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“どん底評価”から、営業成績トップへ。2022年入社の櫻井が歩んだ半年間

BOXは、「初めてのスタートアップ転職ならBOX」を掲げ、20代の候補者(求職者)を中心に伴走型の転職支援を行うエージェントです。一人あたりの平均面談回数は10回以上。マッチング精度を高めることを目的に数か月をかけてお付き合いするため、メンバー自身の成果が出るまでに時間を要するケースもあります。

一方、候補者との深い関係性を築いた結果、その候補者から友人や元同僚を次々にご紹介いただき、多くの支援につながることも。そんな支援を体現しているのが、BOXのエージェント、櫻井 祐樹(さくらい ゆうき)です。多くの方を支援した結果、2024年上期(1月~6月)には営業成績トップに輝きました。

「2023年の成績は最悪で、評価面談は地獄みたいでした」。そう振り返る櫻井は、どのような半期を過ごしてきたのでしょうか。話を聞きました。

成果が出ず、自己に向き合いきれなかった2023年の下期

——入社から2年2ヶ月が経とうとしています。1年前の記事「大手から転職後、約1年でどんな変化が? 同期入社の2人にインタビュー」でも取り上げられた同期入社の白木と比較されることも多かったのではと思います。いかがでしたか?

比較されることはそれなりにあったかなと思います。でも入社当時から、僕自身は「あえて白木と比べない」と思っていたんですよね。僕らが本来向き合うべきは社内のメンバーではなくて候補者さんのはず。勝ち負けに気を取られて本質的なことを見失いたくないなと思っていて。

でも、今振り返ると予防線だったんじゃないかなという気もしています。成果が出なかったときのために、自分を守ろうとしていたというか…。「別に俺、白木と比べてないし」って思おうとしていた気がしますね。

——1年前の記事では、「入社2ヶ月で次々と成果を出していた白木と違って、最初の半年は本当に何も結果を残すことができなかった」と語っていました。その後はどうでしたか。

入社からこれまでを改めて思い返してみると、2023年の下期(7月~12月)が一番うまくいっていなかった気がしますね。企業から内定をいただき一度は入社の意向を示してくれたものの、その後辞退してしまう「承諾後辞退」、企業から内定をいただいたのにそれをお断りする「内定辞退」が続いてしまっていました。

2023年下期は、目標のご支援人数の20%程度の達成に終わりました。企業からオファーをいただいていた方は何人もいたのに、入社までのご縁を紡ぐことができず、落ち込んでばかりの下期でした。

——当時、周囲からの評価はどうでしたか?

当然、下期の評価は最悪でした。評価面談のときも、代表の角田に「2年目の下半期なのにどうしてこんなに成果が出ないんだと思う?」と率直なフィードバックをもらいました。

メンバーから直接何かを言われることはなかったですが、「どう思われているんだろう」と気にはなっていましたね。

BOXは、CA(キャリアアドバイザー:対候補者の支援)とRA(リクルーティングアドバイザー:対企業の支援)をどちらも行う、両面型の人材紹介会社です。僕はもともとRA業務が好きだったのですが、メンバーを巻き込む力が必要とされるRAをするにあたって「CA業務で成果を出していない僕の言葉なんて、誰にも届かないだろうな」と思うようになってしまって。プロジェクトにメンバーを巻き込めずに一人で抱え込み、CAもRAもうまく回らない時期が続きました。それなのに、やたらと「新規のRAやります!」と手を挙げて、自ら仕事を増やしていましたね。

——それはなぜ?

今思うと、逃げだったのかもしれません。なかなか候補者さんを企業に送り出せず、既存のRA業務もうまく回らず、成果が出ない。その自覚があったからこそ、新しいことにどんどん手を挙げている姿勢を評価してもらおうとしていました。でも、どれだけ新しい打席に立っても、当時の僕は期待以上の成果は残せなくて…。成果が上がってきた今だからこそ「地獄の評価面談だった」って笑って振り返れるけれど、当時は本当につらかったですね。

“地獄の評価面談”から営業成績1位へ。多くの候補者さんを企業に送り出せたワケ

——そんな状況から、2024年上期は売上成績1位に返り咲きました。何が功を奏した?

COO長山の“パイプラインマネジメント”を徹底的に真似たことが転機になりました。

パイプラインマネジメントとは、一般的にセールス担当者が商談から受注までの各ステップを分類して、ステップごとの分析・評価・改善を行うことを指します。長山は、2022年に年間営業成績1位になり、多くの候補者さんを希望の企業に送り出した元・トップエージェント。そんな長山のパイプラインマネジメントを真似ることで、何か見えてくるものがあるのではと思ったのが取り組みのきっかけでした。

——具体的にはどのようなことをしたのですか?

