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「分析者としてのあるべき道を進む」、アナリティクスチームの教育体制や成長のための環境設計とは。

キャンサースキャンの事業の中で非常に重要な解析とコンサルティング部分を担う分析チーム。一般的なアナリティクスコンサルタントの仕事とは何が違うのか、どのようにして活躍人材を育てているのか、はたまたキャンサースキャンの分析チームにはどのような人物が適していると思うのか。データエンジニアリング事業部マネージャー・辻と、2021年入社ながら分析チーム内のアクティングチームリーダーを担う野原に話を聞きました。

<プロフィール>

辻尭裕(つじ たかひろ)
データエンジニアリング本部 マネージャー
1983年生まれ。東北大で建築を学び一級建築士の資格を取得。内装の設計事務所などを経て、2016年9月にキャンサースキャンに入社

野原眞(のはら まこと)
1986年生まれ。大学院卒業後に都市銀行に新卒で入社。空港や発電所に対する融資業務や金融のデータ分析業務を経て、2021年5月にキャンサースキャンへ入社。重症化予防事業などのデータ分析業務や、データエンジニアリング事業部のアナリティクスチーム全体の進行管理業務に従事。

最初からできる人なんていない。教育体制の強化で「育てる」組織へ。

アナリティクスチームについて詳しく教えていただけますか?

辻:以前の取材でも詳しくお話しましたが、「ドメイン知識を武器に、課題の見極め・解釈を見越した分析デザインをおこない、実施可能で意味のある提案へ落とし込む」という役割に加え、公衆衛生上の課題に対する行動変容のために、対象者抽出や施策の効果検証なども担当しています。今後より多くの自治体さんとお仕事をしていくことも想定し、チームごとのメインの役割はこれだよねというところは整理していけたらと考えています。

一般にアナリティクス・コンサルティングという仕事は示唆を出すことをゴールにしがちですが、キャンサースキャンのアナリティクスチームは行動変容・社会実装をゴールにしています。一方で、視座を高く持ち、実際の社会やリアルワールドを相手にしていることから一筋縄でいかないことも多いポジションです。それゆえに「分析」だけではない要素・考えがミッション達成に必要であり、チャレンジングな仕事とも言えます。

業務内容を聞くとかなり優秀な人じゃないと働けないのかなと思ってしまうかもしれないのですが、実際のところはどうなんでしょうか。

辻:「専門知識やスキル、コミュニケーションや交渉能力の全てを最初から持っている人」なんて、正直ほぼいません(笑)。私たちもそこは理解しているので、基本的にはポテンシャル採用ということで、素養を持っている方ややる気のある方を入社後に育てていくという考え方をしています。統計・疫学、公衆衛生、医療知識、データ分析の知識のいずれかを持っている方だと、スタートが早くて即戦力としても活躍しやすいのかなとは思います。

教育体制としてはどのようなものがありますか?

辻:データの処理についてなど、マニュアル化できる部分については、新しく入ってこられた方にもなるべくわかりやすいようにまとめて渡せるようにしたいなと考えて準備をしています。社内でそうした独自のドキュメントを作っているので、入社後1-2ヶ月くらいで基本的な業務はできるようになってもらえるイメージです。

野原:他にも、アドバイザーとして協力してくださっている先生方に質問をしたり意見をもらったりする定例会があったり、それぞれが今やっているプロジェクトについて共有して相談しあうような勉強会の時間も作っていますね。

社内全員がアドバイザー。お互いに学び合う環境づくりと、成長設計。

勉強会というのはどのような意図で始められたんですか?

野原:いくつかのチームがある中で、それぞれのチームが今何をやっているのかということを知る機会があまり無いなと感じたことをきっかけに、私から「勉強会を開催しませんか」と提案しました。医療費の観点や重症化予防、未治療の人に向けたアクションなど、チームごとに特化する専門性が異なる分、現状や課題をお互いに共有し合うことで自分達だけでは気付けない点に気付けたり、提案できることにも広がりが生まれるのではないかと思ったからです。

辻:基本的に、弊社がやっている業務にはわかりやすい正解がありません。だからこそ、それぞれの知見を持ち寄った議論を通してより良くなっていくということが本当にたくさんあります。教育体制の一つとしても、建設的な議論ができる場所を増やせたらという思いはありますね。ニッチな領域であるからこそ、教科書を持ち寄って勉強をするというよりも、自分達で事例を持ち寄りながら考えていくというスタイルが適していると思います。

野原:そうですね。ちなみに私は2021年入社なんですが、入社歴に関係なくそうした提案を「いいね、やろう」といって聞き入れてもらえたことも、新しく入ってくる人に対しての向き合い方としては象徴的かなと思います。基本的に皆さん組織を良くしていくためには色々やっていきたいという姿勢があって、新しい提案にも前向きな反応をもらえたのは有難かったです。

社外のアカデミックな視点を持つアドバイザーもそうですし、社内にもそれぞれの専門が異なる頼もしいアドバイザーがいるような感じなんですね。

辻:やっぱり、どんなに知識があったり分析手法を理解していたとしても、それらを組み合わせてお客様に提案をするというところはかなり難しいものです。だからこそたくさんの目と頭で向き合える環境や関係性というものを整えることは大切だなと感じます。既存社員もそうですが、入社してくる方もそれぞれに能力値や得意分野が異なると思うので、一律で共通の育成プランを用意するというよりは、それぞれの持つ土台や興味関心に合わせて、「3年後にどうなっていたいのか」といった話を面談等で重ねながら、一緒にアクションプランに落として成長していってもらう形がいいんだろうなと思います。

「分析者としてのあるべき道を進むことができる」という実感を生む、キャンサースキャンの企業風土

野原さんは2021年入社ということですが、キャンサースキャンに入社してみて感じる特徴はありますか?

