どーも。堀内です。

表題のように「良い」としてみたんですが、エンジニア能力とビジネス能力というのは別なものだと思っています。どちらの能力を高めるかといった議論が出てくることはあると思いますが、実際に自分が会社の代表をやって思うことを書いてみようと思います。

エンジニア力とは何かを考えていきます。私はあまり実装・開発はしないのですが、エンジニアへの理解や、エンジニア的な思考を持っていることが重要だと考えます。
実際にコーディングする力は今後AIに取って代わられていくので、設計をする力、的確な指示や文章を作る力、レビューする力が大事になります。実際にその行為ができなかったとしても、そこへの理解、解像度が高いことが重要になります。

ビジネスパーソンとしての能力の中にこのエンジニア力があることで価値が出ます。

実際には、ビジネスやエンジニアリングの中には研究職のような仕事もあると思います。理論的に正しいこと・素晴らしいことを研究・追求することと、その実現は別だと考えています。研究者と実行者の関係、あるいは理論と実践のような違いがあると思います。

今回話したい内容としては、両方の能力が必要だということです。

ビジネスとしてどれくらいの価値があるのか、どれくらい投資すべきなのか、どのような効用があるのかを考えて実現する必要があります。逆にエンジニア力で徹底的に調べて素晴らしいものを作るということもあります。
没頭して良いかそれほどのコストをかけてよいかの判断が、その前に存在していると思います。また、エンジニア力の低いビジネスパーソンやお客様が、そのコストを妥当と見れるか？説明を聞いて納得できるか？というハードルが、よくあると考えています。

しかし実際には、どれだけの投資をすべきか、コストをかけるか、効果が大きいのか、あるいは面白いのかなど、考慮すべき要素は多岐にわたります。多くの場合、これらの要素が混ざり合った状況で、何が最適か、どの選択が正しいのかを考えていくことになります。

私がよく直面するパターンとしては、サービス開発において、そのサービスに対する理解や、業務について考えられるエンジニアがいると、非常に価値が高いと考えています。

そのため、クラベスでは仕事をする際、最初に「どのようなサービスなのか」「どのようなお客様なのか」「どんな業界なのか」「解決したい課題はなにか」「どういった狙いを持ってやっているのか」などをできるだけ明文化し、ポータルに残します。その目的を共有することで、良いものを作り、一緒に考えていくことができるのです。

※私はこれが苦手なんですが、みんながアウトプットしてくれます。

お客様へのヒアリングにあたっても、単に「お客様がやりたいこと」を聞くだけでなく、「なぜそのようなことをやりたいのか」「どうしてやりたいのか」を深く掘り下げます。さらに、我々の仮説や考えたものを提示し、お客様の考えとぶつけることで、その中で正しい答えを探っていくということを繰り返し行います。

要件定義やヒアリングは、お客様が言ったことを文字に起こし、内容として残すことはもちろん重要ですが、それだけでは価値を高める動きにはならず、「言われたことをやっている」ことになってしまいます。私たちは、その状況を避けたいと常に考えています。

我々のようなシステム開発を受託して構築するチームを利用したいお客様には、新しいアイデアや解決したいものが存在しています。その解決したい事象に対して、我々が考えた答えを出すべきだと考えています。システム開発は、建築と似ていると思っています。家やビルを建てる時に、自由勝手なお客様の発想をすべて叶えて、家としては使い物にならない、というものは作らないと思います。システムの現場においては、そんなことがよくある話になってしまっています。

我々はシステム開発のプロです。お客様は、ビジネスのプロであるべきです。

良いビジネスパーソンと良いエンジニアがタッグを組むことで良いシステムが出来上がります。その中に素直な率直なやり取りも必要です。信頼関係も必要です。社内でも営業やディレクター、デザイナー、エンジニアがいて、システムが出来上がります。お互いの能力を尊重し合わないとうまくいきません。対お客様も同様です。信頼関係を作り良いものを作っていかなければなりません。

最近はAIを使ってプロトタイプを作って、捨てて、作って、捨ててができる時代にはなりましたが、10年後や100年後に振り返っても、いいものができたなと思えるものを作っていきたいと考えます。
そのためにもビジネススキルとエンジニアスキルをバランス良く伸ばしていきたいです。個人差は様々あって良いので、その意識をしてみてください。

ではまた。

2025.11.18 堀内文雄(良いものを後世に残せる能力をつけましょう)