候補者さんは、選考フローが進むごとに違う心理状態になります。たとえば、このあたりはまだ緊張しながら面接を受けるはずだけれど、このあたりで慣れてくるから志望度がもっとも高い企業を受けてもらおう。最終選考の段階でご家族にどの会社が良いか具体的に相談し始めるはずだから、そのタイミングでこんな情報を渡そう。内定から入社までの間は不安な気持ちになるはずだから、こんなコミュニケーションを取って情報交換をしよう——そのように、候補者さんの心理状態を予測しながら具体的な施策を考えていくアプローチをとりました。

転職活動中は落ちた、受かったと一喜一憂しますし、転職活動中に友人と仕事について話す場があれば「本当に次の職場はここでいいのだろうか?」と気持ちが揺れることもある。候補者さんの気持ちが揺れるたびに場当たり的な対応をするのではなく、事前に気持ちの動きを想定しておくだけで、候補者さんに自信をもって次のステップに進んでもらうことができるんですよね。

それまでの僕は、候補者さんの面接対策に力を入れていました。多い人だと週に3回対策をしていて、その結果しっかりと内定までご支援することはできていました。ですが、上期の課題になっていたのは「承諾」。内定をもらったときに候補者さんがどんな心理状態になっていれば納得して入社の意思決定をするのか考え抜く必要があると思い、2024年の上期はパイプラインマネジメントに全力投球しました。

——これまで徹底していた面接対策はどうしたのでしょうか?

必要な対策は必ず行いましたが、それ以上のことに時間をかけるのは止めてみました。そう言うと「手を抜いた」と思われてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ面談対策の回数を意識的に減らしたことで良い変化も生まれたんですよね。

これまでの僕は、面接対策の場で候補者さんが必要とする情報をすべてお伝えして、手取り足取り面接対策をしていました。でもそれだと、候補者さんが自発的に情報を集めるきっかけがなくなってしまっていたんです。

2024年の上期は、面接対策の量を減らす代わりに、候補者さんに渡す情報をより広く深くリサーチすることに時間を使いました。そうして集めた情報を、「事前にこれを読んでおいてくださいね」とお渡しする。そうすると、候補者さん自身が情報を読み込んで咀嚼するステップが発生するため、企業に対する理解度が深まりました。結果的により密度の高い面接対策を行うことができ、面談回数を減らしてもそれまでと遜色のないクオリティで面接に臨んでもらえるようになりました。

“情報を渡す”というアクションひとつをとっても、パイプラインマネジメントが生きました。このフェーズではこんな心理状態になっているはずだから、こういうポジティブな記事を読んでもらう。このフェーズでは不安を感じているはずだから、企業のリアルがわかる取材記事を渡そう。そんなふうに細部にまでこだわってアクションをしたことで、成果が出始めたように思います。

偽りのない自分でぶつかることが飛躍につながる

——パイプラインマネジメントを行うことで、上期の成果にはどのような変化が生まれましたか?

2024年の上期は約13人の候補者さんを企業に送り出し、トップエージェントになりました。これは2023年と比較して5倍以上のご支援実績です。正直、自分がここまでこられるなんて想像していなかったので、本当にうれしいですね。

でも、「トップエージェント」という肩書以上にうれしかったのは、支援したとある候補者さんが、ご友人や元同僚、友人の恋人など、大切な人をたくさん紹介してくれるようになったこと。紹介って、する側にもされる側にも責任が生まれるから、簡単じゃないと思うんです。それでも僕の支援に満足してくれて、信頼してくれて、紹介してくれた。紹介でつながった方々もしっかりと新たな職場に送り出せていて、とてもうれしいですね。

——候補者さんと向き合うときに大切にしていることを教えてください。

理想は追い求める。それだけでなく、willに近づける道も必ず提案する。入社時から変わらない軸です。

——というと?

候補者さんに理想の状態を聞くと、今一番行きたい企業を教えてもらえるじゃないですか。ただ、今自分ができること=“can”から次のキャリアを考えた方が、自分が本当に実現したいこと=“will”にたどり着きやすくなる、というパターンもあるんです。

もちろん、候補者さんの理想は一緒に追いかける。でも、それがダメだったときの次点の選択肢も一緒に探して持っておいて、そこに着地したときにも一緒に喜びましょう、とコミュニケーションを取っています。理想ばかりを追い求めて足元がおぼつかないと、候補者さん自身が幸せになれない。幸せになるための選択肢として、willに“近づける道”を提案しています。

——今後の目標を教えてください。

2023年の忘年会で「30人を素敵な企業へご支援します!」と宣言しました。まずはその目標をクリアして、一人でも多くの人を幸せにしたいと思っています。あとは、僕の候補者さんたちにBOXのファンになってもらい、つながりを生んでいきたいですね。

転職したいと思っている人をご紹介いただくのはもちろんうれしいですがそれだけではなく、BOXを起点にスタートアップで挑戦するもの同士のコミュニティが広がっていったらいいなと思っています。

——BOXの社内にも、転職をしたばかりの人の中にも、すぐに成果が出ず後ろ向きな気持ちになっている人がいるはずです。そんな人に向け、メッセージを伝えるとしたら?

周りの人に積極的にフィードバックをもらいにいこう、と伝えたいです。2023年までの僕はずっと自分を守ろうとして鎧を着ていたんですよね。でも、そんな重たい鎧を着ていたら飛べるはずなんてなくて。鎧を脱いで、マネージャーとか、同期とか、この人に話を聞いてみたいなと思える相手に取り繕わずにぶつかっていく。僕はそれがなかなかできませんでした。一度それができれば、自分の足りないところを伸ばせるようになるはずです。

愚直にやっていくしかない。近道はないかな。それでも、今いる道は正しいよって言いたいです。だってしんどいって感じるのは、前に進んでいる証だから。

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