野原:私は元々金融機関で分析の仕事をしていたのですが、分析の仕事をする時にhowにフォーカスして「どうやるか」に重点を置くタイプと、目的重視で分析を行うタイプがいると思っています。自分は後者だったんですが、キャンサースキャンに入社するまでは「どれだけテクニカルな分析ができているか?」を評価されることが多く、目の前の分析に対してどのような姿勢で臨むべきかがわからなくなってしまうことがありました。キャンサースキャンではその姿勢が明確で、「目的の達成のための分析である」という前提に全員が立っているので、非常に気持ち良く仕事ができると感じています。例えば自分がちょっと格好つけて「こういう分析がしたい」と伝えれば、周りがきちんと「それは違うんじゃないか」と指摘をしてくれる環境があるのがキャンサースキャンです。格好つけず、分析者としてのあるべき道を進むための調整を全員がしてくれていると思います。

「分析はあくまで目的を達成するための手段である」という考え方が一貫しているというのは確かにそうですね。辻さんとしては、キャンサースキャンの特徴はどのような点だと思いますか?

辻:まず大きくあるのは、他社のアナリティクスコンサルタント業務と比べて、キャンサースキャンでは分析をして終わりではなく、その後の行動変容を促す部分まで含んだ「社会変容を担うことができる」という点が特徴的だと思います。「どれくらい行動が変わったのか」という部分を出口に置いているというのは、論文を出すところまでがゴールの研究とも、分析だけで終わるアナリティクスコンサルタントとも違う、マーケティングを強みとして持つ弊社ならではの特徴なのかなと感じます。あとは、企業のカルチャーとしてアカデミックなことへの結びつきを大切にしている点も特徴的ですよね。巨人の肩に乗って、学問的知見を取り入れることでブーストさせていくという方法をよく取り入れています。

本当にやりたいことなんて簡単には見つからない。だからこそ、「偶然出会える可能性」を広げる。

キャンサースキャンはどのような方におすすめしたいですか?

辻:20代や30代の頃って、正直に言って自分が本当にやりたいことを見つけられている人なんてほとんどいないんじゃないかと思うんです。だからこそ、色々な業務に偶然的に出会っていく機会というものが大切になってくるのではないかと思っています。弊社は、良くも悪くも専門分化していないのが現状の特徴なので、そうした「偶然的に出会う機会」を残しながらキャリアに出会っていってもらえる環境があると思います。キャンサースキャン全体の姿勢として、本人が気づいていない得意なところを見つけて投資しようという姿勢があるので、未経験だったり未開拓だったりしても、まずは意志があるのなら気軽に面談をしましょうとお伝えしたいですね。

野原:確かに、私も前職では分析だけやっていましたが、今ではドメイン業務もできるようになりましたね。自分が出した結果がドメインと照らし合わせても整合的かというのを、何もわからない段階からでも周囲に共有していく機会を作ることでだんだんわかるようになっていきました。そういう意味では、受身なだけではなく、自分からもしっかり「取りに行く」という姿勢がある方が向いているかもしれないです。経験がなくとも、気概があれば習得できるということはたくさんあると思うので。
あとは、私もそうでしたが、面接時にはとにかく素直に話すことをおすすめしたいです。先ほどの分析の話でいくと、本当はテクニカルなことをやりたいと思っているのに面接で嘘をついてしまったりすると、入社後に辛くなってくるということがあり得ます。会社側も割とはっきりと説明してくれる姿勢があると思うので、面接される場合には気になることはしっかり聞いて、自分のスタンスとマッチしているか見極めることが大切ではないかと思います。

最後に、キャンサースキャンでキャリアを重ねていくことでどのような活躍ができるようになるか教えてください。

野原:やはり自分の現状スキルよりも広い業務に触れることができ、アカデミックな知見も含めて色々なことを吸収していくことができる環境は大きいです。私も医療分野は未経験でしたが、それでも「やってみたい」「面白そうだ」という気持ちを持って取り組み続けることで、できることが増えていく実感があります。また、自分がやってみたいと思ったことに対して、みんながポジティブに捉えて「やろう」と言ってくれる環境があるので、自分からどんどん動けば動く分、知見も経験も広がっていくんじゃないかと思っています。

辻:私も、キャンサースキャンに入るまでは想像していなかったキャリアを踏んでいるなぁという実感があります。エンジンさえ積んでいれば、自分の可能性を広げられる、ブーストできる環境は揃っているんじゃないかと思います。「どういう人たちと仕事をしていくか」というのは自分に価値をつけていく中で非常に重要なポイントだと思うので、そこも踏まえてこの分野で活躍してみたい、面白そうだと感じられた方は、社会変容を起こしていく担い手になるポテンシャルがあるといえるのではないでしょうか。

野原:アナリティクスチームは医療分野未経験者も多いですし、キャンサースキャンで扱うのは医療経験があってもあまり触れたことのない領域が多いため、ここから新たに身につけていく姿勢の有無が重要かもしれません。基本的に一人だけで何かをするというよりは周りと一緒に意見を交わしながら進めていく環境なので、挑戦してみたいと思った方はぜひアナリティクスチームで活躍してもらえたらなと思います。

(話し手:辻尭裕・野原眞/取材・構成:中西須瑞化/撮影:横田貴仁)

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