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間違いなく訪れる事業成長。その伸び代を増やすための開発環境をつくりたい

インターネット上で個人の知識・スキル・経験を売り買いできるマーケットプレイスを開発・運営しているココナラ。227万人(2021年5月現在)のユーザー数を誇り、2021年実績では営業利益が前年比約60%増。同年3月には上場を達成するなど、順調に成長を続けています。

今回は、開発部を率いる執行役員の村上に、ココナラの事業フェーズやその裏側に隠された開発の課題、新たに加わるエンジニアに期待することなど、さまざまな話をWantedlyのCTO川崎さんが聞いてくれました!


「やろうとしなくても、事業は成長していく」。ココナラが持つポテンシャルとは

川崎:まずは、村上さんの経歴について教えてください。

村上:キャリアのスタートは、ソフトウェアの研究者。7年間ほど経験を積んだのち、エンジニアとして開発の世界に飛び込むことに。その後、数社のスタートアップで業務委託のエンジニアとして経験を積みましたが、その中に「ココナラ」がありました。そして、2年前に「メンバーにならないか」と声をかけられ、開発リーダーとして入社。その後、マネージャー、部長と経験して、今は執行役員として働いています。

川崎:TVCM等で生活者への認知も高まってきている印象を持っているのですが、現在の事業フェーズをどのように認識していますか?

村上:メインのサービスである「ココナラ」をローンチしてから数年。今は組織の拡大が急務になっています。営業収益は、前年比で約60%増。今後の事業予測では、あと数年でユーザー数が2〜3倍に増えると考えています。

加えて、弁護士を見つけられる「ココナラ法律相談」も堅調に伸びています。

私たちのスキルシェアマーケットという事業の特性上、現状の小規模事業者向けのデザインやイラストの制作といった特定のセグメントだけではなく、ココナラ法律相談のように、今後はユーザーの種類も、スキルの幅もより全方位的に取り扱うようになるでしょう。さらに上場したこともあり、日に日にユーザーが増えている状況です。極端な言い方をすると、自分たちがやろうとしなくても、事業が成長してしまう。現状、エンジニアは50名程度の規模ですが、いずれその成長を吸収しきれなくなります。そのため、事業成長に合わせてエンジニアの数も増やしていかないといけません。だからこそ、今はどう開発体制を整備していくかが、喫緊のテーマになっています。

川崎:急成長しているサービスの開発、組織づくりはやりがいがありますよね。2つのサービスのシステム的には独立しているのですか?

村上:完全に別のシステムになっていて、エンジニアもそれぞれの事業に紐づく形で別で動いています。

川崎:その点も色々な課題には繋がりそうですね。後ほど詳しく教えて下さい。ところで、急激に成長している背景には、どのような要因があるのでしょう?

村上:ひとつは、時代的な要因。複業ブームだったり、コロナ禍だったり、CtoCの「スキルシェア」という領域が注目されやすくなったことが追い風になっていることがあります。そして、もうひとつ大きな要因が、マーケットでのポジション。ココナラは、スキルシェア市場では国内最大級のマーケットプレイスになっていて、2021年5月現在で227万人のユーザに登録いただいています。プラットフォームの仕組み上、ユーザー数が多ければ多いほどマッチングの精度が高まり、さらに人が集まりやすくなる。そうなれば、またマッチングの精度が高まり、また人が集まる……といったサイクルが生まれます。一度マーケットリーダーのポジションを取ってしまえば、あとは加速度的にユーザーが増え続ける構造になっているんですよね。


事業成長の裏で蓄積された技術負債を解消するために

川崎:そのような成長局面にある中で、開発においては、どのような課題があるのでしょう。技術的負債やインフラあたりですか?

村上:正直に言うと、これまでの技術的負債が溜まってしまっているのが現状です。たとえば、データベースを例に挙げると、ユーザー数が今のペースで増加していくと、あと2〜3年でwrites per secondが耐えられなくなるだろうと考えています。これまではサーバーを増設したり、スケールアップしたりと対策を打ってきましたが、それもいずれ限界が訪れるはずです。となると、アーキテクチャから見直す必要がある。ただ、アーキテクチャの見直しは一朝一夕でできるものではなく、今後の技術動向やシステムの方向性も見据えた深い検討が必要です。また、同様に新しい組織体制や動き方も検討しなくてはいけません。ここに、力を割くことができる人材が必要だと感じています。

川崎:技術的負債の解消やアーキテクチャは、開発スピードの観点でも大きなテーマだとは思うのですが、タイミングも重要ですよね。なぜこのタイミングで、そのような課題に注力しようと考えたのでしょう。

