受けて転載しています。 PHOTOGRAPHY: GOTO TAKEHIRO
TEXT: KAWAKAMI HISAKO
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内海直子
デザイナー
多摩美術大学プロダクト学科を卒業後、2014年にココネ株式会社に入社。『ポケコロ』シリーズを担当後、2022年1月よりCCP事業本部にて『リヴリープロジェクト』商品デザインチームに所属。デザイナーのエースとして活躍中
ビジュアルからPRまで。すべてを内包するデザインを
――内海さんはクリエイティブディレクターとアイテムデザイナーを兼務されているそうですね。
「はい。ココネのアイテムデザイナーは、担当者がガチャのコンセプトづくりからアイテムのラインナップ、さらにはお客様にお届けする際の宣伝方法まで、一連の流れを担当しています。クリエイティブディレクターとしては、毎月出していくガチャのテーマなど、アプリ全体のバランスを見ています」
――日々新しいデザインのガチャがローンチされていますが、ユーザーが欲しくなるデザインを生み出す秘訣はありますか?
「アプリの中で機能的に優れているものや、デザイン的に美しいアイテムは間違いなく価値が出ますが、私が面白いと思うのは、発売時にお客様同士で交わされたコミュニケーションが、後々のアイテムの人気に関わってくることです。ただ商品を出すだけではなく、どのような反応があるか想定しながら敢えてツッコミどころのある商品を出したり、予告で想像を膨らませる工夫をしたり等様々なアプローチを心がけています。チームメンバーと口癖みたいに『どういう盛り上げ方をしようか』と話をしながら、みんなで試行錯誤しています」
――デザインを考えられる際に好みのモチーフやイメージのようなものはあるのでしょうか?
「チーム内で毛色が違うものをどんどん作っていきたいと思っているので、自分の好きなデザインを追求するというより、様々な現象や物の魅力を、その魅力に気付いた人にプレゼンしてもらい、チームメンバーで共有しながらデザインを作っています。そのためにはチームメンバーの協力が欠かせません」
――チームでクリエイションすることで、一人では出せないデザインの広がりが生まれているのでしょうか。
「そう実感する瞬間が多いですね。デザイナーの裁量が大きいことと、チームごとに提案ができる自由度があるので、様々なことにチャレンジできる環境だと思います」
SWITCH 2022年11月号, スイッチ・パブリッシング