村上:これまではマーケットリーダーのポジションを取ることが重要だったので、事業を伸ばすことに注力していました。上場を果たした今、短期的な事業成長だけでなく、中長期的な大成長に備えた取り組みを一定程度やっておく必要性を感じています。先程のアーキテクチャ見直しの件についても、いざ問題が起きてからの対応では遅く、もう数年後にはタイムリミットも見えてきているので今から動き出さないと手遅れになってしまいます。そのため、手遅れになる前に工数を一定確保した上で着実に進めていこうとしている状況です。

川崎:組織を見直す上での役割も伺いたいです。昨年CTOとして石原さんが入社されていますが、村上さんの役割はどういうものになるのですか?

村上:石原は、技術力の高さを生かしてアーキテクトのトップとしてシステム全体のあるべき姿を設計し適用していくことを役割として持ってもらっています。私は、それ以外の部分について、組織面、技術面、プロダクト面など幅広い視点で技術戦略を検討し、必要に応じてリソース調整を行う役割を担っています。

組織を見直す上で大事にしたいと考えているのは、事業成長施策と技術負債解消施策のバランスです。これまでの内容の通り、アーキテクチャの見直しを始めとして技術負債解消の必要性は高まっています。ただし、技術負債解消に注力しすぎて事業成長が止まってしまってはいけないと考えています。事業成長なくして将来はないため、事業成長を止めることなくバランスを取りながら技術負債の解消を進めていくことが重要だと考えています。


質の高いボトムアップ組織をつくっていく

川崎:アーキテクチャから見直すとなると相応の経験も必要ですが、どんなエンジニアに参画してほしいと考えていますか?

村上:アーキテクチャの見直しについては、おっしゃる通り相応のスキルと経験がある人がベストだと考えています。年々技術課題の難易度も上がってきていて、バグを修正したりリファクタリングしたりという単純な話ではなくなってきているんですよね。例えば、パフォーマンス、セキュリティ、運用、ユーザビリティなど今後さまざまな機能・非機能要件を加味しながら仕様に落としつつ開発していく必要があります。そういうときに、「この機能を付加すると、ユーザー体験的には良いかもしれないが、パフォーマンスが落ちるかもしれない」といったトレードオフの問題が常に生じるわけですが、どちらかを優先するのではなく、技術的なブレイクスルーを通じてどっちも犠牲にしない解決策を提案できる人材に出会いたいと思っています。ただ、そんなことができる方はそう多くはいないと思いますので、チーム全体で協力しながら一緒に案を考えていける方を求めています。

川崎:技術スタックはどうなっているのですか?

村上:レガシーな部分もあって、以前から残っている部分がPHP(CakePHP)です。比較的新しい部分でいうと、フロントエンドでJavascript(Nuxt.js)、バックエンドでRuby(Ruby on Rails)、Go、Java(SpringBoot2)、アプリでは、SwiftやJava&Kotlinがあったりします。 インフラは主にAWSで構築しています。

川崎:polyglotな環境ですね。そうすると新しい技術に触れたり、未知の課題に向き合ったりしないといけなかったりすると思うんですが、どのようなステップを踏んでキャッチアップしていけばよいのでしょうか?

村上:新しくメンバーに加わっていただいた方のオンボーディングは、特に重要視しています。いきなり大きな開発を新しい言語で取り組むのは、どれだけサービスに精通していても難しいものがあります。だからこそ、まずはOJT形式で、簡単なタスクから始めて理解を深めていただけるように調整しています。慣れてきたら、徐々に未経験の技術にも触れる機会を増やしてもらい少しずつ無理のない形でキャッチアップできるように心がけています。いろんな技術があるということは、キャッチアップという観点からするとたしかに面倒な部分はありますが、一方で技術間の差に気づくことができるという良い面もあると思っています。例えば、JavaとRubyで比べた場合、型の有無やライブラリや周辺ツールの充実度などいろんなところに特徴があってそれを知るだけでも面白いと感じています。また別のメリットとして、別の言語・フレームワークと言っても共通している部分も多く、1つを理解していると他も意外と簡単に身に着けやすいということもあります。そうやって1つだけでなく複数の技術にふれることで、よりエンジニアとしての知識やノウハウが増えていくのかなと考えています。

川崎:ココナラならでは技術選定や技術的な取り組みはどうなっているのですか?

村上:これまで技術選定が煩雑になっていましたが、今は私や石原が最終的に総合的な視点で判断しています。ただ基本的には現場の意見をベースにしており、エンジニアにとって使いやすいものであることが大前提で考えて選定しています。

技術的な取り組みでいえば、最近は機械学習のアプローチにも取り組み始めています。閲覧履歴や注文履歴などのデータを活用して、検索結果をチューニングしたり、ニーズに応じたレコメンドをしたりしています。また、CtoCサービスの特徴かもしれませんが、不正な出品の検知にも応用しています。利用規約に反する不正な出品というのは、テキスト形式だとキーワードベースで容易に検知できるんですが、画像に情報を埋め込んでくるパターンなどは、目視確認だけでは限界がある。だからこそ、機械学習で画像を検知することで不正出品の取り締まりを効率化しています。今後ユーザーが増えれば増えるほど、機械学習はレバレッジが効いてくるので、注力したいと考えている領域です。

また別で最近取り組んでいるのが、「技術ロードマップ」という技術課題の一覧化です。これまでは全社的な技術的課題というのが管理されておらず、今後何をやるのか、何が重視されているのかがわかりにくい状況にありました。そのため、まずはその課題を洗い出した上で優先順位付けし一覧化しました。そうすることでココナラにはどういう技術的課題があり、今はどれに取り組んでいて、今後どれに取り組んでいくかが明確になりました。この技術ロードマップは、まだ運用を開始し始めたばかりであり、完全に網羅されているものではありません。今後この運用をメンバー含めて回していく中で常にアップデートをかけていくことでより精度が高いものにしていきたいと考えています。


自分が開発するプロダクトに愛はあるか?

川崎:ここからは、組織の話についても聞かせてください。ココナラのエンジニアの評価基準について教えてください。

村上:これまでの制度は、職種関係なく3ヶ月間での成果が評価の対象でした。でも、「これってエンジニアに適した評価基準なんだろうか?」と、考えて見直しを図っています。というのも、エンジニアの成果は、必ずしも3ヶ月で目に見えるものではないと思っていて。例えば6ヶ月のプロジェクトもあるが、3ヶ月というスパンだとまだ完全に実装が完了していないのでその状態で各メンバーの開発スピードや品質について評価する必要があります。その場合、プロジェクトの内容や状況によって評価が大きく変わるということがあり、自身の動きだけではコントロールできない部分もあり、フェアな評価とはいいにくいこともありました。やはり短期的な視点だけではエンジニアって評価しづらいんですよね。もちろん評価は長くなりすぎない範囲で定期的にやる必要があると思っています。そこで、「目に見える短期的な成果や実績」だけではなくて、その成果や実績を生み出す源泉になる「専門能力」をいかに評価するかといった視点も含めたほうが良いのではないかと考えて、これまでの評価制度を改定しエンジニア専用の評価制度を制定しました。

川崎:エンジニアのキャリアパスとしては、どのようなものがあるのでしょうか。

村上:これまでは、キャリアアップというとマネージャーになるルートが一般的でした。でも、「プレイヤーとして活躍し続けたい」というエンジニアが多いのも事実。そのような人も評価できるように、ココナラでは、組織の力を最大化させる「マネージャー」だけではなく、高いスキルを持った「エキスパート」というキャリアパスも用意しました。「エキスパート」の方には、普通の人では解決できないような難度の高い課題を技術力で突破していただくことを期待しています。


川崎:最後に、ココナラに応募を検討しているエンジニアに向けて、メッセージをお願いします!

村上:ココナラには、プロダクト愛が強い人が集まっています。元々ココナラのヘビーユーザーだった方もいますが、そうでない人も実際に開発に携わっていくうちにどんどんプロダクトを好きになっていくんです。ここが、ココナラの一番の魅力だと思っています。

そもそも自分が開発しているプロダクトを愛せないってエンジニアにとってはハッピーではないじゃないですか。ココナラは、自分が簡単にユーザーになれる手触り感のあるサービスですし、その上今後ものすごい規模の成長が約束されています。また、エンジニアリング施策を打ってどんどん課題を解決していかなくてはならないチャレンジングなフェーズにある……このようなやりがいのある環境は、なかなか見つからないのではないかと思います。少しでも「事業成長に貢献したい」「新たなチャレンジをしたい」と思った方は、ぜひ一度お話しませんか?

告知

この記事の冒頭で記載したとおり、ココナラでは事業を前に進めてくれるエンジニアの方を広く求めています。もし、少しでも面白そうと思っていただけましたら、下記ページからエントリーいただければと思います。

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